表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イン・ディヴァインマスター 銀河の救世主  作者: 夢野楽人
女帝戦 Ⅱ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/432

武闘大会 決勝

 女帝戦、三日目。

 武闘大会、後半戦が始まる。

 前半戦は地に足をつけての戦いだったが、後半戦はメタル・ディヴァインに騎乗しての戦いとなる。

 非殺傷武器を使い、高度制限ありの戦い。

 これで地上型が不利になることはない。

 見る側からしても観戦しやすく、星騎士とメタル・ディヴァインの華麗な動きに、目が奪われる。

 三本勝負で有効打撃が決まるたびに、拍手と歓声がわき起こる。

 時には、威力のある一撃で星騎士が倒される場合もあり、団体戦は激闘となった。

 前日下位の、パシフィスとムーが奮起して盛り返し、順位が目まぐるしく変わる。


 終わってみれば、一位と二位はメガラニカとレムリアで変わらなかったが、三位はアトランティス・パシフィス・ムーが同率で並んでしまう。

「延長戦で決着を!」

 と望む声が多かったものの、協議はしたが日程の都合上無しとなる。

 収まりがつきそうもなかったので、輝夜が説得した。

「次回は規模を拡大し、出場者も増やします。それまでは各自、腕に磨きをかけて下さい」

 これで星騎士達は仕方無く引き下がるが、「次は私が闘技場に立つ!」という思いを強くした。

 やはり大観衆の前で声援を浴びるのは、喜びでもあり名誉だ。

 星騎士達は一層修練に励み、のちに各国混成チームも誕生することになる。


 個人戦も白熱した試合が続き、ついに決勝戦となる。

 激戦を勝ち抜いてきたのは、パシフィスのパウラと、アトランティスの楓。

 楓は敗者復活戦からの出場ということもあり、疲労の色がみえる。

 パウラの方はシードで、試合数は少なく気力体力ともに、まだ余裕があった。

 二人が騎乗するメタル・ディヴァインは以下の通り。


 ブエナビスタ――重量八〇〇kg、モデルはイワツバメ、翼は黄色でその他は白。


 ウオッカ――――重量一〇〇〇kg、モデルはオオカミ、体色はピンク。


 側近アントラージュの機体色は、女王のメタル・ディヴァインに合わせるのが慣例だ。

 敵味方に大将の健在ぶりをしめすのは重要で、ど派手に目立つ必要があった。

 女王と側近が戦場にいれば、やはり軍の士気は上がるものだ。

 当初、楓は無人機で試合に挑むつもりでいたが、輝夜の計らいでウオッカの使用を許された。

 楓は感謝して、必勝を誓う。

 パウラと楓は騎乗し、開始の合図を待つのみ。アンジェラが右手を挙げて振り下ろす。


「決勝戦、始め!」

「「うおおお――――」」

 二人は同時に雄叫びを上げ、相手にむかって突っ込んでいく。

 メタル・ディヴァイン同士がぶつかり、衝突音が闘技場に鳴り響く。

 体当たりして相手の体勢を崩すのは基本、ぶちかましは五分。

「ヤ――!」

「はあああ――!」

 駆け引きもなく、力任せの騎士槍ナイトランスの突き合いが始まる。

 目にも止まらぬ早技で、打ち合う音が木霊した。

「「ぐっ!」」

 時々、相打ちとなる。非殺傷武器でなければ、両者ともとっくに死んでいただろう。

 とは言え、騎士甲冑の上からでもダメージは受け、蓄積されていく。

 判定では決着はつきそうもなく、どちらかが倒れるまで闘いは終わらない。


「ワ――――――――!」

 初っ端からの激闘に観客達は沸き立ち、応援にも熱が入る。

 パシフィスとアトランティスの星騎士達は、自国旗を振っていた。

 三叉の銛と天秤がデザインされた旗が翻り、否が応でも盛り上がる。

「パウラ! パウラ! パウラ!」

「楓! 楓! 楓!」

 声援は真っ二つに割れ、観客の誰もがどちらかにエールを送っていた。

 戦っている二人に声は届き、歓喜に打ち震える。

 主役としてこの場にいることに高揚し、戦意も高まった。お互いににらみ合う。

((絶対、負けられない!))


 意地と意地のぶつかりあいだ。闘いは激しさを増していく。

 しばらく一進一退の攻防が続いた。

 輝夜は表情を変えずに見ていたが、ルカは憎まれ口を叩いて突っかかる。

「あんたのとこの楓は、まあまあ強いわね。でも疲れが見えるわ、勝つのはうちのパウラよ。何てったって、あたしの片腕だからね。へへん」

「その割には、ルカの扱いがひどいようだけど?」

「う! うっさいわね!」

 ルカは図星を突かれて、噛みつく。

 事実、パウラは側近というよりは小間使い(パシリ)だ。

「パウラー! カイラー!」と二人一緒に呼びつけては、我が儘を言っては困らせている。

 ルカ自身も甘えているのはわかっているが、止められない。

 二人も、両親を早くに亡くしたルカを不憫に思えて、ついつい甘やかしてしまう。

 幼少から付き従っている、主人とお供の関係は変わらなかった。

(勝ち負けなんてどうでもいいから、無事に試合を終えなさいよ!)

 ルカはパウラを心配し、手は震えていた。


 何度かの激突を重ねて、楓とパウラは間合いをとり休む。

 汗は流れ、息は上がり、動きも鈍くなっていた。

 やはり楓の疲労が深い。勝機と見てパウラは勝負に出る。


「ブエナビスタ、回転駆動スピンドライブ!」

「イエッサー!」

 特殊機能アビリティを発動させ、ブエナビスタがウオッカの周りを回り始める。

 相手に正面を向けたままの高速回転移動、これにより残像ができる。

 人の目では追いつけない分身殺法だ。


 ためしに楓はランスで軽く突いてみたが、当たらなかった。

 かえって隙を作り、パウラは死角から襲ってくる。

 間一髪、ウオッカが飛び退すさってかわした。

「下手に動くと、やられるわね」

 パウラは攻撃を外すやいなや、回転移動に戻る。

 ブエナビスタの動きが速すぎて、カウンターを狙えそうもない。

 楓とウオッカは不利を覚る。 


「こりゃーいかんばい、どぎゃんすっと? 楓」

「本当に強い。これは捨て身の覚悟でいかないと……ははは!」

「どげんしたと?」

「前に光太郎様の戦法を非難しておきながら、同じような事をしようとしてる、私をあざけったとこよ」

そぎゃんな(なるほど)

「体力も限界。さあ、残った力を振り絞るよ、ウオッカ!」

「がんばるばい!」


 様子をうかがっていたパウラは驚く。

 なんと楓は目をつぶったのだ。

「オ――――!」

 観客達もこれにはどよめき、目を丸くする。

 楓は開き直って、精神を集中していた。

(目で動きが追えないなら、目を閉じても同じこと)


 絶好の機会チャンスにパウラは、攻めるのをためらってしまう。

(何か策があるの?)

 罠を警戒し、少しだけ様子見を決め込んでしまった。それは悪手となる。

「今よ!」

竜巻の牙(ストームファング)たい!」

 ウオッカが一瞬で、真後まうしろに飛ぶ! 

 特殊機能アビリティだ。

 四肢のバネとスラスターを同時に使い、機体をひねりながら相手に飛びかかる。

 予備動作がなく急襲する技だ。狼の牙がパウラを襲う!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ