兄妹の気持ち
和:「そういえば夕美、そんな格好してるけど、どこか行くのか?」
夕美は、どこかへ出かける時用の服を身にまとっていた。
夕:「行くじゃなくて、もう行ってきたの、朝早く梓ちゃんと出かけて来たんだよ?」
和:「そっか~、でもいつもならもっと遅くまで遊んでくるだろ? 今日はどうして早いんだ?」
夕:「それは・・・その・・お兄ちゃんのご飯作ってなかったし・・・その、心配もしてたから・・・」
・・・そうか・・・やっぱり夕美にはバレバレだったのか・・
けど、心配させたままにするのはよくないよな・・・
和:「心配なんて・・・もう大丈夫だよ。そりゃ確かに僕だってショックだったけど、もうね・・・」
そんなはずないのに、、僕は夕美に心配させたくなかったから、嘘をついた。
夕:「本当? 本当にもう・・」
夕:「・・・わかった。それじゃ、私は部屋に戻るね。テレビも、もう終わっちゃっただろうから・・・」
僕は夕美に、ありがとね~と言い、食事を済ませた後、、
再び、僕の部屋へと戻った。
・・・・・
――――ドサッ
ベッドに横たわる・・・別に眠いから寝るために横になるわけじゃない・・・
何も・・・なにもしたくない。
これからの高校生活・・・どっと・・・つまらなくなるな・・・
ん~~っと背伸びをして、脱力していると、携帯のランプが点滅しているのが目に入った。
「誰からだよ? ったく・・・」
見ると、悠一からだった。何の用だろうと思い、メールを見てみる・・・
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「ワルイ、さっきまで寝てて、メールに気付かなかった。 すぐ行くから、」
悠一からのメールを見た僕は、即座に返信のメールをして、私服に着替えて、とにかく急いで家を出た。
自転車で行った方が早いのに、僕は、無我夢中で走っていた。頭には「預かったモノ」しかなかったから・・・
とにかく、今は悠一の家に行くことだけが頭にあった。
・・・・本当なら・・・
・・・本当なら、今の気持ちのまま・・・
・・悠一には会いたくないのだけれど・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・なぜならそれは、
―――――――あの事を聞かなくてはならなくなるから――――――
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