表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮想世界で生きていく  作者: 月之住人
12/21

最後の訓練です! ②

 訓練をクリアした碧希ちゃんは、とても嬉しそうな感じで私達のところへ戻ってきました。

 

「碧希ちゃん、すごいです!かっこよかったです!」

「俺の時は、こうやって声をかけてもらえなかったな!」

「紅太郎さんの後に、すぐに碧希ちゃんがすぐに始めちゃいましたから、しかたないですよ。」

「でも碧希、あれはどういうことだ?なぜ泥に足を取られない?」

「なぜ?どうやるの?」

「ふふふ、あれは私の努力の結晶よ!足もとの水分量を調整して、足場が悪かったら水の高圧噴射して無理やりにでも整えて、踏み込みやすいようにしているのよ!」

「そんなのありかよ...何でもありなのか?」

「ほう!良く分からないがすごいな!」


 碧希ちゃんが、普段の訓練の後、一人で何かやっているのを知ってはいましたが、こんなことを練習なんて...

 碧希ちゃんは、我がままで自己中心的なところがありますが、根はやさしくて頑張り屋さんなんですよね。

 宿舎で家事の分担が決まるまでは、ほとんどの家事をやってくれてたんですよね。

 すぐに家事の分担を決めたので、何とかなったのですが...

 少しは皆に頼ってほしいのですが、仕事とかは全部自分で抱え込んじゃうんですよね...

 私達でしっかりフォローをしていかないと、いつか疲れ切って身体を壊さないか心配です。

 なので、私達も頑張らないといけません!

 というか、頑張ってきています!

 さて、ずっと話してゆっくりしているわけにはいけません。

 訓練はまだ終わっていません。

 碧希ちゃんの次は黄河君です。




 黄河君は少し眠たそうにして、案内人さんに対峙します。

 勝負が始まると、腰に提げている短剣を抜いて構えました。

 そして次の瞬間から、黄河君がこの勝負の主導権を握ります。

 黄河君が一歩踏み出したと思ったら、一瞬で案内人さんの目の前に移動して、案内人さんに切りかかっていました。

 私には瞬間移動したようにしか見えませんでした。

 ですが案内人さんは反応出来るようで、黄河君の攻撃を防いでいました。

 おかしいです。

 二人とも化け物です。

 どうやったら、あんなに早いスピードを出せるのでしょうか?

 どうやったらあんなスピードに反応出来るのでしょうか?

 頭がおかしいのでしょうか?

 その後も高速試合が続きます。

 普段ちょっとだるそうで、すごいマイペースな黃河君ですが、こんなにきびきび出来たんですね!

 そのことがかなり以外で、驚いちゃいました。

 しかし、驚くことはこれだけではありませんでした。

 黄河君は、攻撃しながら途中で身体の各所に隠してあった短刀を投げて、案内人さんを囲うように設置しました。

 すると、その短刀を起点として魔法陣が発生しました。

 その魔法陣が発動すると、半球状に電気の結界が出来上がり、結界内部には電気が放電され続け、案内人さんはマヒして動けなくなってしまいました。

 これで勝負ありでもいいと思うのですが、黄河君は容赦なくとどめを刺しにいきます。

 短刀を案内人さんの方に向けました。

 すると、黄河君は電気を纏い始めました。

 纏った電気は周囲に放電されて、バチバチと激しく鳴りだします。

 

「チェックメイト、案内人さん。」


 黄河君がそう呟いた直後、二本電流が案内人さんの方へ走ったと思うと、その間を、目にもとまらぬ速さで短刀が発射されました。

 発射された短刀は、電気の結界を捻じ曲げ破壊し、案内人さんを貫くだけでは止まらず、遠く離れた小高い丘に、とても大きいクレーターを作りました。

 まるで、隕石が落下した後みたいです。

 とりあえず、黄河君のオーバーキルで勝利です!

 

「すごかったな、黄河。あれは俺の大盾でも守るのは大変だぜ。」

「だろうね。あれは本気だったから。」

「あの結界はどうやったんですか?最後の奴は?」

「見てて気付かなかったの?短刀に魔法陣が埋め込まれて、それを使って魔法陣を作ってたのよ。」

「最後のはレールガンみたいだったな!」

「電磁場はすぐ作れる。制御できれば簡単。一応、詠唱した。」

「最後に言ってたやつだな!詠唱は本当になんでもいいんだな!」

「使い始めは大変。慣れれば簡単。」

「それよりも、案内人さんが待ってるわよ。次は誰かしら?」

「私がすぐに終わらせてきますよ。」

「紫抒ちゃん、頑張ってきてください!」

「案内人の防御を崩せるのかしら?なにか工夫しないと、すべて防がれるわよ?」

「黄河ができたのよ?お姉ちゃんの私ができないわけないじゃない。すぐに戻ってくるわ。」


 紫抒ちゃんはすごい自信です。

 ですが、紫抒ちゃんが負ける姿は想像できません。

 皆の日々の訓練の様子を見てきたから知っています。

 紫抒ちゃんは、私達の中で一番強いことを!

 黄河君ならもしもがあるかもしれませんが…

 そろそろ勝負が始まりそうです!

 どれくらい強いかはこの勝負を見ればわかります!




 勝負が始まると、案内人さんが紫抒ちゃんに急接近します。

 それに対して紫抒ちゃんは、ゆっくり弓を引き絞ります。

 そして紫抒ちゃんは、魔法を発動させます。

 盗賊が来たときにも使った、矢の数を増やす魔法です。

 一本の矢が20本近くに増え、横一列に並びます。

 その多数の矢は、紫抒ちゃんが一本矢を放つと、他の矢も一緒に案内人さんに向かって飛んでいきます。

 魔法によりできた矢は、紫抒ちゃんの思い通りに操ることができます。

 そのため、まっすぐ飛んでいった矢は、途中で普通ではありえない角度に方向を変えて、すべての矢が無駄になることなく案内人さんの方へ飛んでいきます。

 案内人さんの前後左右から攻撃する形になりました。

 それをしゃがんで避けました。

 その間に紫抒ちゃんは次の矢を放ちます。

 今度は案内人さんに、矢の雨が降り注ぎます。

 それを案内人さんはしゃがんだ状態から地面を強く蹴り紫抒ちゃんとの距離を縮めつつ避けます。

 その後も攻撃は止むことなく続きます。

 その攻撃は案内人さんの行動に合わせて放たれます。

 避けようと移動すると、動きを予測して当たらなくても動きを止めます。

 逆に動きを止めると、先程のように矢の雨を降らしたり、多方位から攻撃します。

 これはすべて避けるのは無理ですね!

 黄河君ならもしかしたらがあるかもしれませんが。

 案内人さんでは、反応することはできても、体が追いつきません。

 最初はギリギリですべて避けていましたが、10分後には紫抒ちゃんが案内人さんの動き予測できるようになり、一発矢が肩に命中してのを皮切りに、被弾が増えてきました。

 一発当たるごとに機動力を削がれていき、最後は心臓を射抜かれてしまいました。

 これが私達の中で一番強い紫抒ちゃんの実力です!

 姉弟揃って容赦がないですね…

 なにか恨みでもあったのでしょうか?

 案内人さんがかわいそうに思えてきます。

 あと2回死んでもらわないといけませんし…

 痛みとか感じないのでしょうか?

 そこを気にしてしまうと私の番の時に殺しにくくなってしまうので、考えないようにします…

 さて、次は左近さんです!

 盾使いの左近さんはどのような戦い方で案内人さんを倒すのでしょうか?

 とても楽しみです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ