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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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逆鱗

ロザの一族がアスタ達4人に攻撃を仕掛け、最後にはリーダーのメアに幻覚をかけられ、魔王軍四天王のきしめんと葵の首を取って来るように命令をされていた。

しかし、お互いを殴ることで正気に戻ったアスタ達はロザの少年たちに復讐を試みることに。


アスタ、キャメリアが昼休みで弁当を食べようとしていたきしめんの隙を見て、ハバネロソースをふんだんにかけて怒らす。

チョコ、シャロンが葵が座ろうとした椅子の下にスライムを置いて怒らせた。

彼らにかかれば、その2人を怒らせることなど赤子の手を捻るが如しだった。

そして反撃されることも同じく赤子の手を捻るが如しなのである。

4人は必死で逃げ回り、なんとか少年達がいた廃墟までやって来た。

その頃には酸欠でふらふらしてまるで幻覚を見てるかのようだった。

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・メ、メアさまぁ〜ご所望通り連れて参りましたぁ〜」

「なんだよ?どこにも生首がないじゃないか!!」

すると4人の背後から禍々(まがまが)しい殺気が漂ってくる。

轟音ごおうおんと共に扉が蹴破られた。

アスタたち4人は素早く少年たちの背後に隠れる。

「おい!コラッ!!」

「こっち来るな!!」

ズシンと重い足音が近づき、本人含めてこれ以上に怒りを露わにした人を見た事ない、怒り狂った鬼神か悪魔とも見間違うような表情のきしめんと葵が現れた。

「出て来い、クソガキどもぉぉぉ!!」

「おい、そこのクソガキらを寄越せぇぇぇ!!」

少年たちは素早く引き渡そうとしたが、それより先にアスタたちが叫んだ。

「メア様のご所望通りきしめんと葵を連れて参りましたよぉ〜(震え声)」

「そ、そうそう!たしかメア様たち直々に生首にして生花の作品にしてやるっておっしゃってましたよねぇ〜?(震え声)」

「わ、わ〜い!た、楽しみだなぁ〜(震え声)」

「僕たちメア様の能力で操られてるから言われた通りしただけだもんなぁ〜(震え声)」

メアがアスタをゲンコツで殴りつける。

「嘘つけ!!絶対能力解けてるだろ!!」

きしめんと葵が一歩ずつ前に出る。

「ほぉ?・・・ガキがガキにお使いで?」

「俺たちを剣山にするってか?」

あまりの威圧に「ひぃぃ!!」と悲鳴を漏らす。

メアは勇気を振り縛って前に一歩踏ん張った。

「み、みんな!荊姫さまの仇が向こうから来てくれた!!今こそ敵討ちの時だ!!」

その言葉に勇気づけられた他の4人の少年たちも踏ん張る。

「そうだね。ここで仕返しをしなきゃ!!」

「荊姫さまが見てくれている!!」

「僕らの与えられた能力なら倒せる!!」

「必ず取ろう!四天王の首!!」

メアが先制を打って幻覚を見せる花びらを舞わせたが、葵の目にも止まらぬ剣捌きでみじん切りにされた。

「僕に任せて!!」と涙目のメアの前に出たのはピンピ。

ピンピは手を前に突き出し、死角からイバラのトゲをきしめんの影に刺して相手を拘束した。

「ふん!これで動けないだろ!!いくら四天王とは言え、動きを封じれば・・・」

途中で言葉を失うのも無理はない。

きしめんは炎を纏い影縛りのトゲを焼き切ったのだ。

灰となって崩れるトゲとともにピンピも膝から崩れ落ちる。

「イヴ!ガートルード!!一斉攻撃だ!!」

スプライがきしめんの背後から大きなトゲを出して突き刺そうとし、イヴ、ガートルードが手に持つ針やナイフで刺そうと正面から突進したが、背後のトゲは避けられた上に掴み燃やされ、正面の2人は言わずもがな葵に瞬殺された。

「なんだ、お前ら?荊姫の残党か?」

「茶番だ。あの4人ごと一気に潰すぞ」

そしてメリリーシャの郊外では爆発音が鳴り響いた。

荊姫の残党である少年たちの住処は一瞬で全壊し、薔薇たちは灰になって宙に舞った。


跡地に残った丸コゲの少年たちとアスタたちは瓦礫から這い上がってきた。

「ゲホッ・・・ほんっと、いつもいつも容赦の無い・・・」

「子ども相手に大人気なさすぎよ・・・」

アスタとキャメリアがぶつくさと文句を言う。

メアやピンピも早く這い上がったのでみんなで残りの人を救出してあげた。

すっかり何も無くなった跡地を見て少年たちは言葉を失った。

「あー、ちょっとやりすぎたな」

「みんなで手伝ってあげましょう・・・」

アスタたちが声をかけようとしたら、少年たちの目から涙が溢れてきた。

「ここ・・・荊姫さまとの思い出がたくさんあるんだ・・・」

「みんなでよくお茶をした・・・」

アスタたちがお互いを見る。

「でもここじゃあもう住めなさそうだよな・・・」

「ねぇ、何とかならないか考えてあげようよ!!」

シャロンの提案にチョコが頷く。

「そうだね・・・。さすがに気の毒すぎるしね」

4人は話し合った結果、キャメリアが妖精のステファニアの能力を使って薔薇の修復を、あとの3人は知人を伝って修復の方法を探すことにした。

ホテルにもあすなろ荘にも教会にもビストートのレストラン、サンスベリアにも望ましい答えはなかった。

「結局、ロマに頼るしかねーか」

3人が大使館のドアを叩く。

出てきたパトロックに「なんかコゲてない?」と驚かれつつも3人は茶の間に通された。

そこでロマに一部始終を話し、建物の復元をできないか聞いてみた。

「何それ!その話本気?本当に荊姫の花園ってあるんだ!!しかもそこに誰か住んでたの!?」

「うん・・・全部過去形なんだけどね。花園だったし、建物も無くなっちゃったし・・・」

「その建物をね、どうしても直してあげたいの!何か良い方法ないかな?」

チョコとシャロンが言うと、腕を組んでかなり悩んだ。

「レンガとガラスの天井なんだよね?」

「そう!結構きしめんと葵にめちゃくちゃやられてコゲまくりなんだけどな」

「う〜ん」とうなりながら大きな”ノーティーエッグズ大辞典”と書かれた辞書を引っ張り出した。

ページをパラパラとめくり、メモを書く。

「たぶん、これが揃えば完璧には戻らないけど近い状態にはなると思う!」

「わかった!!」と声を揃えた3人は意気込んで飛び出した。

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