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~片想い~  作者: 春風 飛翔
片想い
11/27

ふたりのセカイ



行き先は愛海にまかせて、僕はついて行くだけ・・・


階段を上り・・・僕らのクラスがある三階を過ぎて、四階へ・・・


四階って・・? 


四階には音楽室や美術室、


多目的ホールや書道室、


その他は特別授業の時にしか使わない教室があるんだけど・・・


この階に用があるのかな? ・・・なにせ、この建物は四階までだし・・・


・・・と、ちょっとトイレに行きたくなったな・・・


和:「愛海、どこにいこうとしてるの? ・・・あと、ちょっとトイレに寄ってもいいかな?」


愛海:「・・・行き先は、秘密・・・トイレは・・・ってそんなこと聞かないでよ! 待ってるから、行ってきて!」



・・・女子に、トイレ行っていい?・・・は、普通ないよな・・・



・・・言ってから気付いた僕だった・・・



「ふぅ・・・」



僕が用を足して、トイレから出ると、そこに愛海の姿は見当たらなかった・・・


・・・どこに行ったんだ?待ってるって言っていたよな・・・


・・・・・・・・


・・・ふと、奥へと続く廊下の先をみると、一瞬だけだけど、人影があったような気がした・・・


・・・そこで僕は、あの時のことを思い出した・・・


そう、この光景を前に一度見たことがある・・・あの時と一緒だ。


僕らが・・・出会った・・・あの時と・・・











和樹は、あの時の記憶と今この時を重ねて、そこへ向かうためにゆっくり歩き出した――――



















入学式後・・・・今思えば懐かしい記憶・・・
















学園自体がその日は一般開放されていた。僕は幼いながら、好奇心旺盛で、探検気分で校舎をウロチョロしていたっけ・・・



・・僕はいろいろ見まわっていて、・・・そんな時だった・・・たなびく綺麗な髪が建物の中に消えていったのが、ちょうど目に入った。



僕は興味本位で追いかけた。建物の中・・・つまりは、高校の校舎だったんだけど、そこに入ると、誰も見当たらなかった・・・・




そして音が聞こえたんだ・・・階段を駆け上がる・・・あの音が、





僕も階段を上った。なぜだかわからないけど、夢中になっていた。

階段を上って、上って、・・・もう階段は上にはなかった。



ふと、振り向いてみると、また、たなびく髪が見えたと思ったら、消えた。




廊下のずっと奥・・・女の子の姿は見えなくなった。




僕は、急いで追いかけた・・・なんていうか、・・・そう身体が勝手に動いたっていう感じかな・・・




・・・・・・・・・




・・・・・




廊下を走って、走って・・・奥までたどり着いた。すると、ちょうどそこは角になっていて、まだ廊下は続いていたんだ。



そして、廊下の先には三つの扉があった。・・・そして、その一つが開いていた。




僕は、その扉へ吸い込まれるように・・・身体が動いた・・・




扉の前にたって・・・その先には、さらに上へと続く階段があった。




階段の先の扉は開けっ放しになっていて・・・見えるのは、オレンジ色の・・・そらだった。




そこから僕は、ゆっくり階段を上った・・・一段一段を着実に、ゆっくりと・・・・、




・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・




・・・・







・・・そして、僕はそこで神秘的な光景を目にしたんだ――――





















――――――白とオレンジ――――― 二色のセカイ ―――

















建物自体が真っ白のお城みたいだったから、すごく綺麗とは思っていたけれど、それに、


夕暮れ時のオレンジ色・・・かっこよく言えば、黄金色に輝くソラとそれとが、僕にはあまりにも感動的な光景で、神秘的に見えたんだ・・・。



・・・・・・・・




・・・・・・


・・・・





――――――そして、そのセカイに―――――




―――――――僕の見ているセカイの中心に―――――――






――――彼女がいた――――






――――まるで妖精のように、そこにいた――――――






・・・・それが、僕と彼女・・・つまり愛海との出会い・・・




想い出の場所・・・




・・・・・・・・




・・・今そこは、白と蒼・・・ちょっとかっこよく言うと、ブルースカイが広がっている・・・屋上な

んて特に何もないから、普段は誰も行かないような所だ・・・行き方も面倒だしね。


・・・・・・・




・・・・・






・・・けれど、あの時、僕と愛海は知ったけど、ここからの眺めは最高なんだ。




愛海は、淵に立って、下に広がっている・・・僕たちが住んでいるこの広い町を眺めている。




僕は上ってきた階段の扉を閉めて、愛海に近づく・・・




・・・・・・・・




・・・・・・





・・・




・・・・私、・・・・が好き・・・










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