教訓
葵ときしめんに攫われ、妖精の幻のペンダントを出せと言われたアスタ。
しかしすでに見えなくなっていたアスタは空気を渡すことに成功。
さらには巧妙な(?)話術できしめんの動揺を誘い出し疑心暗鬼にさせ、葵と戦わせている間にチョコがアスタを見つけ出し、手足のロープを切ってもらい逃亡した。
2人がシャロンとキャメリアと合流する。
「アスタ!どこ行ってたの?」
「突然いなくなるからびっくりしたわよ!」
「おぉ、ちょっと四天王2人に拉致られてたんだよ」
女子2人が驚く。
「何で!?」
「どういうこと!?」
「でもさっき見た時は四天王2人が戦ってたよ?仲間割れ?」
「色々あったんだよ。それより、ペンダントあいつらにあげたけどいいだろ?」
皆がお互いを見合わし、頷く。
「いいよ!」
「私達には必要無いわよ!」
「あんなの無くても大丈夫だもんね!」
そしてみんな1つのことを思った。
『だって全然見えなくなったし!』
4人はワイワイと去っていった。
葵ときしめんは一通り暴れきり、肩で息をしながら互いに向き合っていた。
「ハア・・・ハア・・・。別に争わなくとも・・・魔王様は正しく公平に評価を下さる方だろ!」
「そうだった・・・。それに、いつの間にかあいつもいないし・・・完全に踊らされた・・・」
『きしめんって強いのにこういう単細胞なところが玉にキズだよな・・・』
見えない石のブラフに気付ける賢い葵は、同僚に呆れながらも絶対に口にはしない。
そして2人が立ち上がり気づく。
「おい、葵ペンダント持ってるか?」
「いや、俺は持ってないよ。だってアスタから受取ったのはお前だろ?」
2人がしばらく静止してから焦りだす。
『や、やべぇぇぇえええ!!見えないペンダント失くした!!』
『こいつ、無いペンダントを失くしやがったな!』
2人でその辺を漁りだす。
しばらく探してチラリときしめんを見た。
『ペンダントは存在しないなんて、俺の言葉は聞く耳持たなそうだし、今はとりあえずそれっぽいのを渡すふりをしよう』
葵が空気を掴む。
『俺の勘よ冴えろぉぉおお!!』
きしめんもまた同じく空気を掴んだ。
『これだ!!』
そしてお互い振り返り、大きく手を突き上げる。
「「あった!!(たぶん!)」」
2人の時が止まった。
そして同時に思う。
『何!?あいつも拾ったのか!?タイミングをミスったか!!』
「へ、へぇ〜、あったんだ」
葵が手を後ろに隠す。
「あ、いや。・・・ただのゴミだったよ。葵のが本物だろうな」
そう言ってきしめんが空気を捨てる。
「いや、俺も勘違いだったよ・・・」
そして葵が気を利かせて足元を指した。
「それ、きしめんの足元のやつじゃないか?」
言われて足元を見る。
「お、おお!あったあった!俺体デカイから見えなかったよ。灯台下暗しってやつだな」
こうして2人は魔王に空気を献上することとなった。
魔王はメリリーシャ郊外の基地でやっと揃ったそうめんとパルフェと話をしていた。
「2人ともいつもご苦労様。メリリーシャに来てからの活躍が一層目覚ましくてみんなのことがとても誇らしいわ。・・・そういえば、裸の王様って童話を知ってる?これに似た話が今、巷でもあるの」
片頬に頬杖を付いて話しを続ける。
「メリリーシャ郊外の妖精がいたずら好きでね、何の副作用も無く妖精の力を倍増させるという幻のペンダントを渡すんだけど、その際に“愚か者には見えない魔法がかかっている”と言って渡すらしいの。実際は数分で見えなくなるただのいたずら道具らしいけど」
魔王が鼻で笑う。
「フッ。利益だけの物なんてあるはず無いのにね」
「そんなのに引っかかる馬鹿本当にいるんですか?」
女子2人がクスクスと笑う。
「裸の王様の教訓は近くにハッキリと物を言えて信頼できる人が必要だとか色々言われているけど、私は他にもあると思うの」
その言葉を受けてそうめんが魔王に質問をする。
「では、魔王様は何だとお考えなのです?」
「それはね・・・」
言いかけた時、急に扉が勢いよく開いた。
「魔王様!俺達やりましたよ!妖精の幻のペンダントを手に入れました!愚か者には見えないそうです!!」
はりきって手の平の空気を見せつけるきしめんに動揺する女子四天王達。
近くでは葵が気まずそうに魔王の方を見ていた。
『魔王様、どうかお願いします。貴女の口から真実を告げ、このバカの目を覚まさせてやって下さい!!』
魔王もはりきるきしめんと、気まずそうな葵を見比べる。
「そ、そう・・・。よく頑張ったわね、きしめん・・・・・と葵・・・」
『や、優しい!何故こんなところでいらん優しさを出すのです!?』
驚愕する葵に「やったな、葵!」ときしめんもご満悦。
肩を掴まれるがますます気まずそうにする。
「え?・・・う、うん」
結局、教訓とは人によって異なると後に魔王様は語って下さいました。パルフェ談




