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桃太郎  作者: 小麦
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きびだんごの行方① 食べたのは……

「よーっし、まずは家来探しだっ! とりあえず最初は犬からかなぁ♪ どうせなら何でも溶かしちまう雑食スライムでも食べられるくらいの強い犬とか、ヒーローのピンチに颯爽と墓地から融合を持ってくるような役に立つ犬がいいなぁ……」

 家を出た桃太郎はそんな恐ろしいことを言いながら、とりあえず腰につけた巾着からきびだんごを一つ取り出した。しかし、取り出した場所がまずかった。彼がいたのは陽太とマリのアパートから少し離れた公園の目の前の道だったのだが、その道にはゴミ集積所があった。そして、そこにはゴミ捨ての曜日を守らないマナーの悪い近所の住民が捨てていったゴミが置いてあり、その中の残飯を食べている数羽ほどの黒い鳥が当然のようにそれをあさり散らかしていた。しかし、桃太郎がそのおいしそうな食べ物を取り出すと、その不吉な象徴である動物の目の色が変わり、先ほどまで食べていた残飯にはもう目もくれず、途端に桃太郎にたかり始めた。

「ちょ、やめろ! これはてめぇらにやるためのもんじゃねぇ!」

 最初は抵抗していた桃太郎だったが、数分もするとバテてしまった。見た目は子供、頭脳は大人! な訳だが、もちろん先ほど生まれたばかりの桃太郎にすごいスピードで駆け抜けるスケボーやキック力を高めるシューズを開発してくれる近所の博士がいるはずもないのだ。結局そのまま漆黒の野良鳥に手に持っていた岡山の名産物を食べられてしまった。

「あ、ああ~!」

 orzの形で崩れ落ちる桃太郎。結局リーダー格らしき1羽が残りの仲間たちにそれを分け、そのきびだんごはそのままそいつらにおいしくいただかれてしまった。こんなところでさっきの自分の発言がフラグとして消化されるとは思っていなかった桃太郎はしばらくの間その格好から立ち直ることができなかった。そして、それをもらった(というか奪い取った)鋭い目の黒鳥たちは、当然のように桃太郎の後ろにスタンバイし、主の出発を待つのだった。

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