刺客
パーティとチョコは朝から葵を怒らせていた。
「ハァ・・・ハァ・・・ここまで来れば・・・」
「まけたかな?」
アスタが息を切らして言うと、チョコが振り返って確認する。
「来てないっぽいよ!」
「やっと逃げ切れたわね!」
「よかった!!」
シャロンとキャメリアが喜んで言う。
「誰から、逃げ切れたって?」
目の前の陰から殺気に満ちた葵が出てきた。
それはさながらホラー映画のワンシーンであるかのような葵の登場に4人の顔が蒼白になる。
次の瞬間、全員が保身に走った。
「違うんだって!!あれはシャロンが言い出したことで!」
「今日のはキャメリアが提案したんだよ!!」
「何よ!!私だけのせいじゃないわよ!チョコのノーティーエッグズも使ってたわよ!!」
「アスタが首謀者だよ!!僕はやれって言われたからやっただけなんだ!!」
4人はサーベルを向けられ怯える中、容赦なく電撃を食らった。
「これは今日イナリに手を出した分!!」
なんと性懲りもなく葵の部下であるイナリをいびり倒し、わざわざホテルに訪れて泣きつく本人から話を聞き事に至ったのだ。
断末魔が微かに路地に残る中、葵の足元には焦げた4人が転がる。
しかしさらに攻撃は続く。
「これは幻のペンダント分!!これは潜入捜査のシャロンの分!!これはシャルロット様の接待分!!これはぁ!!!」と断続的にこれまでの憂さ晴らしでもするかのようにサーベルを振って無慈悲に雷を出す。
正直大人気ないオーバーキルである。
次第に4人の断末魔は消えた。
「ふぅ・・・朝の運動としては丁度良かったよ。これに懲りたら二度と俺の可愛い部下に手を出すなよ」
「ずびばぜんでじだ・・・」
葵がサーベルを鞘に納めるとケータイが鳴った。
「ん?招集か」
葵がその場を去るのをきしめんが見ていた。
「あれは・・・葵?」
葵が出てきた場所を覗くと焦げたいつもの4人が転がっている。
「またこいつらか。葵もこんな奴ら切ればいいのに。情報収集なんて別の奴らでやったり、なんなら部下でもできるだろ」
呆れていると、きしめんもケータイが鳴った。
「呼び出しか。・・・俺も今までの事で少しこらしめてやろうかと思ってたが、見逃してやるよ。何より葵が絞った後だし」
きしめんもその場を去った。
それから少しして、アスタが起き上がる。
「起きろ!皆!!」
「んん〜」と3人がアスタの掛け声に徐々に起きる。
「・・・は!葵さんは!?」とキャメリアが見渡すが葵はすでに居なかった。
「大丈夫だ!どっか行った!」
「えらい目に遭ったね」
「今日は特に雷多かったね」
アスタがニヤニヤと不適な笑いをする。
「それより、ここからが仕返しの時だ!葵は今ハンカチと間違えてノーティーエッグズの【ハンテンボク】を持っている!!」
「ぷぷぷ!シャロンが【見間違えスプレー】を掛けて置いといたからね!」
ノーティーエッグズ【見間違えスプレー】
2つの物に同時に吹きかけると1時間見た目が入れ替わるよ!
テストで低い点数を取った時とか、優秀な点数の子のテストと一緒にかけさせてもらうと良いよね!!
あとは勉強できる子との交渉次第だ!!
「グッジョブ!シャロン!」
シャロンにキャメリアが親指を立てる。
チョコがアスタに質問した。
「ところで、そのハンテンボクってどんな効果なの?」
「説明しよう!本体を持っている人と、花弁を持っている人の見た目が入れ替わるのだ!そして、ここに花弁が4枚!!」
「ふふふ!フルコースなんてもんじゃないわよ!魔王軍をかき乱してやるんだから!!」
「まずは・・・きしめんかパルフェだね・・・ふふ!」
キャメリアもシャロンも不敵に笑う。
「まあ、どう使うかゆっくり検討しようぜ!」
4人が話していると陰から男が出て来た。
「おい、お前ら。確か魔王軍の葵とつるんでる奴らだな?」
「ん?まあ・・・そうっちゃそうだけど・・・」
「誰?」
アスタが答え、シャロンが傾げる。
「昨日お前達が四天王葵に情報提供する様子を見た!!俺は魔王軍に恨みがある者だ!お前らを今から処刑する!!」
右手で拳を作って、左の手のひらを叩く。
「な、何で!?」
「魔王軍に関わる者は全て悪!!殺してやる!!」
あまりの迫力にパーティは逃げ出した。
「わ、わ、わー!!!」
「待て!!」
4人が逃げて走ると人にぶつかった。
「痛ててて・・・」
「あ?」
ぶつかったのは運悪くきしめんだった。
「またお前らか。折角見逃してやろうと思ったが、余程死にたいようだな!」
きしめんが拳をアスタの股の間に下ろすと地面が割れた。
「ひぇぇ!!女子になっちゃう!!」
腰を抜かすアスタを担いでチョコが走る。
きしめんも追いかけていった。
アスタ達4人は魔王軍への復讐に燃える男と、きしめんの両方から命を狙われることとなった。
絶体絶命である・・・!




