表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぼくの詩集

ノストラダムス野郎

作者: 桜井あんじ

ねえ だまされてるよ 君

だまされてるよ


ほんとのこというとね

じつは

だいじょうぶなんだよ

そんなにしんぱいすることないんだ

大丈夫大丈夫だいじょうぶ


君は気づいてない


だれにも愛されないと嘆く

何にも縛られない自由を持っているのに


なにも持ってないと嘆く

なんでもいれられる 空っぽの箱を持っているのに


何の力もないと 嘆く

でも ほんとうにそうなの?



きみのその考えのうちで

いったいどのくらいが

きみ自身の考えなの?

君はどうしてそう思うの?

その根拠はどこからきてる?

君自身の経験からきてる?

ねえもしかして それ

教科書から君の頭に

丸写ししただけじゃない?


やつらはね 君にいつも

いまここにないものばかりをみせる

飢えさせて おくために


なぜなら それが

資本主義! し ほ ん しゅ ぎ!! しーほーんーしゅーぎっ!!!

発展! 前進! 進歩!

さあみんなで足並みそろえて!

だがしかし そのやり方では

いつかはぼくらだって

くたびれて たおれてしまうのです



ぼくらはほんとうは

欠乏を埋めるためではなく

天に向かって伸びるために 動くのです 

あの小さき草花と同じように

それ以上の幸福なんて

あるのでしょうか?


きみはだいじょうぶ

ぼくもだいじょうぶ

せかいはすべて

なるようになる

そういうふうにできている


きみのその 恐れ

どこからきてる

誰かさんによって

君の頭に描かれたんじゃないの?

誰かさんの利益のために



年齢を重ねたら

楽しい事がなくなるなんて

うそだった

ただ傲慢でいられなくなる

それだけのこと


あれがたりない

これがたりない

だからしあわせじゃない

あれさえあれば

これさえあれば

うそだった

あれが手に入ったら

これが手に入ったら

また次のあれやこれが

たりない


きみはここがダメ

そういうところがダメ

うそだった

ただ少し ふつうじゃなくて

ひととちがうだけのこと

それだけのこと

ほんとうにやらなきゃいけなかったのは

それのつかいかたをしること


はやくはやく

ああしなきゃ

こうしなきゃ

そうならなきゃ

ああ ダメになってしまう

だいじょうぶじゃなくなっちゃう


うそだった


ひとつの扉が閉まると

べつの扉がひらく

なにかをもたないことは

かわりに

なにかをもつこと


おおうそ

じゃん!

いろいろ

あれもこれも

ひとをさんざん心配させといて

うそだった

この ノストラダムス野郎!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >やつらはね 君にいつも  いまここにないものばかりをみせる  飢えさせて おくために  この部分がとても胸に響いて「うわ~」と声にならない声が出ました。そうか、今の不安はノストラダムス…
2018/01/13 00:54 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ