彼女との別れの日
過ぎ去った昨日・・・彼女が出発する日・・・
彼らの物語のはじまり
・・・午前・・7時・・・なんて早い起床なんだ・・・
今日は、金曜日・・・普段なら、授業があるんだけど、今日は、特別に無しになった。
そう・・・愛海・・・大澄 愛海 (おおすみ まなみ)の送別会に切り替わったんだ・・。
僕たちの学校は、小学校から大学までが一直線という何とも凄いところで、
結構金持ちが、集まった地域でもあって、何から何まで凄いで片付けることができるんだけど、まぁ、凄い。
ちなみに小学校と大学は、少し離れてるけど、中学と高校は同じところにあって、名前は・・・
小学校が海洋小学校、中学と高校は海帝に変わって、大学は確か、海皇大学だったっけ?
まぁ、そんなもんはどうだってよくて、今日は海帝高校1年Sクラスで送別会が開かれる。主催者は、Sクラス室長の平林 凛 (ひらばやし りん)さんだ。んで、実行委員に急きょ選ばれたのが、この僕、滝島 和樹ともう一人、
親友の平賀 悠一だ。
大澄 愛海・・・彼女と僕と悠一は昔から・・・小学生の頃から仲が良くて、ほとんど同じクラスだった。よく妹たちを連れて遊んだり、三人で集まって勉強したりした。
ほんの数カ月前まで・・・いや、数日前までは・・・・
このまま、大学まで・・・三人で、行けると思ってた・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・愛海の両親も仕事が大変で、海外に急に行くことになったらしい・・・
・・・愛海は一人でも残ると言い張ったらしいが、一人娘で心配だったので、彼女の願いは認めてもらえなかった・・・
それが、この前・・・約一週間くらい前の出来事で、今に至るのだけど、もう両親は海外に行っているらしい。愛海の最後の願いとして、飛行機を遅らせてもらって、今日の午後5時には・・・・・出発らしい。
・・・だから、僕も・・・今日・・・
一階に下りると夕美がもう起きて朝ご飯を作っていた。
夕:「おはよ♪ お兄ちゃん!」
和:「あぁ、早いな」
夕:「当たり前でしょ? 愛海さんの送別会なんだよ?急がなくちゃ」
和:「・・・っへ? お前は関係ないだろ? 中学生なのに・・・」
そう、夕美は中学2年生・・・関係ないはずだけど・・・?・・
夕:「それが、あるんだな~。先生に頼んで、私も・・・あぁ、あと梓ちゃんもだけど、送別会に出席するから」
和:「っは? そうなの? 」
夕:「そうなの! だから、お兄ちゃんも早く支度して?」
わかったよ。と言って、僕は夕美が作った朝ご飯を一緒に食べ、支度して、
7時半頃に家を出た。
まったく・・・いつも思うけど・・・
和:「夕美・・・前と後変わらない?」
自転車・・・二人乗りをしているわけだけど・・・この坂はキツイ・・
夕:「何いってんの? 和樹が前でこぐの! 私は座っているだけでいいの!」
和:「はいはい・・・」
たぶん、その声は本心でなくて・・・
大声で夕美が言ったあと・・・何やら・・・僕にしか聞こえないようにするためか・・・か細い声で・・・やっぱり・・・
夕:「ごっ、ごめんねお兄ちゃん・・・夕美・・やっぱり重いよね・・?・」
そう言って来られちゃ・・・僕も・・・何も言えなくなるわ・・・
和:「まぁ、イイって、これくらい」
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・・・・・・・
・・・・・・そのあと、・・・ありがと。・・・と後から聞こえたような気がした。
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っと、坂を自転車で上っていると、平賀兄妹と出会った。
悠:「っよ! おはよう、滝島夫妻・・・ならぬ滝島兄妹!」
和:「おいおい、夫妻ってなぁ・・・」
夕:「そうですよ! 悠一くん変なこと言わないでください!
誰が和樹と・・・夫妻ってヒドイですよ?」
悠:「ははっ、悪い悪い、夕美ちゃん」
和&夕:「おはよ?梓ちゃん・・・一緒に行こ?」
梓:「おはようございます。和樹さんと夕美ちゃん、お兄さんは放っておいて行きましょうか・・・」
夕美が自転車から降りて、僕もこぐのをやめて、
僕らが歩きだすと、悠一が怒って追いかけてきた・・・
まぁ、置いて行くのは冗談で、みんなで学校へ向かった。
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