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第二十話 遠征任務

俺が王都に来てから6日が経過した。

朝早く起きるのもお手の物だ。

結局あれから朝食の時にエリナに会うのはあの日だけだったが、憂鬱にはならなかった。

ただ気がかりなのは、あと少しに迫った国王候補者円卓会議である。

12人の国王候補者が一堂に会する場。

何が起こるかわからないため、気を緩めずに挑まねばならない。

そして訓練に関して言えば日に日に慣れてきた。

俺と初日に決闘をした中年騎士、ユージュは昼間は虐められ、まともなら訓練にならない俺に、夜の時間を使って特別訓練を行ってくれたため、なんとかやっていけている感じだ。

しかし相変わらず虐めは起こっているため、それに耐えることで精神力を鍛える、転生前に何もしてこなかった罰、と割り切っている。

ステータスで言えばなんだか防御力だけ上がっているような気もする。


そして今日は唯一楽しみにしていた『遠征任務』だ。

城を離れ、一定の距離移動し、そこでモンスターの駆除や、その地元の人間を助けるというものだ。


「アルベル。今日は一段と機嫌が良いじゃないか。」


ユージュが機嫌が良さげな俺に声をかけてきた。

俺は、初日に抱いていたユージュへの嫌悪感が消えかけていた。

今では騎士団の中ではよく喋る方だ。


「まぁな・・・親父の剣を使えるんだ。実剣だから訓練じゃ使えねぇし、モンスター相手にこの体で戦うのも初めてだからよ。ちょっとだけ普段の訓練より楽しみなんだ。」


俺は親父が最後に遺した片手剣を握りしめながら言った。


「全員気をつけ!」


上官の声だ。

俺含め全員綺麗に整列した。

流石の俺も慣れてきたものだ。


「今日は二日前に通達した通り遠征任務だ。王都より西部に位置する『ザンバール平原』でゴブリンの群れを一掃する。それにあたって小隊を編成する。選出は任せる。残る者は引き続き、警備と訓練に励め!以上!」

『はい!!』


こうして俺たちは1小隊4人のメンバーで別れた。

残る者もいたが、俺は勿論、遠征組に入った。


「ようやくお前を使ってやれるな・・・。」


俺は剣に向かって言った。

しかしこれから使っていくのに名前をつけないのは変だなと思った。


「まぁ今はまだいいか。どうせならなんかしら俺が成し遂げたことにあやかってつけてやりてぇしな。頼んだぜ相棒!」


剣の刃の光が反射してギラリと輝いた。

俺に対して剣が返事をしてくれているようだった。


そして俺は第3小隊に所属した。

そこには訓練初日に俺をボコボコにしてくれたユージュや、俺と普通に接してくれる奴がいたからだ。

・・・・ただ一人を除いて。

それは入団6年目の若手騎士、ケルス・バンブレイドだ。

俺をここに連行した内の一人で、俺が騎士団員を殺したとデマをチクった張本人。

名前と顔"だけ"は良いくせに、性格は最悪だった。

俺に直接手を出す事はしないが、俺をよく思わない連中のリーダー的な存在だからだ。

しかし憎たらしい事に剣の腕は一流で、平団員の中では一二を争うレベルで強いらしい。

しかも今回に限ってあいつは第3小隊の小隊長と来た。

上官はどれだけ俺の事が嫌いなんだ。

そして小隊はこのような感じに別れた。


・第1小隊

小隊長:ブレク・ファット

隊員:レスト・ルァン

:キュウ・ジョク

:ディナード


・第2小隊

小隊長:ダマゴ・ポール

隊員:チップ・S・トテンポ

:タン・ファイド

:コクーラ


・第3小隊

小隊長:ケルス・バンブレイド

隊員:ユージュ・スタイン

:アルス・トリノ

:カイン・S・アルベル


・第4小隊

小隊長:バンデイ

隊員:デント・D・ダブルマン

:ソン・エンター

:ガゼル・テット


こうやって見るとゲームでのチーム編成を思い出す。

自分で編成できるタイプのタワーディフェンスとか好きだったななどと思い出していた。

そんな事を考えていると虐めの主犯格、ケルスが俺に近づいてきた。


「よう、アルベル。俺の足引っ張らないように気をつけてくれよ?」

「あ?」


俺とケルスは睨み合った。

視線と視線がぶつかり合い、バチバチと火花が散った。

するとその空気に耐えかねたユージュが止めに入ってきた。


「まぁまぁ、ケルスもアルベルも落ち着けって。」

「ふん。年長者に免じて許してやんよ。期待してんぜー新参者。」


そう言いながらケルスは小隊長が集まっている所へ行った。

そこで上官からの指示を聞いていた。


「アルベル、あんまり角が立たないようにしよう。遠征を楽しみにしてたじゃないか、それがぶち壊されてしまっては本末転倒だ。」

「あぁ・・・分かってるよ。俺はこの剣を使ってやりたいんだ。それくらい耐えるさ。」


そして俺たちは小隊長が上官からの指示を聞いた後に、隊列をなして城門を出た。

平原に着くまでは全員で移動するようだ。

先頭の旗手が馬に乗り、先導していた。






しばらく歩いている内に周囲を見回してみると、ちょくちょく小さなモンスターの群れを見かけたがフリーでモンスターを倒しているを人達がいた。

あれが『冒険者』か。

自由気ままに旅をしたり、国が運営する冒険者ギルドで依頼を受注し、お金を稼ぐ。あらゆる自由が約束された仕事だ。

まぁ自由過ぎて犯罪を引き起こす冒険者や、ほとんど働かずにフリーターのように過ごしている冒険者もいるらしい。


「冒険者がこの時期に外に出るだなんて珍しいな。」


隣を歩いていたアルスが呟いた。

俺は「そうなのか?」と聞き返した。


アルスは入隊5年目で『大ベテランに噛み付いたのが感動した』からと俺の事を良くしてくれている。

元々ユージュから剣を教わっていたのもあるらしい。

アルスは俺の質問に「あぁ。」と言い、答えた。


「この時期は強い割に賞金が低いモンスターが多いんだ。その上、気候も変化しやすいから、あんまり狩りに向いていない時期なんだ。」

「だから俺たちがゴブリン狩りに駆り出されたわけだ。」

「その通りだな。まぁ群れの退治は冒険者がやる事が多いな、普段騎士団は大物モンスターを狩ることが多いから貴重な経験ではあるな。」

「おい。」


すると前の方から憎たらしい声が聞こえた。


「私語は慎め、任務中だぞ新参者。」

「はいよ。すんませんね、小隊長殿。」


俺は不服な態度を隠しつつ敬語で言った。

敬ってない相手に敬語を使うのは納得がいかないが、任務中くらい担いでやろうと思った。




その後はあまり会話など無く、道中何事もなくザンバール平原付近へ到着した。

旗手が馬に乗っているのが憎たらしく思えてきた。

しかし旗手は馬から降りて、仮拠点の準備をし始めたため許した。

そして小隊長が前に出て、自分の小隊を整列させ、話を始めた。


「これより我々は『ゴブリン掃討作戦』を実行する。第1小隊は北、第2小隊は南、第3小隊は西、第4小隊は東だ。しかし第3小隊、お前達は気をつけること。東には任務の範囲内に深い森林がある。入ったら間違いなく迷う。あまり深入りしないように。」


『はい!』

俺含めた第3小隊が返事をした。


『では、作戦決行!』


そして全ての隊が返事をした。

それぞれの隊は自分が担当するところへ散っていった。

俺達も自分たちが担当する西へ向かった




「やっと解散したか。」

「堅苦しい雰囲気は相変わらずだな。」


俺とユージュは準備体操をしながら愚痴った。



「まずは群れを見つける、それからだ」


ケルスが俺達に指示を出した。

群れの退治というからにはもっと大量にいるものだと思っていたが、これは長期戦になりそうだ。


「了解。」と俺達三人は返事をし、群れを見つけるため平原を歩き出した。

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