しょのいち 関係ない世界、交わる世界
また、性懲りもなく登場してしまいました。これはこれで見てくれるならうれしいです。
罪人天使とは過去一度あった天界と魔界という対等の立場をもつ二つの世界に起きた戦いに終止符を打つための神が作り出した謎の天使であった。名前こそ天使とついているが天使に見えるだけであり、実際の所は生活態度、性質などは謎のままである。つまりその存在がなんなのかは定かではないことであり、別にどうという事ではない。
ただ、最近判ったことといえば自分でもわからない重大な出来事や宿命を持つものがその謎多き天使になるといわれている。まぁ、実際の所このことも確定した出来事ではないということである。
その天使は悪魔と天使、すべての力を纏いすべての終わりを齎す者。そして、世界を紅と蒼に染め上げ紫に導く。
「・・・・・・・・さて皆、今日はかねてよりみんなの友達であった天道時 時雨君が引越す日です。彼は今日の昼頃にはこの学校の生徒ではなくなる予定です。」
朝のホームルーム、年若いムキムキの男子教師はそんなことを言っている。まぁ、実際そういうことになっているのだから仕方ない。
「うぇっ、まじかよ。」
「番長、自分達がふがいないからこの学校から消えてしまうんですか?」
その他もろもろ、そんな声が聞こえてくるが僕は無視する。泣きながら訴えてくる暑苦しい男子生徒たちを手を振って座らせる。そう、何を隠そう僕はこの学校の番長という奴なのである。ちなみに僕は高校二年生だが番長の称号を得れたのは全く持って面倒くさいことに巻き込まれたものだ。
少々、昔の話をさせてもらおう。あれは入学式の事である。正確に言うと入学式の放課後、皆の帰った教室で僕は上級生に絡まれていたのであった。絡まれた理由はどっからどう考えても僕が悪い。まず、上級生の足を間違って踏んだ挙句にそのことに気がつかずその事実を無視してそのまま帰ろうとしたからである。
そのとき僕は思いっきり殴られて気絶したはずであったが、気がついたときには上級生たちは僕の目の前にのびていたのであった。そして次の日には三年生はすべて消えていた。
理由は簡単、三年生は全員が退学を喰らったのであった。(このことはうわさで聞いたぐらいであるのではっきりいえることは出来ないが、うわさでは下級生をかなりいびつに扱っていたのが学校側にばれたらしいのだ。)
しかし、世の中勘違いが多いようだ。
ほとんどの生徒は僕が上級生をコテンパンに締め上げて全員を二度と立ち上げられないほどに痛めたと別の噂が立ち上がってしまったのである。
その結果として僕には悲しいことにろくな友達が出来なかったし、彼女もできることはなかった。(今僕が通っている高校は男子校なので彼女ができるはずがない。無論、彼氏なんてモノも存在しない。)しかも、今度の引越しは離れて暮らしている母親が勝手に決めたものである。つまり今僕は一人で住んでいるのである。なぜそうなっているのかは僕の悲惨な過去話を聞いて欲しい。
今から二年ぐらい前の事である、母が再婚すると聞いていたが当時の僕は別に気にしてはいなかったのであった。
しかし問題があるとしたら今の父親の連れ子がいると会う少し前(一分前)に聞かされたのであった。
その連れ子は双子(まったく似ていない)であり、僕と同い年である。
まぁ、羨ましがる人もいるだろうが僕には悲惨な出来事であった。
なぜだか知らんが夜、僕の部屋に片方(毎日入れ替わりに来る)が入ってきて僕にプロレス技をかけていくのだ(その時間約三十分)。
そのほかにも僕がトイレに入っているのにしていてわざと漬物石より数倍でかい石を置いていったりしていた。
そんなことが連日連夜続いたものだから(幸い、その二人とはクラスが違うので学校であったことはない。
)まだ進路を検討していた僕は(その二人が地元の共学高校に進学すると聞いたので)地元の共学高校ではなく、あえてこの男子校(専制が僕には少し無理だと言っていたが寝ないで勉強したのでらくらく通ることが出来た。
)を選んだのである。
その二人にはそのことを話しておらず、母親を説得して(男を磨いてくるといった記憶がある。
)一人暮らしを始めたのであった。
(始めは学業と家事を同時にするのは辛かったが今では楽勝である。
)ちなみにその二人には気づかれることなく僕はこの町に引越してきたのである。
それから二人には全くあった事はない(家にかえってきたら玄関の前に立っていたことが何回かあったが僕は回れ右をして学校に戻ったりした。
)。正月なども母親達がいる町には帰らずに(そんなことになったら僕は今度こそスリーカウントを取られるだろう。)僕は布団で寝て過ごしていたりしたし、電話が掛かってきたとしても適当にごまかしていた(お掛けになられた電話番号は只今使われてませんと答えたりした)。バレンタインデーの時には玄関の前に二つのチョコが置かれてギョッとしたが迷わず送り返した(ホワイトデーの時はキチンとお返しした)。
しかし母親はとうとう堪忍袋の緒が切れたらしい。この前家にかえってきたら家具やらなんやらすべてなくなっていた。代わりに置かれていたのは手紙であった。
『時雨、あんたは一週間後今通っている高校からあんたの妹達かよっている高校に通わせます。』
そんなことが書かれた手紙を僕は青ざめながら黙読したのであった。そして一週間後、つまり今に至る。とうとう神様がいるなら僕を見放したようだ。なぜ転校させられるかがわからない。(いまだに成績は少なくとも上の下ぐらいだ。)反抗するにも全くそうできるような状態ではないし、あっちに戻っても部屋に鍵さえしておけば大丈夫だろう。
「それでは時雨君、皆に最後の言葉を掛けてやって欲しい。」
「・・・・・わかりました。月並み言葉で申し訳ないけどこの一年間全く話していない人もいると思いますが・・・・」
話し掛けると話し掛けたほとんどの生徒が冷や汗をかきながら僕からさっさと離れていった。
「今まで有り難うございました。」
教室の一部(不良の塊)がいろいろ騒ぐ。
「時雨さん、あっちに行っても頑張ってください。」
「そうですよ、『紅時雨』の名前を轟かせてください。」
辺り一体の高校は既にこの男子校の傘下におさまっていた。いやはや、番長というものは全くもって騒がしいもんであった。
「いや、僕は普通の高校生活を送りたいから君達もがんばってくれよ。」
お節介かもしれないがこの人たちの未来が心配である。
その後、少し話して僕は高校をさっさと出て行った。短い間お世話になったがまぁ、今は未練も何にもない(母さんが言った時点で僕に拒否権とやらはなくなっている。親がいなければ今の自分などは存在しないからだし、いまだに仕送りをしてもらっているのでそのことをあげられたりしたらかなり辛い。)。
振り返らずに校門を通り過ぎ、もう少しで家という所で僕は不思議なおじさんから声を掛けられた。
「そこの君、今ちょっと暇はあるかね?」
「ええ、暇は一応ありますよ。」
「私の店の第一号の客になってくれないか?」
彼が指さす方向には変わった形の店が静かに立っていた。
「なぁに心配は要らないよ。お試しでやってもらうだけだし、お金も取らないからね。占い屋をしているんだがなかなか客がこなくて困った所だったんだ。」
今の僕にはお金がないのでちょうどいいだろう。これからどうなるか占って欲しい。
「分かりました、いいですよ。」
そのまま僕はそのおじさんの後を付いて行き店内に入って行った。中は一般の家とほとんど代わらず、テーブルに彼の奥さん(見た目はとても優しそうである。)がコーヒーを飲んでいた。
「あら、お客さん?」
「いや、彼はお試しのお客さんだよ。」
彼女は立ち上がり冷蔵庫からオレンジジュースを取り出してコップに注ぎ僕の目の前に置いてくれた。
「どうぞ召し上がってくださいな。」
「は、はぁ。有り難うございます。」
ちらりとおじさんを見てみると僕を眺めてうんうん唸っている。その隣でも彼の奥さんと思われる人もうんうん唸っていた。
「う〜ん、君の名前は何かな?」
「天道時 時雨です。」
彼の体がぴたりと止まりどこから取り出したの彼の手の中には契約書と書かれた紙が握ってあった。
「君は天使を知っているかな?」
天使とはあれだろうか?白い羽を持っていて死んだときに現われたりする神様の使い。
「はぁ、えーと、白い羽を持っている神様の使いですか?」
「うん、そのくらいで結構だ。これから少々よくわからない話をするけど構わないかな?」
僕は黙ってうなずいた。時間はまだたっぷりあるし、家に帰っても何もすることはない。
「この世界、といってもこの人間界のほかにも世界はあるんだけどね。天国、天界、人間界、魔界、地獄これらの世界があるんだよ、この世界はそこにあってないもの。つまるところ昼間に出ている月は太陽の強力な光でその存在は消えているんだ。見るように色々と努力すれば見ることができるんだよ。」
難しい話である。簡単に説明するとこの世界にはそれらと通じる何かがあるということであろう。
「天国はそうだね、神様が住んでいる場所。天界はその神様の使いたちが住んでいる所かな。人間界は文字通り人間が住んでいる。魔界には色々な種族が住んでいるんだよ。地獄は・・・・そうだね、すべての終点という場所なんだ。」
そこで彼は話の核心をつくような顔になり僕に手にもっていた紙を差し出してきた。
「・・・・・天使になってみないかい?どうやら君にはいろいろ良くないことが起こりそうだしこのままでは・・・・・死んでしまうかもしれないんだ。」
彼の瞳に嘘をつくような光はやどっておらず、その目は僕の後押しをするような感じであった。
「・・・・天使は何をすれば良いんですか?」
天使になってもする事がわからなかったらそれは意味のないことであり、無駄骨という奴である。
「かんたんさ、世界が今の状態を保っていられるように努力してくれればいい。後は普段通りの生活を送っていればいいよ。」
常人だったらしないかもしれない、でも今の僕はそのまま紙を貰いその契約書にサインをした。そして改めて契約書全体を眺める。
「・・・・・この下の空欄はなんですか?」
名前をかくらんの下には小さな空欄があった。
「そこに君の意気込みみたいなものを書いて欲しい。そうだね、何でもいいんだよ。年齢制限がかかった本を立ち読みしないでもいいし、デートの約束を破らないでもいいんだ。」
ほんとに何でもいいようである。
「それじゃあ、一日一善でいいですよね。」
一瞬おじさんの顔が驚愕の顔を浮かべていたみたいだが僕は契約書をおじさんに手渡した。多分何かの間違いだろう。
「・・・・・まず時雨君の視力に影響が出てくると思うから頑張ってくれたまえ。」
「視力が悪くなったりするんですか?」
「いいや、そういうことではないよ、それより君にこれをあげよう。これは今日から君のものだからすきにしてもらってけっこうだよ。」
そう言っておじさんから渡されたのは水晶球のような綺麗な石であった。
素人の僕から見てもその石は高いと一発で分かったのだがおじさんは僕をさっさと店から追い出してしまった。
「さあさ、これからの生活頑張ってくれよ。」
店の外に出て僕に手を振るおじさんにお礼を述べて僕はその場を後にして家に帰る事にした。
「いいの?あのこは世界を一度破壊した少年だったよ。」
「ああ、いいんだ。彼を裁くのは彼自身さ。そして罪を償うのも彼自身だからね。しかし彼に天使化のやり方を教えなかったのは少しまずかったかもしれないな。」
僕は家に帰りつき残っていた荷物をバッグの中に放り込む。(残っていたものは少量の下着だけであった。)そして昔住んでいた町までを自転車にまたがりその約三時間の道のりに挑戦するのであった。
自転車をこぎ出したのはいいことだがこれは相当辛いものがあり僕は何度も何度も休憩をしながらその町の近くまでやってきていた。
真上に輝いていた太陽は今や辺りをオレンジ色に染め上げている。近くにある公園でいったん休憩を取ることにして自転車後と公園内に入り、近くにあったベンチに腰をかける。家に帰った後の事を考えてみることにしよう。そう思った所で携帯がなった。この着信音は母さんの携帯からのであり、あの双子のアドレスなどは僕の携帯に入ってはいない。
『今日から数日間お父さんと共に家をあけます。あの二人と仲良くやって欲しいと思いますから、家事はあなたに任せます。』
こ、このメールは僕にとって死刑宣告みたいなものだ。母さんは気を利かせてくれたのかもしれないが別にしてくれなくていいことである。
溜息をついて立ち上がるとそこには三人の人影が僕を見ていた。
顔にはそれぞれ顔を覆うものをかぶっている。(一人目がバイクのフルフェイスマスク、二人目が覆面、三人目が紙袋に穴を空けたものである。)その腕にはどう考えても相手を痛めつけたり、叩いたりするものが握られている。(一人目が竹刀、二人目、木刀、三人目が竹箒である。)その中の一人目が僕を竹刀で狙いながら言葉を発する。
「世界を破滅させたお前を神の名において断罪する!」
僕はさっさとこの場を後にすることにした。しかしまぁ、とうとうこの町にも変質者が出てくるようになったか。今度行く高校の先生にこのことを伝えておいたほうがいただろう。
自転車にまたがりペダルを再びこぎだす。
「待ちなさい!逃げる気ですか?」
「逃げるも何も怪しい人の話を聞いちゃいけないと先生から教わっただけですよ。」
そのまま謎の三人組を置き去りにしようとしたがいつのまにか自転車の進行方向には三人組の一人、木刀を持っている人物がストップをかける。というよりその木刀は僕の首を狙っているようだ。
「断罪!」
首筋に木刀の気配が近づいてきたが僕は難なくそれをよけた。(男子高校ではなぜか誰かとけんかしたとき怪我をしないように避ける方法などを習った。)さすがにこのまま自転車に乗ったままだと辛いので降りることにした。
「!」
避けられたと知って意外に驚いてるようだ。そして一人目が再び叫ぶ。
「今の彼は人間のはずよ、皆でかかれば勝てるはず!」
三人組はさっさと僕を囲み一気に襲い掛かってくる。だが、この位ならまだ大丈夫である。(やはり、一人で大人数とやり合う方法をあの高校で学んだ。)
スイ、スイ、スイ―。
竹刀、木刀、竹箒を順に避け三人の足を思いっきり引っ掛け転ばせる。
「きゃ」
「きゃあ」
「く、のわぁ。」
そのまま無視して自転車にまたがり今度こそ脱走を計画。
「あばよ、とっつあん」
最後にベルを響かせ僕はオレンジ色に輝く太陽に向かって自転車をフルスピードで動かした。
「まちなさ〜い」
そんな声がしたような気がしたが今の僕には関係ないことだ。しかし、まさかあの高校の体育の時間で習ったあれがこんなに役に立つとは思わなかったな。今度先生に御礼を言っておいたほうがいいのかもしれない。
家に帰り着く数分前にまた母さんからのメールが届く。
『夕飯は既に準備しているからね。仲良く食べて。』
却下である。あの二人と食べるぐらいなら僕敵にはそこらへんで野良犬を眺めながら雑草をかじっていたほうが気が休まる。
家に帰り着いたときには太陽は既になくなっており、家には明かりがついていた。僕の部屋に行くにはその前を必ず通らないといけないがどうしたもんだろう。こうなったら突撃するだけである。今日の晩御飯話と考えることにして部屋に入ったらこの前買ってきた鍵をつけてさっさと寝ることにしよう。まず、始めが肝心だ、失敗はろくな事を生まない。
玄関を静かにあけて一気に走る準備をする。
「!?」
走り出そうとして気がついた。今の僕の足元には細い紐が引いてあり、どうやらこれに引っかかってしまったら音が鳴るような仕掛けと思われる。いつから僕の家はこんなセキュリティのある家になったんだ?先程のような変質者がそんなに多く出ているのだろうか?
それを飛び越しそのまま一気に駆け出す。明かりが漏れている部屋の前を息を殺して駆け抜けそのまま自分の部屋がある二階へと続く階段を駆け上がり自分の家に転がるように入り込み買ってきた鍵をかける。
完璧だ、今まで生きてきた中でこんな完璧に事を運んだことはない。
自画自賛しながら僕は既に置いていたベットに入りそのまま眠りについた。明日早く起きて体を洗い早めに学校に行こう。そうすればあの二人組みに合うことはまずないはずである。
いろいろあって疲れていた僕は目を閉じて二分以内に眠りの世界に旅立つことに成功したが見た夢は最悪そのままであった。あの双子と追いかけっこをしている夢であった。
昨日宣言したとおり僕はかなり早い時間帯に起きることが出来た。
鍵をあけて廊下を見渡す。
僕の部屋は双子の部屋に左右を囲まれており、何か物事が起きた場合すぐさま首を引っ込む準備をした。
だが、辺りは静かなまんま僕はそのまま階段をおりシャワーを浴びて学校に行く準備をしてから朝食の準備をする(昼食を食べるまでの時間はあるはずである。もし作っている間に上から降りてきた場合はそのままにして学校に行くことにしてある。)。僕の記憶が正しければあの二人が起きてくるにはまだ時間があるはずである。
朝食をあらかた食べ終わった頃に二階から音がしたので僕は鞄を引っつかみ家を後にした。
そのまま走って学校に登校、ぼろぼろだった校舎はどこにもなくとてつもなくでかい校舎が僕を見下ろしていた。
適当に中に入って職員室を捜し始めたがこんなでたらめに広い内部で探すなんて無駄な行為だ。仕方ないので近くにいた男子生徒に話し掛けた(さっきから女子生徒しかいなくてかなり不安であった。あの双子のせいなのか僕は女子が少々怖い。)。
「あの、すいません。職員室はどこですか?」
「うん、ああ、あっちに行ったら十分ぐらいでつくと思うよ。」
礼を言って走り出す。このままではいつあの双子に出くわすか分かったものではない。
職員室につくまでの間先程の男子生徒以外男子生徒を見かけることは全くなかった。
「すいません、今日からこの高校に通うはずの天道時 時雨です。」
職員室の前に立っていた人に話し掛ける。どうやらその人はこの職員室を管理しているような人みたいで用件はこの人に言わなくてはいけないようだ。先程見かけたポスターにそのようなことが書かれていた。
「・・・・・・・ああ、確かにそうみたいですね。君の担任の先生はあの先生ですよ。」
職員室にいるまだ若い部類に入る男子生徒を指さして答えた(刺すのは少々失礼ではないのであろうか?)。僕はそのままその先生の所まで歩いていき自己紹介をした。
「ああ、よろしく、『紅時雨』君。実は僕の兄さんは君が前にいた男子校の体育の先生なんだよ。さて、そろそろ教室に行こうか?」
少々厄介なことを知っている先生の生徒になってしまったようだ。この先生は見た目いい人なので僕が番長であった事は黙ってくれているだろう。
「さて、時雨君、この高校は新しく変わってしまってね、今いるのはどちらかと言うと女子の比率が多いんだ。それに大半がお嬢様みたいだから気をつけるんだよ。下手なことをしたら君はこの世に入れなくなるよ。」
この共学高校もこんなに変わってしまったのか??しかもお嬢様が多いらしいしそれなら男子の身は狭いんだろうな。校舎の廊下も車が通れる見たい出しまさしく驚愕(共学)高校である。
彼が担当している教室につく少し前にチャイムが鳴り響く。そして少し騒がしい教室のドアの前に立って僕のほうを見て激励の言葉をかけてくれた。
「男子はかなり少ないからって遠慮することはないよ。これからの高校生活をおおいに楽しんでくれると俺が教師になった意味があるというものだからね。」
そう言って彼は教室の中に入って行った。今僕の心には色々な出来事が渦巻いていたが願いは一つである。
あの双子と一緒のクラスにはなりませんように!
神様はすべていい存在なんてありえることはない。なぜなら彼らは神様であり、全てを創造出来る者だから・・・・・。彼らは自分の意思で物事を決めるし、ケンかをすることなど日常茶飯事である。そんな彼らが恐れているものはただ一つだけ、恐れだしたのは近頃・・・・ある罪人天使が世界を一度消してしまったからだ。