ヒョコヒョコ…?
もうすこしで・・・な感じですね
では、どうぞ~
・・・・・
・・・
一応全部見まわった…だけど、彼女はここには、いなかった。
一番仲のいい平林さんが言うから図書館だと考えたけど、愛海はいなかった。やっぱりそう簡単にはいかないよね…
さて、図書館にいると考えて来たわけで、これからどこを探せばいいか…
一度、教室に戻ってみようか? もしかしたら、もう戻っているかもしれないし…
そう思って、出口に向かおうとした和樹の目に留まったのは一冊の詩集だった。
机の上に置きっぱなしにしてある…だれかが戻すのを忘れていたのだろうか?
僕がその詩集を手に持つと、後で本の整理をしていただろう子が言ってきた。
「それ……そこ」
振り返ると…あれ? 誰もいない?
と思うと、何やらピコピコ? ヒョコヒョコ?僕の目の前で反応するものがあった。
視線を落とす…そこには高校生の制服を着た、いかにも中学生だろうという小さな女の子がいた。
それもアホ毛がピクピク反応している…
「きみは? 図書委員さん?」
僕が質問しても、少女は黙ったままじーっと僕を見つめてる…
ちなみにアホ毛はピクついているが、それはどうでもよくて、
「あの…えーと…」
「それ、その棚」
少女は棚を指差してそう言うと、僕から遠ざかって行った。
なんだったんだろう? 棚に戻しておいてってことでいいのかな?
まぁ、いいかと僕は詩集に目をやると、一か所だけ角が折られてあったから、
気になって開けてみると……そこには「小さな約束」著:紫夜河 太桜と書かれてあった。
この著者の名前には見覚えがあり、愛海が好きな詩人の一人だ。
……もしかしたら、やっぱりここに愛海は来ていたのかもしれない。
これを読んでいたのは愛海で、僕と入れ違いになったのかも…
だけど、どうして愛海は詩集を戻さなかったのだろう? 何か急用でもあったのかな?
……深く考えてもダメだね。
それに愛海が読んでいたっていう証拠もないし…
……僕はそれを棚に返して、一度、Sクラスに戻ることにした。
…・・
よろしくです ノシ