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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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紙の鳥

パーティvs魔王軍はというと、シャロンが前に出て杖を構える。

「頭きた!この叡智のアルバトロス、大魔導師シャロンに任せて!!」

するときしめんの部下が笑った。

「ぷっ!アルバトロスの意味も知らずに!」

「な、何?何なの?」

シャロンが止まる。

「アルバトロスってのはアホウドリの事だよ!」

「知らずに名乗るとか笑うわ!」

ゲラゲラと大きな口を開けて指を指されて笑われ、さすがのシャロンも白目を向いてショックを受ける。

「・・・アホウドリ?叡智の・・・アホウドリ?」

呟くシャロンにキャメリアが「叡智とアホなんてとんだ皮肉ね」と言うとシャロンが泣きながら叫んだ。

「ピエロじゃん!!こんなの!!とんだピエロだよーーー!!!」

シャロンの悲痛の叫びが3人の裏の組織にまで聞こえていた。

「ピエロ!?」

「ピエロ!?」

「・・・!?」

思わぬシャロンの叫びが裏組織の3人を引き寄せる。

「ピエロさん!どういう脈略か聞いてなかったけど、あんたの名前が叫ばれてる!!」

「ランブル!何の話してたのかわからんが、ピエロと叫ばれてる!!biancoの幹部が一枚噛んでるのかもしれない!!」

それぞれ連絡を取る右腕達と、パーティ達の様子を見るプルチネッラ。

相変わらず隊員が大笑いする中、シャロンが地面に座り込んで大泣きするのをキャメリアが慰める。

「まあ、お前達は魔王軍からこんなん貼られてるけど、どちらかというと白なんだよ!!」

「白よね、白!」

「クスクス!ピエロ!!」

「ピエロだ!」

他の隊員も続いて嘲笑う。

「なんか知らんが魔王軍がbiancoの白とピエロを連呼してる!!」

「やっぱりbiancoが絡んでたのかもしれん!!」

「・・・」

4人と魔王軍に完全に翻弄される闇組織達。

ベットの電話の向こうからは兄弟の泣き声が聞こえる。

「うえーん!アニキぃぃ!アニキはどこ?」

「アニキに会いたい〜!クラインじゃ役に立たねーよー!!」

「誰が役立たずだ!!別にベットでもコーヒーメイカーは直せないからな!!」

思わず電話を切った。

ピエロ本人も部下からの報告で困惑する。

「どういう事だ!?魔王軍は俺らが潜伏してる事に気付いているとでもいうのか!?でもなんで俺単体の名指しなんだ!?」

「わからん!しかも賞金首のガキが叫んでたし、さっぱりだ!!」

ピエロが唇を噛んで考える。

「うぅ・・・罠かもしれん。俺らを誘き寄せるための・・・。迂闊うかつに動くな!」

「了解!!」

マセドアンも電話を切った。


アスタが刀に手をかけるが、ホルダーごとチョコに渡した。

「俺よりお前のが武器の扱いにけてる!あいつら倒していたちごっこを終わらせよう!俺のを使え!」

「ありがとう!」

受け取ろうとチョコが刀に触れた瞬間に電撃が走って落としてしまった。

「痛っ!!」

「おい!!何してんだ!?」

「ご、ごめん!!すぐ拾うよ!!」

また触れようとしたら刀が拒否するかの様に電撃が走る。

「おま・・・チョコ・・・」

「な、何で?」

たじろぐチョコにアスタが怒った。

「静電気にやられてる場合か!!」

「違うよ!!」

「じゃあ何だ!?俺の受け継がれし一族の刀が使えないってのか?」

「そんなの言ってないだろ!!」

魔王軍が呆れるが、プルチネッラは反応した。

「1人は大泣き、1人は慰めて、2人は喧嘩・・・」

「見てられないわね」

「哀れな奴らめ!」

「とっととこいつらやっつけて、ピエロにとどめを刺してやろうか!」

それをマセドアンが陰から聞く。

「ピエロさんにとどめだと!?魔王軍が動くか?・・・しかし距離があるから聞き取りずらいな」

シャロンが泣き叫ぶ。

「うわぁーーーん!!葵さんに言ってやるんだから!!きしめんとパルフェがいじめたって!!ピエロを!!」

ベットが理解に苦しみ、また顔をしかめる。

「葵って四天王のか?葵に何をチクるつもりだ!あのチビ共!!」

するとついにシャロンが癇癪かんしゃくを起こした。

「酷い酷い酷い酷い!!シャロンのことアホウドリなんて!叡智のアルバトロスなんてかっこいいから喜んだのに!!シャロンをピエロにしたぁー!!」

「ん?シャロンをピエロに?」とようやく3人が気付く。

アスタがすかさず魔王軍に反論する。

「よくもうちの魔導師を癇癪ピエロにしてくれたな!!許さんぞ!!」

「そーだそーだ!」

チョコも便乗する。

「なんだ・・・あのチビの事かよ」とマセドアンが壁にもたれてため息を吐く。

「ピエロにされた仲間の仇、私が取ってやる!!」

キャメリアが張子に手を触れると、魔王軍も構える。

「ふん!来るなら来い!!」

すると空から羽ばたきながら紙で作られた筒状の鳥のようなものが大量に飛んできた。

それが魔王軍の持つポスターに止まるとポスターを食べ始める。

「うわ!」

慌てて捨てると今度はアスタの持つポスターを別の鳥が食べる。

「やめろ!食うな!!うわ!!」

見ると街中の空から紙の鳥達が飛来してポスターを食べていた。

「あれは!!」

ベットが目を丸くする。

マセドアンも何かに気づき、ポスターを畳んで内ポケットにしまった。

「すぐにパルフェ様ときしめん様に報告を!!」

「ふん!命拾いしたな!!」

去る魔王軍に嫌そうな顔をするアスタの隣でシャロンが舌を出す。

「あーあ、意味はさて置き、かっこよかったから記念に持ってたかったけどなー」

「仕方ないわよ」

「シャロンはいらない」

パーティがそのまま去ろうとするので、チョコが聞く。

「ね、ねえ!あの鳥達はいいの?」

上空を飛び交う紙の鳥達を見上げる。

「まー、誰かの魔法とか妖精じゃない?」

「助けてもらったし、ラッキーでいいわよ」

「メリリーシャのアルバトロス・・・」

シャロンのつぶやきで3人が笑った。

「それお前だろ!」

「もー!違うもん!!」

「行くわよー!」

チョコはもう一度空を舞う紙の鳥達を見上げたが、パーティの後についていった。

建物の屋上ではプルチネッラが鳥を手に止まらせた。

筒に指を突っ込んで1枚引っ張るとアスタのポスターが出てきた。

そして折り畳んでポケットにしまう。

用が済んだ紙の鳥達は各自で燃えて消えた。

ベットは路地で灰になる鳥を見ていたらランブルから電話がかかってきた。

「ランブル、やっぱり奴も来てたよ・・・」

ベットは電話で話しながら路地に消えた。


魔王軍ではパルフェときしめんから報告を受けていた。

「へえ、紙の鳥ね・・・」

「はい、報告通りではそれが食べ尽くしたあと、燃えたと」

「誰かの召喚した妖精や霊獣かもしれません。突き止めましょうか?」

「いや、深追いしなくていいわ。誰だかわかってるからね」

「わかるんですか?」

驚くきしめんに答える。

「ええ。こんな芸術的な事をするのはあの人くらいだもの」

きしめんとパルフェは黙って魔王を見ていたが、2人共何か言葉に言い表せない一抹の不安を感じていた。

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