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甘酸っぱい想いを伝えたら

「好き」っていいたいよー・・・


ずっとそう思ってた私。でも気がついたらなぜか、もう旅館にいたんだよね・・・。

なにしているんだろう!もう修学旅行の一日目が終わっちゃったよ。はぁ。

明日が最終日。 いうんだったら明日しかない。


どうしよう?


言っちゃう?


でも でも でも


あたしの好きって気持ち、迷惑にならないのかな?




翔太・・・








いってもいいですか?



想いを

伝えても



いいですかー・・・?







「夏架」


どきん


「翔太・・・?あれ みんなは?」


「もう帰ったよ。」

「えええぇぇ!な、なんで?」


「別にいいだろなんだって、それよりさぁ・・・」

「?」


「おまえ、俺のことどーおもってんの?」


「!!!な、なに!?どーって・・・」


翔太があたしを抱き寄せた。


「!!!!!」


もうダメ。こんなの、反則だ。


顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。体が熱い。あたしの瞳と翔太の瞳がお互いをうつしている。



「あっあたし.・・・」


声が震える。 泣きそう。


もういい!いっちゃう!


「翔太が好き・・・!」






ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ


「・・・」


頭が重い。


「ちょっとぉ、夏架~。ケータイのアラーム止めてよぉ。」


「ふへぇ?」


ぼやけた目でまわりをみると同室の子達が。





え?



ってことは・・・・





「うきゃあぁぁっ!!!!!!」


「うっさい!!!バカ夏架!」


「ご、ごめんっ!でもっ・・・」


夢だ。


夢だったんだ。



なーんだ・・・



でも


あたし、言えるじゃない。

夢の中だけど、本当じゃないけれど。

はっきりいえたじゃない・・・。

あたしだってやればできるんだ。


うん。ちょっと考えがプラスになった!



今日


告白する!






さりげな~くいっちゃう!




いつもより髪を念入りにとかして。

身だしなみに気をつけて。


少しでも可愛い姿で


全部いうんだ!







ブオォーッ


バスで移動する。最終日は長谷寺に行くんだ。



四季の花が満開で、夏の爽やかな空気に少しあまずっぱい空気が混ざってちょっときゅんとする。


お地蔵様がいっぱいで、見守ってくれているみたい。


中に入って、観音様に手を合わせる。

とっても優しい眼差しを向けてくれる。


何かを、訴えるようにして。



いいな、長谷寺って。初めてきたけど、雰囲気が落ち着いていて、とっても魅力的。


あたし願い事をする。


「夏架っ!今日はおとなしーじゃん?」


どきっっ 翔太!!!


「そ、そんなことないし!観音様拝むなんて滅多にないからさぁ。」

「ふーん・・・じゃ俺も。」

翔太が隣に並んだ。

おっきな手を合わせてなにを願っているんだろう?


あたしは「翔太と両想いになりたい」ってお願いした。

翔太、同じ事を思ってくれないかな?


どんなに仲がよくても、

どんなに一番近い存在だったとしても、

「好き」って言われなきゃ、意味がないの。


ねぇ、翔太・・・




集合時間になり、長谷寺をでることになった。後は帰るだけだから、二人だけでいられる最後のチャンス。言うとしたら今だ。


グイッ

「?なんだよ、夏架。」

翔太の腕に、あたしのドキドキが伝わりそう。手に、汗かいちゃったよ。


あたし、知らなかった。


今まで、回りに告白する子がいても自分はただ面白半分で「大丈夫だよ~イケるってー。」って言っていた。


でも、でも、中々告白できないのは、告白して「大丈夫なのかな?」って思うからなんだよね。


今日の髪型、どうかなぁ?


初めてグロスつけてみたけれど、変に見えないかなぁ?


可愛いって思ってくれるかなぁ?


好きな人には、聞きたい事なんていっぱいあるんだ。

そんな中で、恋愛感情を相手に伝えるのは、一番難しいし、はずかしいんだ。


そんな中で、結ばれた人達って本当にすごい。あたしもそうなりたい。



「おーいそこの二人ーっ!、バス出発するぞーっ!!!」


「げっ!体育科の重森先生だ。あの先生 、色々うるさいんだよなぁ、走るぞ夏架!」


え?ちょっ、まってよ。まだ告白してないよ。バスに乗ったらみんなが見るから告白なんてできないよ!


なんで・・・


なんで翔太は自分の意思で行動するの?


話があるっていっているのに、どうして聞いてくれないの?待ってくれないの?


ひどい。ひどいよ、翔太。


あたしのこと、少し考えてよー・・・!


そう思ったら、なんだか怒りと切なさが混ざって、なんともいえない気持ちになった。


「翔太っねぇ、翔太ってば!」

「なんだよ、うるせぇなぁ。」

「うるせぇって・・・!ひどい、話があるって言ってるのに!あたしのこと、少し考えてよ!聞いてよ!」


「どうしたんだ、夏架。おまえ、最近変だぞ?」

変って思われてもいいよ。

だって私は恋しているんだから。

翔太が好きだから、「好き」の感情のせいでこうなっているんだから。


「あたし・・・あたしね。」

世界が華やかに色づく。

この一瞬はきっと、かけがえのないものとなる。










「翔太が好き・・・!」











いった






言っちゃった・・・!


ドクドク ドクドク


心臓の音が加速するー・・・







「ごめん。」







華やかだった世界がモノクロに変わった。



「ごめん。」?



翔太は、まっすぐこっちを向いていた。


「俺、好きなヤツいるから。」




「こぉら!おめぇらぶっ飛ばされてーのかぁ?さっさとこい!」


「・・・怒っている、行こうぜ。」


そういわれても、なにがなんだか全然分からない。


でも分かった事は一つ。



あたしは翔太が好き。


でも翔太は、あたしが好きじゃない。


これだけだ。


あたしの想いって




なんだったんだろう


毎日、翔太に会えるのが楽しみで


部活で嫌なことがあっても翔太のおかげで頑張れたのに


翔太は


あたしにとって


大きな存在だったのに



全て壊れた。

なくなった。




帰り道、バスの中


眠いから、といって顔にかぶせたジャージの下で


あたしは泣いたー・・・





葵木 夏架 十五歳 中三


楽しかったはずの修学旅行で










失恋しましたー



第三話、出来上がりました!


ついにー・・・!のお話です。


ここから先、どうお話をふくらませるのか自分自身もわかっていません!


ドキドキしながらかいていこーと思います☆


読んでくださり、ありがとうございましたぁー(^O^☆♪

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