ハロウィン特別編 Do you happy Halloween?
空音:「ハッピーハロウィーン!」
槿花:「いぇーい!」
空音:「まぁ、別にハロウィン自体は、特別楽しい行事でも、嬉しい行事でもないんだけどね。」
槿花:「そうなんですか!?だとしたら、私は今なんのためにバイブスあげたんですか!?」
空音:「それは、槿花ちゃんが勝手に盛り上がっただけであって、私は挨拶をしただけなんだよ?」
槿花:「なんかそれずるくないですか!?」
空音:「まあまあ、そんな無知で純粋な槿花ちゃんのために、ハロウィンに纏わる物語を私が、楽しく騙っていくのが、今回の特別編なんだから、槿花ちゃんは楽しく勉強してればいいの。」
槿花:「なんか今、私がを強調しませんでした?」
空音:「どうだろうね〜?小説なんだから、文字を辿ればいいんじゃない?」
槿花:「小説っていうより、台本って感じなんですけどね……、形式的に。……ってか、やっぱ強調してるじゃないですか。」
空音:「そんな事はどうでもいいの。さっさと始めるの。」
槿花:「口調変わってるじゃないですか。本編じゃないからって、作画崩壊激しいですよ。」
空音:「キャラが作画とか言わないの。ギャグ小説と間違われるでしょう?」
槿花:「実際、今の形式はギャグのそれと大して変わらないじゃないですか。」
空音:「それもそうね。ま、それでもいいんだけどね。」
槿花:「じゃ、そろそろ始めますか。」
空音:「槿花ちゃんが仕切るの?」
槿花:「もちろんです。私は、まだ番外編に登場していないので。」
空音:「その理論だと、番外編に登場したことのある、本編でも古参の私が仕切るべきだと思うんだけど。」
槿花:「古参って……登場時期大して変わらないじゃないですか。」
空音:「いえいえ、実は結構違うんだよ?私は短編だったときからいたし、一話から登場してるし、何なら登場する前から名前も出てきていた。でも、槿花ちゃんの初登場は、名前すら出ていない。これは結構な差だと思うんだ。」
槿花:「うわ〜、古参マウントをそこまで解説しちゃうんですか?大人げないですねぇ。」
空音:「これでも、古参の強みがあるからね。」
槿花:「ま、近々開かれる人気キャラ投票では、私が空音ちゃんの上をいく予定なんで。」
空音:「そんな予定聞いてないんだけどー?」
槿花:「はい、そんな予定ありませんから。」
空音:「無いんじゃない。」
槿花:「もっと人気が出たら、やるかもしれませんね。」
空音:「不確定な予定を確定事項として話しちゃいけません。仮にも研究者でしょう?」
槿花:「私は、厳密には空音ちゃんたちと違って研究者じゃないから、別に不確定要素を口にしてもいいと思うんですけど……。」
空音:「いやいや。世間から見たら変わらないから、研究者と研究補助って。」
槿花:「そうですか?補助ってつくだけで結構なんか……質が落ちる感じがするというか、メインじゃないんだなって、思いますけどね。」
空音:「それに、怪異研究所の研究補助は、戦闘職だからね。むしろ研究の補助っていうよりは、後始末とか、研究対象に出来ないレベルの怪異を処理することが多いからね。感覚で言ったら、研究者よりは一般人に近いのかも。」
槿花:「そうですね。最近、瑠衣さんの話聞いてて、そう思うことって結構多いんですよね。例えば、村田所長?って人が竜巻の怪異を対象にした研究をした時の話聞いて、なんだか私って全然怪異のこと研究してないんだなって。研究所に入ったのに。」
空音:「まあ、瑠衣ちゃんなんて、自分のこと戦闘員とか言ってたもんね。――研究補助なんてそんなもんなんだよ。」
槿花:「瑠衣さんといえば、こっちに来たときは怪異のことモノノケって言ってたのに、今では怪異って言ってますよね。一体どういう心の変化があったんだろう。……空音ちゃん、なんか知ってます?」
空音:「知ってるよ。もちろんね。でも、それは本編で槿花ちゃんが聞いたほうがいい。読者の皆さんも、そのほうがスッキリするはずだよ。早く知りたいって人もいるはずだけど、少なくとも私は、自分の口で口外にすることは出来ないかな。」
槿花:「そうですか。なんというか、空音ちゃんって結構軽いイメージがあったから、意外です。こういうのも、聞いたらすぐに教えてくれるのかなって思ってました。」
空音:「心外だな〜。私だって、言っていいことと悪い事の区別くらいつくんだよ?言うべき時くらいわかってるって。」
槿花:「そうですよね。まさか、人の霊能勝手に喋るなんてこともしてませんよね。所長ともあろうお方が。」
空音:「鷹清くんのこと、まだ根に持ってるの?あれは、必要があったから喋ったんだって。鷹清くんもわかってくれたんだから、許してよ。」
槿花:「いいえ。そういう問題じゃないんです。私とか、空音ちゃんの霊能は有名ですから、別に言ったとしても対して害はないと思うんです。でも、鷹清くんは、あまり有名ではない霊能ですから、それが勝手にバラされたとして、情報が悪用されたらどうするんですか。」
空音:「それは、問題ないよ。瑠衣ちゃんは、そんなことしないって信じてる。」
槿花:「私も信じたいのは山々なんですけど。危なっかしいじゃないですか、あの人。」
空音:「それは、否めないね。感情器官、せっかくあげたのに一瞬で壊すし。やっぱり、言わないほうが良かったかなぁ。」
槿花:「次は気をつけてくださいよ。人に霊能バラすなんて、非常識にもほどがあるんですからね。」
空音:「はい。」
槿花:「では、そろそろ本題に入りましょうか。」
空音:「え、この微妙な空気で?」
槿花:「はい。何か問題でも?」
空音:「問題しか無いよ。読者の心は操れないんだよ?」
槿花:「大丈夫ですって、どうせみんなあんまり気にしてないんですから。」
空音:「そんなこと言ったら、元も子もないじゃない。」
槿花:「まあ、結果として、読者に面白いなって思ってもらえればいいんですから。」
空音:「私は、自分が狙ったタイミングで面白いって思ってほしいけどね。」
槿花:「そんな理想ができる人は、ごく一部でしょう。夢を語る暇があったら進めましょうよ。」
空音:「夢を語るのが凡人で、夢を騙るのが詐欺師であり小説家なんだよ。私は詐欺師だから、やっぱり夢を騙りたいかな。」
槿花:「じゃあ、ハロウィンにどんな夢を騙るんですか?」
空音:「ハロウィン物語だよ。ハロウィンに纏わる、素晴らしい物語。」
空音:「昔々、そのまた昔。イギリスの空が黒かった頃の話。その当時には既に、ハロウィンって文化がヨーロッパ全土で普及していた。空が黒いイギリスのロンドンで、パン屋の店主が、ハロウィンだからと少し長く開けていた店を、閉めようとしたときだった。"すみません、パンを一つ、買えませんか?"まだ冬に比べれば温かいとはいえ、この時期のロンドンの夜はもう寒い。季節に合わない薄い服を着た10歳位の女の子が、少しばかりの硬貨を握って、店にやってきた。"どうしたんだい?嬢ちゃん。パンが買いたいのかい?"店主がそう尋ねると"はい、パンを買いに来ました。一つ、売ってくれませんか?"と、少女はもう一度、両手に握った少しばかりの硬貨を店主に一生懸命見せながら、そう頼んだ。
「"いくら持ってるんだい?"3ポンド……"店主は悩んだ。パンの相場は4ポンド、ハロウィン価格で店内の相場はもう少し――2ペンスほど――上がっていた。少なくともあと1ポンドはほしいところだった。少女は、雪こそ降っていないが、もう日が暮れて暗くなり始めた街の中を歩いてきたのだろう。少し肌寒そうにソワソワとしていた。そこで、店主は少女を見せの中に通した。
「"1人で来たのかい?"店主が白湯を出すと、少女は静かに受け取って、一気に飲んだ。空になったコップを膝の上に置き、少しの間を開けて口を開いた。"その……、ママに……ハロウィンくらいパンを食べてもらいたくて……。"店主は驚いた。なんて大人びた子なのだろうか、自分は子供の時、親のことなんて考えもずにパンを食べていた。"君のママは、普段何を食べているんだい?"少女は、少し目を伏せるようにしてこう答えた"何も……ママは何も食べてないの"店主は、もしかしたらこの子の親は死んでいるのではないかと、ハロウィンの夜に無粋なことを考えた。
「"君のママは、普段何をしているんだい?"少女は上を指していった"ママは天国で私のことを見守ってくれてるの"店主の想像通り、少女の母親は死んでいた。"私ね、こないだ本で読んだんだ。ハロウィンってもともと死者の魂が帰ってくる日なんでしょ?ママもきっと帰ってきてるよね"少女の目には、かつて自分を思わせる光が宿っていた。そして、店主はこう思った。この純粋な光を壊したくない、と。この子には、もっと明るい世界を知ってほしい、と。"そうだね、きっと、君のママも帰ってきてるさ。お代はいらない。今日は、この店のパンを好きなだけ、持っていきなさい。"店主は太っ腹に、少女にそう言った。少女は、目を大きく開いて"いいの?"と言った。"ああ、いいさ。どうせ、今日はもう店を閉める予定だったんだ。ママの分だけじゃなくて、君の分も、持って帰りなさい。""パパの分も?""ああ、もちろんさ。その代わり、今度はパパと一緒にここに買いに来なさい。"少女は、大喜びでパンを3つ、持って帰った。店主は、なんだか良いことをした気分になって、その日の店じまいをした。次の日、店を開けると、既に外にはこれまで見たこともないほどの長い長い行列ができていた。見ると、あの少女の姿もあった。先頭の老婆が、店主にこう聞いた"まだ、店は開かないのかい?"店主は慌てて、こう答えた"ええ、もう開けますんで"店主は急いで札をひっくり返し、店を開けた。その日から、店はこれまでにないほど繁盛した。開店から閉店まで、客がひっきりなしにやってきた。ある日の晩、あのハロウィンの日と同じように、閉店間際にあの少女がやってきた"お店、繁盛してるね""おかげさまでな"今にも閑古鳥が鳴きそうなお店が、ここまで繁盛したのは、あの日この少女にパンを上げたおかげだろうと、店主は勝手にそう思っていた。"私は何もしてないよ、ここまでお店が繁盛したのは、ここのパンが美味しいからだよ""そうかもな。ところで、ママはパンを喜んでいたかい?"店主は、あの日から気になっていたことを少女に聞いた。"うん、こんなに美味しいパンは久しぶりだって言ってたよ""そうか、それは良かった。これからもうちで買ってくれよな""喜んで"
「少女が連れてきた客は金にはならないが、それでもやはり、パンを買った後の客の顔は、パン屋にとってとても嬉しいものだった。それから会話から数日後、少女によく似た男性が、店主の下を訪ねてきた。"いらっしゃいませ"男性は、パンを買うでもなく、店主にあることを尋ねた。"うちの娘を見ませんでしたか?ハロウィンの日からもう何ヶ月も、家に帰ってきていないんです"店主はこう思った、どうやら、少女は連れて行かれたようだ。と。
槿花:「ほうほう、まさか怖い話できましたか。」
空音:「そうかな?そこまで怖い話でもないと思うんだけど。」
槿花:「やっぱり、透石家の人たちの考えることはわかりませんねぇ。わざわざハロウィンの日に、怖い話をするとは……。」
空音:「別に怖い話じゃないんだって、女の子がハロウィンの日に死んだってだけでしょ?」
槿花:「美倉家みたいな普通の人からすると、その時点ですでに怖いんだけどですけどね……。」
空音:「透石家と違って、石谷家はあくまで普通の家系なんだけど。」
槿花:「外から見たら大して変わりませんよ、透石家も石谷家も。」
空音:「そうかな?」
槿花:「その辺の違いについては、これから本編で触れられていくと思います。その時を楽しみん待ってましょう。」
空音:「そうだね、もう結構長くなっちゃったし、読者もそろそろ暇になってきたはずだし。」
槿花:「2025年ハロウィン特別編、これにて終了です!担当は、美倉槿花と石や空音でした!」
空音:「また、本編で会おうね!ばいばい!」
かなり遅くなりました、ハロウィン特別編です。特別編第一弾は、美倉槿花と石谷空音でお送りしました。お楽しみいただけましたか?ちなみに、メタなことを言うと、小話ででてきたパン屋の話は、後々の本編でもでてくる予定です。いつになるかは、わかりませんが。このお話が皆さんのハロウィンを特別なものにしてくれることを願って、第一弾を終了といたします。また本編でお会いしましょう。




