しょのきゅう 形となった罪(前編)
神様はこの世の全てを一度やり直そうとした。神々で集まり、それを実現させるために力を集めた。そして、一人の提案により、それは装置となった。その装置をおしたものは再生された世界が気に入らなくても再び世界を滅ぼすことができる。何度でも・・・・
時雨に家にしゃべるトイレが設置されて二日後にあたる日。その日は時雨にとって厄日となる。
「やぁ、時雨君。今からちょっと暇はあるかな?」
賢治はそう言って帰り支度をしている時雨に話し掛けてくる。たいする時雨は今日の今後の予定を頭に思い出そうとしたが、そんなものは何もなかった。合ったとしても物騒なものの使い方のお勉強ぐらいである。
「うん、暇だけどどうしたの?」
「実はね、亜美に頼もうとしたんだけど今日は休みだろ?ま、とりあえず僕の家にきてくれないかな?」
時雨にとっては賢治の家に行くのは始めてであったので少々興味があった。噂によると賢治はかなりのお金持ちで家はでかいらしい。
「わかったよ。」
それから約数十分後。時雨は賢治の家を見て驚いた。
「・・・これは家じゃないだろう!」
その大きさは例えるなら売れているテーマパーク並はある。方向音痴な人物がこんな所に迷い込んだら大変なことになるに違いない。しかも何のためだか知らないが賢治が言うにはこの庭は迷いやすくなっているらしい。
「さ、こっちだよ。」
それから再び時間をかけて賢治の家に訪問。ドアを開けるとびっくりかなりの数のメイドさんが賢治を迎えた。
「おかえりなさいませ、賢治様。」
「ああ、みんなただいま。」
「・・・・・お、おじゃまします。(小声)」
賢治と時雨の荷物を持とうと二人のメイドさんがやってきた。
「二人とも、この少年を知っているかな?」
「ええ、名前は天道時 時雨様。近頃眼鏡をかけていて、寝癖のような髪型が特徴的で性格は温厚。ちょっと前まで女の子が苦手で過去一度も女の子と付き合ったことはない。ここに転校してくる前は『紅時雨』と呼ばれていてあたりの高校からは恐れられていた。好きな食べ物はミカンで嫌いな食べ物は特になし。意外と妹思いであり、彼の過去は辛いものがあり、もしかしたら涙を誘うかもしれない。例をあげるなら・・・」
「いや、もういいよ。さ、時雨君行こうか?」
「・・・・・」
彼の私生活なんて何でも知ってそうだ。この様子から見ても時雨の過去もばれてそうである。プライバシーなんて存在してないようだ。
メイドさんは会釈して二人を見送った。賢治の部屋の前に行くのにも時間をかけ、こんな家だったら時雨は毎日迷子になるに違いない。部屋の中は奇麗に保たれていた。多くの本があり、まぁ、なんだろうか?結構な数の美少女の人形も置いてあった。どれもポーズが際どい。
「まぁ、くつろいでくれたまえ。」
「う、うん。」
賢治が机の上で何かを探している間時雨はその人形をまじまじと見つめた。触った場合は賢治が本気で怒りそうなので見るだけとする。
「ああ、あったあった。時雨君、これをみてくれないかな?」
賢治が時雨に渡した紙にはここらあたりの詳しい地図が書かれており、色々と書かれていた。
「実はね、時雨君がこっちに来る前・・・正確にいうなら一ヶ月前、僕達の高校の女子生徒が襲われてるんだ。夜道を歩いていたら急に声がするそうだ。そして、その後首を振ってあたりを見渡そうとすると、気絶してしまうそうなんだよ。」
「・・・物騒だね、だけどそんなことは大体どこでもあるんじゃないの?」
時雨の言う意見も一理ある。温かくなってくるとそういう人物は増えるのだ。だが、賢治は首を振って地図を指さした。
「その場所を見てくれたら分かると思うけど、あたりには隠れる場所が全くないんだよ。」
そんなものは後ろからつければいいものだろうと時雨が思っていたら話はそれだけではないらしい。賢治は少し真剣な顔になって時雨に告げた。
「襲われた人の証言によると、何か音がするそうだ。突風のような音がするらしい。それにだ、これ以上犠牲者を出すのはいけないようだからね。警察も捜査をしているらしいけどもし彼らが怪我をしたら大変だからね・・・」
「・・・・わかったよ、僕がその襲撃者の犯人を見つければいいんだろう?だけど、『断末魔』とかじゃないの?」
「ああ、全く違うとは言い切れないからね。一応僕も探してはいるけどそのせんはないと思うよ。」
ここで賢治は言葉を切ってこう言った。この時点で賢治は犯人が人間ではないと思っているようだ。
「ま、なんにせよ男だけじゃ全くその犯人を捜すことは不可能だから(試しにやってみた)誰かと一緒に捜した方がいいと思う。時雨君が女装するなら僕が手伝ってあげるよ。」
時雨がその申し出を思いっきり遠慮したのは言うまでもないことである。結局、それから時雨は家にかえるのにかなり時間を費やしてしまい、賢治の家の前の門の所に差し掛かった所であたりは暗くなっていた。
「時雨様、大丈夫ですか?」
暗くなった道路に美奈が心配そうな顔をして立っていた。先程賢治が家に電話したらしい。
「さ、かえりましょうか?みんなが待ってますよ。」
「あ、はい。」
この数日間で既に美奈とはかなり打ち解けており、時雨にとっては姉のような存在みたいなものである。(過去にもそのような人物が少数いたが、時雨はそのことをあまり話したがらない。)時雨は近頃起こっているらしい事件を美奈に話した。美奈はそれを考えながら時雨の顔を見ていった。
「・・・・なるほど、時雨様は苦労人ですね。たとえ相手が魑魅魍魎だったとしても助けを求められたらまず間違いなく助けようとするでしょうね。それはいいとして、どうするんですか?誰をパートナーとするんですか?」
時雨はそれを聞いて悩んだ。犯人を捕まえるなら多分おとりを使う必要があるだろう。だが、万が一失敗したらそのおとりとなった人物に被害がいきかねない。時雨が女装するなら被害は自分ひとりですむのだが・・・。
「うーん、かかしかなんかを立てて置いたらどうですか?」
美奈にちょっと睨まれたので時雨は溜息をついた。
「・・・正直、頼む人がいませんね。もしもの事を考えると誰に頼んだらいいか全く分かりません。」
「そうですか、一応頑張ってみたらどうでしょうか?後三日以内にその相手がいないなら時雨様が女装するか私が時雨様のパートナーになりますよ。だって私は時雨様のメイドですからね。さて、それでは家につくまでにこの前の続きから勉強しましょうか?いずれ役に立ちますよ、この武器の知識は・・・」
喜々としてはなし始める美奈を見ていて時雨は一旦この事件のことを頭の隅に押しやって美奈の自分が持っている兵器の自慢話のような講座に耳を傾けていた。そして、家にかえる前にいつも通っている辺りに特に何もないところに差し掛かって何か違和感を感じた。
「・・・時雨様。何かここら辺りにいるようです。気をつけてください。」
美奈は既に警察官が見たら手錠を持ってくるに違いない物騒なものを両腕に装備している。
「・・!?」
羽ばたくような音を聞いて時雨は上空を見る。そこには一つの人影があり、時雨を見下ろしている。その目は紅く光っており、片方は暗くて見えないがどうやら人間ではないようだ。もっとも、羽をはやして空に浮んでいる時点で人間ではないと思われるのだが・・・・
ばさりばさり
その影は二人に興味を失ったのか空高く舞い上がって消えてしまった。
「時雨様、あれが噂の犯人じゃないんですかね?いっそのことここで捕まえましょうか?」
「いや、間違ってたら大変だから今回はやめておきましょう。」
「わかりました。それでは先程の続きからですね。ええっと、時雨様が天使化してから手に持っている剣はですねぇ・・・」
何事もなかったように美奈はまた話し出して時雨は彼女の話を聴くことにした。
夕食を食べ終わった時雨はトイレに入った。別に用をたしにいったのではなく、少々気になったことを確かめにいっただけである。
『今日は時雨様。いえ、既に夜なので今晩はですね。』
新型とも言える未来のトイレに違いない存在に時雨は腰掛けてそのトイレに話し掛ける。
「えっとね、雷神さんが『断末魔』で稼動してたときは女子生徒を襲ってた?」
新型トイレは少し黙り込んでから離し始めた。
『そのようなことは特にありませんでしたね。一度炎神様が襲ったそうですが、逆にびっくりして汗だらだらで戻って来たことはありました。』
「じゃあさ、雷神さんは人間じゃないものが人間を何故襲ったりするか分かる?」
『そうですね、何か目的があるんだと思いますよ。例えば、吸血鬼だったら血を集めるために上空から襲ったりしますね。時雨様の妹様の氷雨様はもと私たちの仲間だったので吸血鬼の手段はよく分かりますよ。』
時雨はちょっと気になったことがあるんだが、今回はそのことは関係ないだろう。
「目が真っ赤な魔族っているのかな?後、羽をはやしているんだ。」
近頃のトイレは物知りだ。
『それは吸血鬼で間違いないと思いますよ。どの種族も大体、第一段階と第二段階いった成長段階があるんです。例えば吸血鬼の場合、第一段階なら羽を持っていません。第二段階になると羽が生えます。力を手に入れればその種族は大体第二段階になれるんですよ。』
微妙なうんちくが飛び出してきたが、とりあえずは相手の種族が分かった。
『あ、ちなみに契約するなら魔法使いがお勧めですね。魔法が使えるようになるし、魔法使いにはかわいい女の子が多いですからね。少しばかり体は幼児体系なんで・・・・』
その後、時雨はトイレの話をかなりの時間聞いていて、トイレをでるとみんなに囲まれた。そして、
「時雨様、トイレに引きこもらないで下さい。ここにしかないんですよ。」
「そうだよ、時雨はいいかもしれないけど、心配したんだよ。」
「兄さん手っきりトイレの中で気絶したと思ってたんだからね。」
「お兄様は昔も何回かトイレで気絶したんですから焦るんですよ。」
彼が頭を下げてあやまったのは火を見るよりも、零点を取ったテストを親に見せて怒られるよりも明らかであった。
そして、いつものように今に布団を設置。隣に美奈が同じように布団を敷く。
「とりあえず、気をつけてくださいね。」
美奈はそう言って静かにまぶたを閉じた。時雨も目を閉じてこれからのことを考える。
まぶたが重くなってきてすぐ、時雨は夢の世界に旅立っていった。
深夜、ふと目を覚ました時雨はトイレにいくことにした。雷神は眠っているようで、時雨に話し掛けるようなことはしない。さっさと用をすまして居間に行こうとすると時雨は涼とあった。
「あ、時雨、ちょっといいかな?聞きたい事があるんだけど・・部屋にきてくれないかな?」
「え、別にいいけど・・・どうかしたの?」
眠った頭で時雨は考えたが、思いつくわけでもないので涼の後ろをついていき、彼女と共に部屋に入る。ベッドは二つあるが、片方の持ち主の姿は見当たらない。初めに言っておくがやらしいことは特にないと思われる。
「・・・・・あのさ、時雨は私たちの兄になって嬉しい?」
「は?」
時雨の半分は眠っている頭で考える。
(・・・・何言ってんだろうか?涼は寝ぼけているのかな?)
はっきり言って時雨のほうが寝ぼけているのだが、時雨はその質問の意味がよく分からなかったので詳しく聞くことにした。
「涼、それってどういう意味かな?」
うつむき加減で涼は答える。
「・・・・美奈さんから聞いたんだけどさ、時雨の女の子恐怖症は私たちのせいだったんでしょ?」
ここでなんか気の利いた台詞でも普段の時雨は言ったかもしれないが、いかんせん、彼は今寝ぼけている。
「大丈夫大丈夫、もう治ったんだしさ。それに今はこっちに戻ってこれてよかったと思っているし、僕としては涼たちの兄になれてよかったと多分思っているよ。大体、僕が勘違いしてただけだったし、僕が悪かったようなものだよ。」
微妙に引っかかる部分があるが、気にしないでもらいたい。
「じゃ、じゃあさ、その、あの・・」
なんとなくいい雰囲気になっているが時雨の顔は凄い。目は半開きで、必死に寝るのをこらえている状況だ。
「・・・・甘えていいかな?」
今の時雨に無理難題を吹っかけても首を縦に動かすに違いない。例えば世界を滅ぼして欲しいとか・・・・。当然、時雨は特に意味もなく首を縦に動かした。もしかしたらうつらうつらしていただけかもしれないが・・・
「ああ〜いいよ〜。ふにゃぁ〜」
ここで時雨はダウン。隣に座って顔を赤くしている涼に体を預けるようにして倒れる。が、気合で復活したのかもう一度目をしょぼしょぼさせながら体勢を戻す。
「・・・今度から・・お兄ちゃんて呼んでいいかな?」
賢治あたりが聞いたらちょっと喜びそうだが、時雨はまぁなんと言うか・・・またもや首を縦に動かした。今日は疲れているに違いない。
「・・・人間じゃないなら・・もう、いろいろしても大丈夫だよね?」
そのいろいろが許容範囲ならいいだろう。何の許容範囲かは言わないようにしておくが・・・
「ああ、いいよぉ〜ふぁあ。さ、涼はもう寝ないと明日、遅刻しちゃうよ。」
明日、時雨の目はぎらぎらに輝いているに違いない。罪人天使と言えども、眠いときは眠いのだ。時雨はその腰掛けていたベッドに倒れて眠ってしまった。そんな時雨を見ている涼も彼女の兄に習うようにそこに寝てしまった。
「おやすみ、お兄ちゃん。」
そして、朝を迎える。
早起きした時雨はびっくり仰天。目の前に自分の妹の幸せそうな顔があるではないか。更に、その腕は時雨をがっちり押さえ込んでおり、なかなか放してくれそうにない。おろおろしている時雨はそのパニくっている頭で昨日の事を思い出そうとした。だが、トイレに行ったような記憶があるが、その後がまったく思い出せないのだ。
「・・・?」
しきりに首をかしげている時雨の近くで音がした。部屋の扉が開いた音である。
「おはようございます、涼様!」
美奈である。部屋に入った彼女は時雨を見て硬直。器用に脚の指先だけを動かして部屋を出て部屋の扉を閉めて退出。
「失礼しました!!気にしないで続きをやってください。」
何を勘違いしているか分からないが、とりあえず時雨はそんなメイドさんに助けを求めた。
「美奈さーん。助けてください!!」
時雨は美奈の助けを待ったかが、一向に来る気配はなかったので、結局の所は涼を起こすことにした。しかし、ぐっすり眠っている涼はなかなかおきずに、それどころか時雨に更にくっついてくる。時雨は内心焦っていた。あれから数十分経っているのでそろそろ学校に行く時間である。
「ほら、涼おきなよ!遅刻しちゃうよ。」
「う〜ん、むにゃむにゃ。」
時雨は今度は頭を使うことにして、まずは鼻をおさえてみた。
「ふんがぁ。」
「いたっ。」
結果として、涼にかみつかれてしまった。今度は耳元に顔を近づけて催眠術をかけるようにしてみる。
「ほ〜ら、涼、早くしないと雪崩が来るよぉ。起きないと生き埋めだよぉ。」
これには反応があった。時雨の腰辺りにまいていた腕をほどいたのだ。だが、喜んでいた時雨はその場からすぐに立ち退くべきであった。涼のうでは今度は時雨の首にまわったのだ。そして涼の顔が間近にあって時雨は言いようのない焦燥感にとらわれた。これはやばいんじゃないのかと時雨の脳内細胞が警報を告げる。
「あ〜ねぇさんずるいよぉ!兄さんもいないと思ったらねぇさんのところに行ってたなんてぇ!!」
幸か不幸か蕾がやってきた。顔を思いっきり膨らましている。
「た、助かったのか分からないけど、蕾、何とかしてくれぇ!」
時雨、心からのヘルプミー。
「じゃあさ、助けてくれたら私も甘えていい?」
それはあまり解決にならないだろうが、時雨は焦っていたので許可した。落ち着きないことこのうえない。
「ああ、とりあえず涼を起こすかどうにかしてくれないかな?」
「まぁかせて!」
蕾はどこから取り出したのか木刀を持っている。その木刀はいまや蒼く染まっており、蕾自身も蒼い光を纏っている。
「ちょっとまった!さすがにそんな力を使ったら涼は怪我するだろう!」
「大丈夫大丈夫。なんたらは計画的にって言うじゃん!」
「計画的な人は何たらしないよ!!」
「あ、手が滑っちゃった。てへ。」
「てへじゃなーい!!」
涼の頭に迷いなく振り落とされる木刀を時雨は受け止めた。頭で・・・・
「な、涙が出ちゃう。今日はたまねぎを切って涙を出さないトレーニングしないといけないな・・」
「兄さん、それ無意味だよ。大丈夫?」
かくかく頷く時雨を見てほっとしている蕾だったが、先程の一撃で持っている部分以外消えてしまった木刀を捨てて新たな一本を取り出す。時雨はそれを慌てて止めようとした。
「ストーップ!タンマ!!」
「あぶないぞ 車は急に とまれない」
そして、振り落とされた木刀はそのまま時雨にヒット。涙目になりながらも必死にこらえる時雨。
「いやぁ、兄さんホントに凄いね!私の本気を二つもらっても気絶どころか泣いてもいないなんてね。」
そりゃ、本当は泣きたいが兄貴のメンツもあると言うものだ。妹に泣かされるのはこっちに戻って以降は嫌なのである。その昔は泣かされまくっていたが、今の時雨は違うのだ。
「・・・うぅん。」
「あ、ねぇさんが起きたよ。」
時雨の頭にたんこぶ二つで涼は目を覚ました。
「あれ?何で時雨の顔がこんなに近くにあるの・・・」
困惑した顔で間近にある自分の兄の顔から離れる。
「それ!いただきぃ。」
そして入れ替わりに蕾が時雨の首に手をまわす。そして扉が開いて美奈がやってきてから時雨たちに言う。
「早く行かないと遅刻ですよ。既に氷雨様は学校に行っていますよ。」
彼らは遅刻してしまい、連続して遅刻となってしまった涼、蕾は掃除当番となってしまうのである。
「しかしまぁ、ここでも時雨は大変なんだねぇ。」
氷雨は隣を行く旧友に言葉を振る。
「ああ、そうだよ。君と言う存在はどこに言ったって変わらないものさ、君が大体世界を滅ぼすからこんなことになるんだろうに。」
首を振りながらそんな相手を見て答える。
「ま、あれは仕方なかったんだよ。これも罪なんだろうね。」
「そうさ、そろそろ君がわざわざ自分ではない自分に会いに来た理由を行ってどうにかしないと時雨君の両親が帰ってくるぞ。時雨君には双子の妹なんていないんだろ?」
「ま、いいんだよ。今の僕がどこまでやれるか試すためにきているんだからね。ちょうど、いい相手がいるそうじゃないか。」
「ああ、丁度いいタイミングで吸血鬼が出たからね。今の君に頑張ってもらうよ。時雨君。」
「さぁね。今の僕は時雨じゃないからわかんないよ。ま、血を吸ったおかげかな。」
空はどことなく曇っていた。
今回、微妙にコメディーではないような気がしますが、気にしないで下さい。というわけで、次回はとうとうやってきた記念すべき第十回目!できればきたして欲しいです(何を?)とりあえずは、まぁ、その・・・頑張りたいと思います!!