しょのに 女番長『蒼霜』、生徒会長賢治
断罪天使は元悪魔と戦っていた天使でその名のとおり罪を犯したものを断罪しまくっていた。だが、例外として神様が出現させた罪人天使には何もせずに黙っていたのであった。しかし、近頃になり神様は断罪天使にとある罪人天使を消す事を命令したのであった。
「・・・・・僕の名前は天道時 時雨です。知流高校から転校してきました。」
今僕は教団にたって自己紹介をしている真っ最中である。まぁ、これ以上の自己紹介などはしない。
「じゃあ、時雨君の席はあそこだよ。君の隣に座っている彼女とは仲良くできると思うからね。」
教室の端っこ(窓側の一番奥の席)にずたずたの学ランを着ている女の子が座っていた。その子はこっちに、にこりと笑いかけながら席を立ち僕の前に立った。
「よろしく、『紅時雨』さん。私の名前は霜崎 亜美。」
亜美さんが『紅時雨』と言った所で教室が静かになる。しかし構わず彼女は話す。
「・・・・・その名はある高校教師がつけたものらしくなぜこのような名前になったかはその場の状況かららしい。その教師が見た場面は上級生が盛大な鼻血を吹き出してその光景がまさしくその名前にふさわしかったからである。その『紅時雨』は今に至るまで一度も負けることはなかった・・・・」
僕の異名にはそんな意味がこめられていたのか。全くもって迷惑な話である。
そんな中一人の少年が立ち上がり僕に話し掛けてくる。
「・・・・ある学校には『蒼霜』と言われる番長がいるらしいよ。」
男子生徒(この人を含めても四人しかいない)はそう言って席に座った。もう一度亜美さんに視線を向けると彼女は僕に拳をプレゼントしようとしていたのである。
「転校祝いの『蒼霜』からのプレゼントだよ。」
鋭く突き刺さるような拳を寸前でかわす事が出来た。またこれであの教師に借りが出来た。
「・・・・・・出来たらプレゼントはもうちょい喜ばれるものがいいなぁ。」
「・・・・なかなかやるね。」
その後彼女が言ったことは・・・・
「単なる人間のくせにね。」
彼女は人間ではなく間違いなく天使である。そんなことが今の僕には簡単に分かってしまった。あのおじさんが言っていたのはこの事だったのだろう。
「さ、後はクラスになじめるように俺は席を外させてもらうよ。」
教室から先生が出て行き辺りは静かになった。
未だに亜美さんは僕を睨んだままである。
そして他の生徒、(ほとんどが女子生徒で皆が怯えている。男子生徒はほとんどが面白そうなものを見ているような目をしている。だが、一人だけは僕をじっと凝視していた)はいつでも逃げれるように体制を保っている。このままでは転校初日から独りぼっちになってしまう。何かここでわらわかすようなことをしなくては・・・・・・
「そ、そんなに見つめられたら困るよ。」
一瞬教室にいた全ての生徒がぽかんとした顔になり(今目の前にいる人物も例外ではない)それを無視して僕は続ける。
「僕は女の子と話したことなんてほとんどないんだから。えーとこれからよろしくね霜崎 亜美さん。」
手を勝手に取り握手してさっさと自分の席につく。未だに教室はあぜんぼうぜんしていたが少人数がしゃべり始めた。
「聞いてた噂と違うわよ。」
「そうよね、『紅時雨』に手をあげた者はその場で料理されると言っているものね。」
・・・・・どれだけ僕は極悪人なのだ?このままではあまり言い噂は立たないみたいなのでここで自己弁護をしておいたほうがいいだろう。
僕が立ち上がると教室はまた静かになったがそんなのこときにしないで未だに固まっている亜美さんの隣、つまり教壇に立って皆に対して自己弁護を始めた。
「えーっと、確かに僕はあっちの高校ではそんな名前で呼ばれていましたがこっちの高校ではそのように呼ばれる筋合いはありません。」
またヒソヒソばなしが開始されたが一人の女子生徒が手をあげて僕に質問をした。
「それじゃあ、その上級生を血に染めたのは嘘なんですか?」
ここで嘘を言っても僕のためにならないことは既に承知済みである。(嘘をついても今僕の隣に立っている人物が否定するだろう。)
「・・・・事実です。」
また騒然となる教室(男子生徒は一人を除き嬉しそうにしていた。)。
「だけどそれは自己防衛です。今からその詳細を話していきたいと思います。」
その後きちんと事実を述べていってその他もろもろの噂話の真偽をはっきりさせていった。(結果的には彼女達が聞いてきたことは全て本当の事であった。)
しかしキチンと話してくれたおかげで僕は何とか皆に認めてもらうことが出来た。過去の血なまぐさい話からだんだん遠くなり至って普通の質疑応答までこぎつけることが出来た。
「時雨君はさっき女の子が苦手と言ってたけど何でですか?」
「・・・・・・・中学生ぐらいに義妹達からいじめられていたからです。未だに女の子を見ると少々怖いですね。」
ちなみに今の状況は凄まじい事になっている。隣から拳が飛んできているのでそれを交わしたり防いだりしながら質問に答えている。 これも天使になったおかげだろうか?
「く、避けてるからっていい気にならないでよね。」
なぜそこまで彼女が本気になるか分からないが男子生徒は僕に尊敬の眼差しを向けている。(多分彼らは普段かわいそうなくらいこの人から虐められているにちがいない。あのときの自分の顔にそっくりだ。)まぁ、これで皆から避けられることはないだろう。
「くっそー、こうなったら放課後に必ず屋上にきてね。血に濡れた過去を持つ番長なんてこの学校には必要ないから断罪してあげる。」
彼女はそのまま教室から走り出し僕はそれを追いかけようとして男子生徒に囲まれた。
「ありがとう、君のおかげで日ごろの鬱憤が晴れたよ。」
「うんうん、これから宜しく。」
そんな話をしていたが一人の男子生徒が話し掛けてきた。先程、亜美さんのことを説明してくれた男子生徒である。
「やぁ、僕の名前は霜崎 賢治。この学校の生徒会長をしているんだ。ちなみに亜美のいとこだよ。賢治と呼んでくれて結構だ。」
「ああ、うん。よろしく賢治。」
「しかし、時雨君はいけない男の子だね、女の子を怒らせてしまったらいけないじゃないか。」
それには教室中の女子が賛成する。
「たしかにそうよね。時雨君はいい人みたいだからあのこがしていった約束は護るよね。」
「・・・・・・わかった、行って来るよ。」
そういったら今度は女子生徒たちがやってきたので僕は後ろに後退していったのであった。
「約束破ったら皆で時雨君を虐めるから覚悟しておいてね。」
これ以上恐怖症が進行したらたまらないのでここは素直に聞いておいたほうがいいにちがいない。
その後はこっちに来て初めての授業を受けたりもしたがその間亜美さんが戻ってくることはなかった。そして休み時間になると僕はさっさと男子便所に直行。なぜそのような行動をとるかは察しのいい人なら分かると思う。事実、教室に戻って椅子に座るとクラスメートがよってきて僕に言ってくるのだ。
「さっき時雨君の義妹さんが来てたよ?」
「あ、そう。教えてくれて有り難う。」
男子便所にいればまず女子生徒が入ってくることはないので僕にとっては結界の張られている聖地である。午前中はそのまま繰り返してついに昼休みになった。昼休みは少々長いので逃げるのは辛いかもしれないのでとりあえずこの教室からは離れることにした。
「時雨君、一緒に食べないかい?」
「食べたいけど実は弁当忘れちゃったんだ。」
なんか買ってくるといって教室を出て行くことに成功。まだ誰も廊下に出ていないのでこれ幸いと思いっきり廊下を走り抜けることにした。目指すは図書室、あそこならば本棚などがありばれることはないだろう。このまま放課後まで逃げ切れるかもしれない。
どすうぅ。
そんな目の前に竹刀が突き刺さる。拾ってみるとこの竹刀を見たことがあった。『手作り』
と焼印がおされている所を見るとどうやらこの竹刀は僕の義妹のもののようだ。はじめてあった時もこの竹刀を持っていた記憶がある。
これが飛んできたということはこの近くに義妹(多分姉のほう。)がいるようだ。
「時雨、見つけたぞ!何で私をそんなにさけるのだ?」
いた、既に僕の後ろにいるようだ。こうなったら徹底的にまくしか道は残っていない」
ようだ。
「・・・・・・。」
ダーッシュ
「こ、こら逃げるな。何でそんなに私をさけるんだ。」
一気に駆け抜け曲がり角を曲がり近くにあった男子トイレに入り個室に入り鍵をかける。流石の彼女もここには入ってこないようだ。彼女が諦めるまでここにこもっていよう。
そしてそのまま時間が過ぎ昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響く。これでいったんは大丈夫のはずだ。
辺りを見回しながら注意して教室に帰ろうとして今度は木刀が飛んできた。その木刀には『味な出来』と焼印がおされておりこの木刀には見覚えがある。この木刀を持っているのは義妹(多分、妹の方)が初めに会った持っていたのを覚えている。
「兄さん、見つけたよ!なんで・・・・」
スーパーダーッシュ!今の僕は普段の三倍の速さで動くことができるのだ。(嘘)
「あ、ちょ、何で逃げるのさ!」
スタコラさっさのほいほいほい!
曲がり角を曲がり隠れる場所はないか探してみるが女子トイレしかない。
こうなったらこの女子トイレに潜伏するしかない!僕は迷わずトイレに入り鍵をかけて足音がなくなるのを待ってからトイレの外に出る。そして今曲がり角を曲がった反対の方向に行こうとしてギョッとなった。無効から義妹(竹刀)がこっちに歩いてきているようだ。幸いなことにまだ気がついてないようなので手のうちようはあるはずだったが・・・・
「!?」
今度は曲がった方から義妹(木刀)がこっちにやってきている。
絶体絶命のピンチだった。もう一度トイレに入りたかったがもしばれてしまった場合が恐い。トイレ以外にあるのは窓だけである。
「・・・・覚悟を決めよう。」
ここは二階だから飛び降りても大丈夫のはずだ。
窓を開けて飛び降りる。下は運が良かったのかかなり高い位置までマットがつまれており難なくそこに着地することに成功。今日の追いかけっこはどうやら僕の勝ちのようだ。
こんな話を他の人になしたらきっと笑われること間違いなしだがこの追いかけっこは僕の蜻蛉のようにはかない命が関わっているのであの二人には悪いがこのまま教室に逃げさせてもらおう。
僕が降り立った場所は一度も見たことがない場所であり、日が当たっていなかった。
そんな場所から教室に戻ろうとしてもかなりの時間を有すると思われるし、この校舎は初めてである。
まさか学校で迷子になるとは思っていなかったのでとりあえず誰かを捜す事にして辺りをうろつく事にした。しかし授業が既に始まっているので校舎内には誰もおらず僕が自力で自分の教室まで辿りついたら放課後のチャイムが鳴り響いた。そしてほとんどの生徒は帰っていた。残っているのは生徒会長だけであった。
「やぁ、初めての校舎探検はどうだったかな?」
「・・・・・迷子になってゲームオーバーさ。ところで案内して欲しい所があるんだけど屋上はどこにあるの?」
確か放課後には亜美さんとの約束があったはずであり、僕は皆に行くと断言してしまった。
「わかっているよ、そのために僕がここで待っていたんだからね。それじゃあいこうか?」
賢治の後をついて行くことにして僕は静かに歩き出した。彼はそのまま話し出した。
「・・・・・時雨君はこの世の本当の歴史を知っているかな?」
「えーと、天国とか地獄とか魔界とか天界とかかな?」
うんと頷きさらに話を進める。
「それじゃあ過去に起こった戦争、そして最近になって起こった世界滅亡を知っているかな?」
肯定からは運動部のかたがたの無駄に迫力のある声が聞こえてくる。そして僕が知っていることはほとんどない。
「知っているなら無視してもいいけど少々話させてもらう。過去かなり前に魔界と展開は戦争をしていたんだ。理由は些細なことだったそうだがその戦争は長く続き両者ほとんど戦えないほどまでにその力は衰退の一途をたどっていったんだ。神様はいいかげんそんな事に飽きてただろうね、ある神様が新たな種族を誕生させてその戦争を終わらせたんだよ。
それからはその天使は天界に住み多くの仲間を葬ったので他の存在からは『断罪天使』と言われてんだ。
そして断罪天使はなんなのかさっぱり分からない存在なんだ。そして最近起こった事はその断罪天使の一人がこの世を一度滅亡させてしまったんだ。その断罪天使は『覇王』と呼ばれる家計の子供だったが今では『滅亡者』と呼ばれるようになってしまったんだ。神様はその罪人天使の反発を恐れその『滅亡者』を見つけ出し断罪することにしていたんだ。」
複雑な事情が色々あるんだなぁ。今はそんなことよりこれからのことを考えた方がいいようだ。
賢治はもう一度僕に話し掛けてきて今度は僕のことについて話をし始めた。
「・・・・・僕と同じように君もどうやらその断罪天使のようだね。君はもう契約を書いたのかい?契約と言っても紙の方じゃないからね。」
「紙の方じゃないならどういう契約があるのかな?」
彼はにやりと笑い僕に話を始めた。とはいってもほとんど話しになってはいないのだけどね。
「それは亜美から聞くといいよ。」
そう言って黙ったまま歩き出した。そろそろ屋上に付く頃合いのよう出し、気合を入れるために頬に平手を繰り出す。
「・・・・・彼女を受け入れてあげるのがいいことさ。そういうことをするのも番長の仕事さ。ま、健闘を祈るよ。」
賢治はそう言って屋上の扉の前で方向転換してそのまま帰ろうとしてまたもや僕の方を向いて付け加えた。
「困ったときは『我は、悲しみを背負いし天使』と言ってごらん。この呪文は君を手伝ってくれるはずさ。だけどこの呪文を使うと君を狙ってくる人が増えると思うから気をつけるんだよ。」
そして最後に・・・・・
「誰もいないからって亜美を襲っちゃ駄目だよ。まずは友達から始めるのが礼儀というものだろうからね。」
「襲わないよ!」
そして笑いながら去って行ったのであった。さっき言っていたことは単なるジョークというものだろうか?
そんなことはさておき僕は屋上の扉を開ける。風が吹いてきて僕の顔などに当たる。そして僕の目に移るのはオレンジ色の夕焼けをバックに腕組して立っている女の子。
「遅かったね、もしかしてビビッタリしてたの?」
「はずかしながら校舎で迷子になってたんだよ。昼休み校舎を歩いていたらいろいろあってね、さっきようやく教室にたどり着いたと言うことさ。」
この発言に嘘偽りなどは全く含まれていない。真実100%である。
「ま、いいかそんなことより『紅時雨』さんはもう用意が出来ているのかな?」
「?何の用意。」
「救急車の用意だよ!」
彼女は僕にあのときのような鋭い拳をプレゼントしてきた。僕的には今度はもうちょっと相手をいたわるようなプレゼント(ジュースとかお菓子とかそんなもので結構だ。)が良かったが今はそんなことを考えている場合ではない。
避けることに専念しなければ本当に救急車を呼ばなくてはいけない。もっともここで僕が倒れた場合誰が救急車を読んでくれるかは謎なのだが・・・・・
「そおら!これならどう?」
今度は回しげりが僕の髪の先をかすめていく。そんなことが後何回か続き、それを僕はさっさと交わして距離をかせぐ。稼ぐならお金を稼ぎたい気分だが(男子高校生には色々と必要な物があるのだ。)今は距離で我慢しておこう。
「しょうがないね、悪いけど私の家の門番は夕飯を皆が食べ出す前なんだ。」
もしかしてこれで許してくれたのだろうか?それなら僕もさっさと帰って部屋に閉じこもらないとまた僕は追いかけっこをしないといけなくなるにちがいない。
「・・・・・本気を出してあげるよ。人間の君に対して敬意をはらってね。」
彼女の体を白い光が包むように見えた。
『我は、罪を犯したものを断罪するために生まれし者。』
その光は彼女の背中に集まり白き光を発する何かを形作る。その形はよく物語などで見る天使の羽というものになった。彼女はショートカットの髪を揺らし僕を睨み地面をけり一気に僕を射程範囲に入れる。
僕は心の中で思いっきり叫んだ。
(けんじー、襲われたのは僕のほうだー!)
先程よりも幾分か早い鉄拳が僕の顔面を狙って飛んでくる。
「断罪!」
そう叫び更にスピードを上げる拳を僕はギリギリでかわすことに成功した。これがゲームだったらボーナス位は貰えるかもしれない。
「へぇ、がんばるね。だけど余裕はないみたいだから・・・・・・次で終わりにしてあげるよ。」
今度は彼女から距離を取った。そしてあの光がまた強くなり今度は彼女の右腕に集まり形を変える。
「・・・・・・今日の私の家の夕食は串揚げだからおかずにしてあげるよ。」
形作られたものは白い光を放つ剣。その切っ先を僕に向けて突っ込んでくる。この速さは流石に避けられないので諦めて刺される事にした。
ブスリ!
「ぐぅう。」
刺されるといっても心臓のない方をかすらせるようにするので痛みはあるがまだ動ける。そして剣は僕の体に深く突き刺さっているのでなかなか抜け出せないようだ。
「く、しまった!」
無言で亜美さんのはらを殴ろうとしたがやめた。ここで殴ってしまうのは非情に簡単だが(実は刺された部分が非情に痛い。)、まず明日から話し掛けてくれる人はいなくなるだろう。そして僕は軽く亜美さんの腹を拳で殴り(このパンチなら赤ちゃんを泣かすことも不可能であろう。)彼女の耳元で囁いた。
「・・・・・・君の勝ちでいいから早くはなれて欲しいんだけど・・・」
なぜなら僕には深く刺さっている剣があり、深く刺さっているということは彼女の体が僕の体とほとんど触れ合いそうな状況なのだ。こんな不毛な勝負は負けで結構なので早くはなれて欲しい。
「・・・・認めないよ!止めを刺すなら今がいいのに何でささないんだよ!」
そろそろ我慢の限界だ。僕は自分で剣を抜き、彼女から体を離した(なんかこの表現怪しいような感じがする。)。
そして僕の我慢の限界が極限まで上がる(いっておくが変な意味での我慢が切れたわけではない。)。
ぐうううううううう。
「・・・・・。」
夕闇がだんだん広がってきている辺りに響く僕の腹の虫の鳴き声。今日はばたばたしていてお昼を食べるのを忘れていたのだ。
目の前にいる亜美さんは唖然としているので僕は回れ右をして校舎の中に入った。一応別れのあいさつをするべきだと思うので振り返り右手を上げる。
「じゃあ、また明日。後これからよろしく。」
僕はそのまま屋上を後にしてそのまま家にかえる事にした。貫通していた胸の部分の痛みが既にひいている。これも天使になったからだろうか?
学校をそのままとぼとぼと歩いて出て行き、家にかえったらまた大変かもしれないなと思っていると大変な出来事はすぐそこまで来ていたらしい。義妹ではなかったが僕の目の前に現われたのは昨日の三人組であった。服装は変わっていたがつけているものと手に持っているものはかわりはないようである。(一番得意そうにしているのは袋に穴を空けている人物である。)
「・・・・・・・今日の夕飯なんにしようかなぁ。早く帰らないとあの二人が部活から帰ってくるからなぁ。」
こういう状態に陥ってしまったら平常心である。いつものように振舞っていれば(僕に独り言を言う癖はない。)きっと大丈夫だ。
「・・・あの・・・」
あっちの木刀を持った人が話し掛けてくるがここは無視だ!意味の分からない連中を友達をこれ以上つくるよりも明日(今日は週末であった。)学校で普通の人物達と仲良くやるべきである。しかしかといって僕の頭の片隅では悪魔と天使が議論を掛け合っていた。
「どうして無視するんだ!昨日のように遅いかかって来る行為よりも今君は酷いことをしているんだぞ!君にはあの人たちがどんな気持ちで君に話し掛けているか分かっているのか?」
天使がそんなことを言っていると悪魔はこんなことを言っている。
「おいおい、いきなり襲い掛かってくる方が悪いに決まっているだろうに。お前の頭の中はスカスカでとっても通気性抜群な頭になってしまったのかい?ここはこのまま帰るべきだ。どうせ来週の今頃にはまた待ち伏せしているに違いないぞ!確かに無視するのはいけないことだ。話し掛けても深追いするようなことは避けたほうがいいに決まっている。」
全く持って常識をわきまえた悪魔だ。ここは両者の意見を聞いて無視するのをやめることにした。
そしてもう一度木刀を持った人が話し掛けてくる。(多分ここにいる人物は全て女の子であり、人間ではないと思われる。)
「・・・・あの、無視しないで下さい。」
その声はなんとなくどこかで聞いたことがあるような気がしたがきのせいだろう。なんにせよこの人には謝っておかないといけないようだ。
「無視してすいません、これ以後無視をしないように努力したいと思います。・・・・それで何か僕に用件があるんでしょうか?」
相手はやはり驚いているようだ。
「いえ、もう結構ですよ。そんなことより今回はあなたとお話にきました。」
僕には覆面を被っている人たちとはなす事は特にないような気がしてならない。
「・・・・何の話ですか、できれば手短にお願いしますよ。わけ合って今日の昼から何も食べてないからフラフラなんですからね。」
そういったら竹刀が飛んで来た。僕はさっさとそれを避けて投げた本人を見る。
「暴力反対ですよ。悪いですがもう帰らせてもらいますね。」
流石にいきなり竹刀を飛ばしてくるのは失礼極まりないだろう。僕は彼女達を警戒しながらその横を通り過ぎようとしてなんとなく罪悪感にさいなまされたので一つだけ彼女達に渡すものを作った。
「・・・・・話すだけなら電話でもいいですよね、流石に電話で攻撃されることはないと思いますから一応僕の携帯電話の番号を教えておきますよ。」
二枚の紙切れに番号を書いて二人に渡す。(僕に竹刀を投げてきた人物には当然のように渡したくはなかった。)二人は喜んでいたがもらえなかった一人は僕をじっと見ている。このままにしていたら所構わず襲ってきそうな雰囲気だったので仕方なく紙に書いて渡す。
「一応、僕の携帯電話のアドレス帖には母親と父親以外の番号は載ってないので(その昔は不良どもの番号が載っていたがこの前携帯を変えたので綺麗さっぱり消滅させることに成功した。ついでにいうなら義妹達のアドレスも載っていない。)僕としても話し相手が出来て嬉しいですよ。だけどあまり女の子は苦手なのでうまく話せないと思いますけどね。さて、僕は帰ってもいいですか?」
全員が首を縦に動かしたのを見て僕は歩き出そうとしたが木刀を持っている人物に再度話し掛けられた。(未だに竹箒を持っている人物が話したところを見たことはない。)
「・・・あの、なんで女の子が苦手なんですか?」
「それは過去に血のつながっていない義妹達に恥ずかしいことに虐められていたからですよ。それがきっかけで僕はこの土地から一度去っていますから。また同じ屋根の下に暮らすだけでも未だに抵抗があります。」
大体の家庭は逆だろうが僕の場合は違う。
「・・・・虐められた?」
「ええ、夜僕の部屋に来てプロレス技かけていったりトイレに入ってたら出れないようにしたりそりゃもう辛い日々でしたよ。」
「それは、多分甘えたかったのだと思いますよ。」
どこの国にプロレス技をかけたりする愛情表現の仕方があるのだろうか?
「・・・そうですか、とりあえず今度そんなことをまたされたら行方をくらませることにしているんですよ。もしそうなったりしたら僕は二度とこの街に帰ってこないと誓いますよ。」
ビックリしたようにその木刀さんは黙り込み残りの二人も黙り込んだ。何かそんなにおかしいことをいったであろうか?
「それじゃあ僕はこのまま帰らせてもらいたいと思います。さようなら。」
後ろから不意打ちされるかかなり心配だったがその必要はなかったようだ。僕は安心してできるだけ小走りで家にかえることにした。もしかしたら既に帰ってきている可能性があるので早く何とかしなくてはいけない。
そして幸いなことに家にはまだ誰も帰り着いておらず、僕はさっさと夕飯を作り(念の為あの二人の分も作っておいた。)その間に洗濯機を回してから風呂に入り自分の部屋に静かに入って鍵をかけた。
すると携帯電話が鳴り響き手にとって見るがメールではないようだ。
『もしもし、時雨さんですか?』
「はい、そうですがどなたですか?」
電話の相手はしばしば黙り込み何か考えているようだ。
『謎の美少女です。ちなみに担当は木刀です。』
さっぱり意味の分からない自己紹介である。
「分かりました木刀さん、それで今日は何のようですか?」
やる事もないので(予習や復習をしなくてはいけない。)話をすることにしよう。
『あなたの義妹さん達と話をしてあげてください。あなたは逃げてばっかりではないんですか?』
・・・・確かに逃げてばっかりだが僕はあの二人と顔をあわすのは嫌である。
「そうかもしれませんがどうせまた虐められるだけですよ。僕はあのときのようなことをもう二度とされたくないし、もう高校生だから兄妹もくそもあったもんじゃないですよ。」
『それでもいいから話を聞いてあげるだけでもいいから私のいうとおりにして下さい。、もしかしたらあなたが勘違いしているだけかもしれないじゃないですか!』
「・・・・・わかりました。検討しておきますよ。」
この話題がそんなに気にすることだろうか?僕としてはなぜ僕を待ち伏せしていたのかそっちの方が気になるのだが・・・・
『・・・約束ですよ?』
「わかってます。自慢じゃないですが僕は今まで約束を破ったことはないんですよ。」
「わかりました。期待してますね。」
そしてそのまま一方的に電話を切られてなんで僕を襲ってきたか聞くのを忘れてしまっていた。彼女と約束をしてしまったのでこれは少々鬱陶しいが守らないといけないだろね。
嘘つきは何とかの始まりとも言うし、ここは腹を決めよう。そういいながら僕はそのままベットにのめりこみ意識を夢の世界に送り込んだのであった。どうせ明日は休日だからいいだろう。
ある神様は戦争のあっていた天界に行きそこで今にも事切れそうな天使を拾った。
別に情があったわけではない、ただ単に実験に使いたいためにその天使を拾ってきたのである。
そしてその神様は天使になにかを告げ、彼に契約書を書かせ術を唱えた。するとその天使は悶えながら苦しみ、彼は初めての罪人天使となったのである。初めての罪人天使は『救世主』と言われ、その後に多くの伝説を残していった。彼と神様の間でどのような契約が行われたか分からないがそのおかげで天界と魔界の戦争は終わりを告げたのだ。
この前の後書きはかけてなかったと思うので今回はキチンとかきたいと思います。何だかんだいって結局時雨が主人公になってしまいましたが、これまでのものとは比較的にならないほどちゃんとした話にしておきたいと思います。まずそのためにははなしが二十話位まで続けていきたいと思います。この話はほとんど昔のものと違っており、何処となくファンタジーのような気がしていてなりませんがどうぞこれからもよろしくお願いします。今回の時雨は昔の彼とはなんとなく違う部分がありますので新鮮な気持ちで呼んでもらえたら嬉しいと思います。




