なだれ込んできました!
少し短めです。
盗賊騒動も無事に終わりを迎えました。
盗賊から助け出された私は、助けてくれた皆に囲まれて、質問攻めされました。
炎さんにおんぶされたままでしたが...
ですが、さっき怖い思いをしたばかりだからなのか、ちょっと心細いです。
少しは甘えたままでいさせてもらいます。
それでも、恥ずかしいのは変わりありません。
赤面してしまっているのを、隠し通せたでしょうか?
きっとばれていない筈です!
きっとです!
そうじゃないと恥ずかしさのあまり、頭がショートして死んでしまいます。
これは絶対です!
「盗賊たちに何もされてない?」
「大丈夫です。」
「怪我、ない?」
「大丈夫です。」
「怖かったでしょう?」
「ちょっとだけです。」
「奴らは殺っとく?」
「お任せします。」
「顔が赤いぞ!熱でもあるのか?すぐに降ろすぞ!待っていてくれ!」
「ね、熱は無いので、このままで...お願いします...」
「無永よ、それはさすがに炎も困ってしまうぞ。」
「では皆様、今日は訓練を終わりにして、宿舎の方に戻りましょうか。そこまでは炎さん、無永さんをお願いします。」
「任せてくれ!」
「宿舎に大部屋を用意してもらいましょう。」
「今日は皆、大部屋に寝ようよ!」
「それはいいわね。」
顔が赤いのはばれてしまいましたが、誤魔化す事が出来たのでセーフです!
ここは譲れません!
まだ生きていたいのです!
でも、いつの間にかすぐ近くに居た案内人さんにはびっくりしました。
その案内人さんのおかげで、このままでいられるのは嬉しかったです。
実は、盗賊に連れ去られそうになった時に腰が抜けたまま、ずっとその状態が続いていたのです。
せっかく座って、やっと大丈夫になりそうだったのに、炎さんにおんぶしてもらったまま、空を飛んだせいで、また腰が抜けてしまったのです。
せめて一言声をかけてほしかったです。
でも、助けてもらったという事実だけですごくうれしかったです。
あんな出来事があったけど、もう怖くないです。
皆が近くに居てくれるからです!
この日は、人生で一番いやな出来事と、一番うれしかった出来事を体験することになりました。
忘れ去られている、建物に生き埋めにされたり、ほったらかしにされている盗賊たちは、唯一忘れていなかった案内人さんによって確保されました。
この盗賊たちは、私の知らないところで処理されていました。
数年後に案内人さんに聞いた話では、ある人は、生きたまま丸焼きにされ、動物のえさにされたり、又ある人は、徐々に効いてくる毒を盛られひどく苦しんで死んだり、又ある人は、少しずつ押しつぶされて死んだりと、普通の死に方をさせてもらえなかったみたいです。
なんだか、盗賊さんたちが可哀想に思えてきてしまいました。
同じ目にあう人が一人でも少なくなることを祈るばかりです。