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桃太郎  作者: 小麦
6/22

突っ込み確定

「それじゃあ聞くけど、お前服は?」

そう尋ねる。一方の桃太郎は最初何を言ってるのか分からない、と言った様子で自分の体を見て、次の瞬間見る見るうちに顔を赤くし、

「見てんじゃねえ変態!」

慌ててしゃがみこんだ。

「散々自分の裸体見せといて今更文句つけんな! そもそも誰がてめーの裸で興奮なんかするか!」

「あたしは知ってて放置しといたけどね。子供とはいえ、男の裸なんてめったに見られるもんじゃないし。ほら、とりあえず洋服大家さんに借りてきたからこれ着て出かけるといいわ。一応年齢相応の服のはずよ」

陽太のツッコミが部屋に響き渡る中、ガチャっとドアの開く音がして、マリが帰ってきた。どうやら服を借りに行っていたらしい。つくづく気の利く彼女だ、とまた陽太はマリに惚れ直した。が、

「おお、さすがお姉さん! そこの変態ロリ趣味男とは配慮のレベルが違うぜ!」

「ちょっと待てーい! 何で教えてやったのに俺の評価がさっきよりひどくなってんだよ! しかもどう考えても今のマリの発言のが問題ありだろ! そしてどこでその言葉を覚えた!?」

桃太郎の尊敬のまなざしはいまだに陽太には向けられていなかった。桃太郎はそんな陽太のツッコミにポン、と肩に手を置き、

「女性のロリ趣味なら分かるけど、男性の同性ロリとかすでに救いようのないレベルだろ? ちなみに今の言葉はさっき俺が売られてた青果店でメガネかけてリュック背負った体型太めの半そで長ズボンの格好したオタクがハァハァしながら言ってた独り言だ」

「何で俺は慰められてんだ? そして何だその急にひと昔前の時代に遡ったような服装のオタク! ってかそんな危険な呟きする奴を店に入れたらまずすぎるだろ!」

そんなことを言ってきたので、自分のことはさておき先にそのオタクについて反応した。

「ちなみにそのオタクはその言葉を気味悪く思った女子高生の通報によって、おいしく警察に連行されていきました」

「スタッフがおいしくいただきました風にごまかしても危険度は全く変わってねーよ! しかもどこがおいしいのかさっぱり分かんねえ!」

桃太郎のボケにさながら機械のように素早く的確にツッコミを入れていく陽太。

「まあこういうことだろ。地球にはこんな言葉がある、キジも鳴かずば撃たれまいってな」

「さらっとまたパクリやがった!」

そんな二人の様子を見てキリがないと思ったのか、マリが助け舟を出すが、

「まあ、その辺りにしたら? そろそろ桃太郎も家来探しに行かないとでしょ? 陽太もそろそろ桃太郎に絡むのは止めて、かわいい我が子をアルプスの山まで旅させましょうよ」

「マリまでネタ混ぜてきたか! ってか遠くまで行かせすぎだし、そもそも我が子じゃねーだろ!」

彼女までボケを組み込んできたので結局陽太はツッコミに回ることとなった。

「俺はアルムの山小屋まで行けば鬼退治ができるのか……?」

「そしててめえも真に受けてんじゃねぇっ! 人んち入り込んだ時点で捕まるわ! そもそもてめえは3歳児だっただろうが! 一人で山登りとか体力持たねーだろ!」

期待の眼差しでマリを見る桃太郎にツッコむと五秒ほどの沈黙ができた。おっ、これは少し立場が変わったかな? と期待する陽太だったが、

「……ふうっ、さて、変態ロリショタと絡むのはこのくらいにして、そろそろ行くかな」

「何か増えてる! そしてこのスルーはすごく気に食わねえ! そもそも俺の立ち位置は一体何なんだよ!」

マシンガンのようなツッコミを華麗にスルーされ、畳み掛けるツッコミをするが、

『変態ロリショタ趣味だけど、唯一まともでイジられキャラなツッコミ役・・・あっ、ハッピーアイスクリーム!』

「二人して声揃えて誰も知らないようなネタを投下すんじゃねえよ! そもそも俺にそんな趣味はねぇ~!」

 陽太は心を折られた状態で、空しく叫んだ。

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