エピローグ 桃太郎の末路
それから数時間後、
「何で俺がこんなことを……」
「ほら、早くしろ。負けたやつの末路はこうなるのはどの物語でも一緒だろ?」
「そうそう、あなたは負けたんだから、ね?」
桃太郎の不満を病院で手当てを受けた陽太とマリが途中で遮って答える。すでに外は真っ暗闇、今から何かをしようとする時間ではない。だが、寝られないというマリと陽太の意見から、意識の戻った桃太郎はしぶしぶ部屋の掃き掃除を始めているところであった。
「いつもニコニコあなたのそばに這いよる漆黒、下っ端ガラスです♪」
その横では下っ端ガラス二羽がこんなことを言いながら桃太郎の両肩に飛び乗っていた。
「猫に影響されんなお前ら! そして肩に乗るな! っていうかそもそもなんでお前らの羽の後始末を俺がしなきゃいけないんだよ!」
「それは、私も鳩さんも動くと羽を落としてしまうからですよ、ねぇ?」
「ええ、トリを仲間にするって言うのはそういうことです。それに、私たちは手がありませんからね。落としたものを拾えないので片付けは桃太郎さんがするしかないんですよ」
リーダーカラスと鳩の言葉に周りを見渡すと、羽以外にも様々なものが散乱していた。テレビのリモコン、ゴミ箱、調理器具etc……
「くっ、確かにそりゃそうだが……、そもそもなんでこんな派手に暴れ……」
「あなたの命令ですよね桃太郎さん?」
「……そうだった」
リーダーカラスの鋭いツッコミに桃太郎はため息をつく。そうなのだ、今回ばかりはあんな命令をしてしまった自分のせいなのだ。しかし、
「そんな訳だ。短い間だったけど、互いの退屈しのぎになったじゃねーか。いろいろ面白かったぜ。」
黒猫のすっきりした顔を見ると余計に腹立たしい。もう用済みだということなのだろう。
「……暴れ回った奴全員が何も片付けないのに、指示した俺だけが片付けるってって、こんなの、こんなの納得いくかー!」
思わず叫ぶ桃太郎だったが、もちろんその絶叫はただ空しくこだまするだけだった。




