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霊能物語  作者: Parsy.Store
33/36

大晦日特別編 会話劇(藤樹瑠衣&石谷空音)

藤樹瑠衣(17歳)

8月24日生まれ(乙女座)

固有霊能はない。その膨大な霊力量と圧倒的センスで霊能界最強へとのし上がった。怪異研究所本部の所長、村田終夜を師と仰ぐ。好きな食べ物は昔お父さんと食べたパフェ。嫌いなものは小学校の給食に出たサラダ。好きな動物はインコ。嫌いな動物はイヌ。

石谷空音(16歳)

2月6日生まれ(水瓶座)

固有霊能は騙り。圧倒的センスで一時期は初代の生まれ変わりとすら言われた。年の割に経験と知識が多く、周囲と距離を置かれることが多い。怪異研究所第34支部の所長を務める。好きな食べ物はりんご嫌いな食べ物は鬼灯。好きな動物はカラス。嫌いな動物はネコ。


瑠衣:「メリークリスマス?」

空音:「メリークリスマス!」

瑠衣:「過ぎてるけど」

空音:「言わないでおくれよ。忘れてたんだって。だから、申し訳程度に上に私達のプロフィールが書いてるでしょ?」

瑠衣:「確かに。私達の個人情報が暴露されてる」

空音:「まあまあ。今回はそれも含めて、会話してってことらしいから」

瑠衣:「自分の個人情報で話せってこと?」

空音:「そういうこと。まずは、瑠衣ちゃんからで。って言っても、瑠衣ちゃんって主人公だから情報すでにでてきてるものも多いんだよね。師匠が村田さんってこととか」

瑠衣:「そうだね。それなら、前回と同じ槿花ちゃんでも良かったかも」

空音:「今回は槿花ちゃん呼べないんだよね」

瑠衣:「なんで?」

空音:「ほら、本編で大変なことになってるでしょ?美倉家にストップかけられちゃったんだよね」

瑠衣:「まあ、仮にも当主の仇を助けちゃってるわけだし。ストップもかけられるか。コンプラ的にどうかはわからないけど」

空音:「そうだね。そう言えば、瑠衣ちゃんって固有霊能ないんだね」

瑠衣:「そうだよ?本編でも1回も使ってないでしょ?」

空音:「あれは?刀出すやつ」

瑠衣:「あれは固有霊能じゃないよ。操作力のある霊能者なら、訓練したら誰でもできるようになるよ。だってほら、槿花ちゃんたちもやってたでしょ?」

空音:「確かに。双刀と双剣、出してたね。でも、一応一種類じゃない。瑠衣ちゃん、確かサーベルも出してたよね?」

瑠衣:「あれは、霊力ってイメージしたら大体のことはできるから、所長に刀とサーベル持ってきてもらって、切れ味とか、形とかを身体になじませたんだよ。あれは痛かったな〜」

空音:「痛かったって……、まさか自分のこと切ったりしたの?」

瑠衣:「したよ?だって、切れ味とかもわかってないと、イメージが鈍るでしょ?」

空音:「なるほどね。納得はできないけど、納得したよ」

瑠衣:「なんかその反応、所長もしてた」

空音:「まあ、私も基礎は4歳くらいの時に村田さんから習ったから。多少クセがうつってるかも」

瑠衣:「空音ちゃんも所長から習ってたんだ」

空音:「あれ?2話で村田さん言ってなかった?」

瑠衣:「言ってたかも。あの時は、怪異のタイムアタックにハマってたから。心ここにあらずだったんだよね」

空音:「怪異でタイムアタックって……ゲームじゃあるまいし。それに、瑠衣ちゃんの担当する怪異って、災害級だよね?震災とか引き起こすタイプの」

瑠衣:「うん。失敗したら、津波とか噴火とか、めっちゃ起きるよ」

空音:「やばいじゃない。そんなのでタイムアタックって……。村田さんに怒られなかったの?」

瑠衣:「怒られたよ、最初はね。でも、私って最強だから。村田所長も計りきれなかったんだと思う。結局、私にとってはみんな雑魚なんだよ」

空音:「雑魚、ねぇ。どうだろう?まだいるかもよ、瑠衣ちゃんに勝てる人が」

瑠衣:「そんな人、いるのかなぁ。居たとして、それは本当に人なのかなぁ?」

空音:「人だよ。私は知ってる。少なくとも1人、瑠衣ちゃんが今のままでは勝てない人がいる」

瑠衣:「ふうん。ま、楽しみにしとくよ。ストーリーの進行上、私が今、知ってしまったらまずそうだし」

空音:「へー、楽しみなんだ。負けるかもしれないのに?」

瑠衣:「空音ちゃん、負けるのだって、戦いの醍醐味なんだよ?負けた時、次に同じ人に負けなければ、それは勝利への道になるんだよ」

空音:「なんだか大人びた、つまらない意見だね」

瑠衣:「そうかな?所長の考えがうつってるのかも」

空音:「そうかも。年相応の意見って感じがしない」

瑠衣:「年相応、ねぇ」

空音:「どうしたの?」

瑠衣:「年相応って、誰が決めてるんだろうね。ほら、封鬼高校の校則にもあるじゃん?"華美な髪型など、年にふさわしくない髪型は、公序良俗の観点から禁止とする"って」

空音:「うんうん。あるねぇ」

瑠衣:「年相応。その年齢に相応しいって、一体誰が決めたんだろうなって、思うんだよね」

空音:「誰が、っていうのが間違ってると思うな」

瑠衣:「間違ってる?」

空音:「そう。誰がともなく、決まっていったんだよ。――きっとね」

瑠衣:「誰がともなく?」

空音:「誰がともなく。だって、今よりも連絡手段の限られた時代に、同時多発的に同じ現象が見られるっていうことは、誰がともなく決まっているんだよ。強いて言うなら、大人たちの良心が、そうさせたんだろうね」

瑠衣:「良心?」

空音:「大人たちは、同じ大人たちに興味がないんだよ。ただ、子どもたちには道を外してほしくない。"まっとうな"人間に育ってほしい。そういう、大人たちの勝手な思いが、子どもたちにとって退屈な世界を創ってるんだろうって、私は思う」

瑠衣:「まっとう――ねぇ。まっとうな人間って、どういう人なんだろうね。普通に生きて、普通に死んでいけば、まっとうなのかな?それとも、罪を犯さないことなのかな?……曖昧だよ」

空音:「曖昧だね。でも、その曖昧さが、私達を――物語を生かしてくれている。私達は、曖昧な存在だから」

瑠衣:「そうだね。あまりにわかりやすかったら、それは物語じゃないもんね」

空音:「そう。曖昧じゃなかったら、それは物語じゃなくて公式だよ。だから、物語には解釈の余地が必要なんだ」

瑠衣:「この物語には、解釈の余地なんてあまりないけどね」

空音:「そりゃあ、霊能物語は、必然の上で成り立ってるから仕方ないよ。解釈の余地は、他の物語に比べてあまりにも小さい」

瑠衣:「どう考えても、物語って感じじゃないよね」

空音:「物語っていうよりは、伝記か日記に近いよね」

瑠衣:「まあ、その物語上の私達が言うのも何だけどね」

空音:「そう言えば、このシリーズで一番人気のあるキャラって、誰なんだろうね?やっぱり、一番可愛い私かな?」

瑠衣:「いやいや、主人公の私でしょ」

空音:「以外に槿花ちゃんだったりして」

瑠衣:「あの子はキャラがぶれてるから」

空音:「それで言ったら、初登場からキャラがほとんどぶれてない白さんでしょ」

瑠衣:「出番もセリフも少ないけど、井宗さんだったりして」

空音:「いやー、それはないんじゃない?おじさんキャラだし、何よりセリフの印象が悪いじゃない?」

瑠衣:「じゃあ、鷹清くんとか?あのキャラ嫌いな人は少ないんじゃない?」

空音:「あー、クラスのお調子者的な?」

瑠衣:「そうそう。クラスのお調子者が嫌いな人って、少ないでしょう?」

空音:「確かに、鷹清くんは人気ありそうだよね」

瑠衣:「でしょでしょ。駿さんはどうかな?」

空音:「駿くんは、今回から大活躍しそうだからね、多分これからのキャラでしょう」

瑠衣:「同じ古参キャラなのにね」

空音:「これが、キャラ格差ってやつかな」

瑠衣:「そこ、威張らない」

空音:「あはは」

瑠衣:「あははは」

空音:「さて、そろそろ本題に入りますか」

瑠衣:「今から!?」

空音:「今からだよ?」

瑠衣:「今までのは!?」

空音:「前置きでしょう?どっからどう考えても」

瑠衣:「確かに、本題って感じの話題じゃないけど……。そもそも、この企画って、特別な日に無駄話をして楽しもうっていう企画だから、これまでのやりとりでも十分本題だと思う」

空音:「ちっちっち。今回はただの無駄話だけじゃダメなんですぜ?」

瑠衣:「あぁ、年の暮れだもんね?」

空音:「早い!理解が早い!」

瑠衣:「ども」

空音:「ズバリ。来年の目標を言いましょう会、です!」

瑠衣:「それ、来年じゃダメなの?」

空音:「来年一番は駿くんと鷹清くんなので……」

瑠衣:「なるほど、私達は次の本編まで出番がない、と?」

空音:「そゆことです」

瑠衣:「だから、今のうちに言って、特に話題のない年末を乗り切ろうって魂胆だったわけだ」

空音:「全部言っちゃうの!?ねぇ!?全部言っちゃったよ!?瑠衣ちゃんって、もしかして読者の味方だったの?だから、教えられてなかったの?」

瑠衣:「うん。私は何も知らないよ?ただ、今年って巳年だから、白さんでもいいのになぁとは、思ったよ?」

空音:「あ。確かに」

瑠衣:「じゃ、来年の抱負でも言いますか」

空音:「流さないで!?結構大事だから、言い訳させて!?」

瑠衣:「必死だなぁ。どうぞ?」

空音:「えー……、巳年なのに蛇崎白が特別編に出られなかったのは、本編で大変だから――と、いうわけではなくて、彼女自身の罪を清めてから、こういう神聖な回にでようという、私達なりの配慮です!以上」

瑠衣:「白さんの罪?」

空音:「瑠衣ちゃんはまだ知らないんだっけ?」

瑠衣:「うん。何のこと?」

空音:「それは、いずれ本編で」

瑠衣:「えー、なんかモヤモヤする。教えて?」

空音:「教えない。これは、ストーリーの進行に関わるから」

瑠衣:「じゃ。気を取り直して、来年の抱負でも言いますか」

空音:「切り替え早!!」

瑠衣:「私はね……うーん。やっぱり、もっと人の心を知りたいな。もっと、人の心理を知って、分かって、解って、判って。もっとみんなと仲良くなりたいな」

空音:「そっか。私も手伝うよ」

瑠衣:「ありがと。空音ちゃんは?」

空音:「私はねぇ、もっとみんなを助けられるようになりたい」

瑠衣:「へー……」

空音:「あれ?なんか微妙……めっちゃ考えてきたんだけど」

瑠衣:「なんか……優等生って感じ」

空音:「いいじゃない、優等生で」

瑠衣:「ファンの心掴もうって魂胆が見え見えだよ?」

空音:「いやいや、そんなつもりはないから。――うん、絶対にない!」

瑠衣:「あるやつじゃん、それ」

空音:「ないって!」

瑠衣:「信じるよ?信じるからね!?」

空音:「信じて!?」

瑠衣:「じゃ、終わりますか」

空音:「瑠衣ちゃんに仕切られてる!?私が仕切る側なのに……」

瑠衣:「へこまないで、一緒にやろ?」

空音:「ありがと……」

瑠衣:「今年始まった霊能物語を愛していただき、ありがとうございました!」

空音:「来年も、霊能物語は続きます」

瑠衣:「来年も霊能物語をぜひ、ご愛読ください!」

空音:「皆様の新しい年が、喜びに満ち溢れますように!」

瑠衣:「良いお年を!」

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