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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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妖精の幻のペンダント

ある日、パーティとチョコの4人が昼過ぎにメリリーシャの郊外を散策していた。

閑静な森林を少し進むと子どもが2人いた。

「初めまして!」

「ようこそ!」

挨拶をされた4人が少し驚く。

「妖精のプラムだよ!」

「同じく妖精のアプリコット!」

アスタが感心して2人の妖精を見る。

「へぇ、妖精なんだ!」

「シャロン達も妖精の力を借りて魔法を使うけど、その妖精達は姿が見えないよ?」

「そうだね。どうして2人は見えるの?」

シャロンに続いてチョコが質問した。

「プラム達は人に力を貸す妖精じゃなくて、土地を守る妖精なんだ!だから少し種類が違うの!」

「ところで、君たち何処から来たの?」

「そこのメリリーシャだよ!」

アプリコットの質問にアスタが指差して答える。

「うーん、でもあそことは違う土地の匂いがする」

「生まれはどこ?」

「俺らはチョコ以外東の大陸から来たんだ!」

「僕は孤児だから生まれはわからないけど、育ったのはメリリーシャだよ!」

アスタの後にチョコも自分のことを話した。

「それにしてもここ静かでいいわね!落ち着くわ!」

「そうだね!森の良い匂い!」

キャメリアが周囲を見渡し、シャロンが深呼吸をした。

妖精達が4人の様子を見てひそひそと話す。

「この子達アホっぽいよね!」

「クククッ!じゃあ、アレをあげよっか!」

妖精達がまた4人に振り返る。

「ねえねえ!知ってる?」

「妖精のペンダント!」

「え?何それ?」

首を横に振る4人に妖精がポケットから綺麗な石のペンダントを出した。

「これ!幻のペンダント!」

「これがあると魔力の増長だけじゃなく、消費も軽減することができるんだ!」

アスタが受け取る。

「ス、スゲー!」

「綺麗!!」

妖精達がクスクスと笑う。

「そうでしょ!綺麗でしょ!!」

「実はね、これ悪用されないように愚か者には見えない魔法がかかっているんだ!」

その話を聞いて4人は納得したように頷く。

「へー!そうなんだ!」

「確かに効果的に悪用されたら大変だもんね!」

2人の妖精がペンダントに手を向ける。

「それあげるよ!友達の証!」

「大事にしてね!」

「え、いいの!?」

「勿論!」と2人がアスタに頷く。

大切にケースに入れてからカバンにしまう。

「なんか色々ありがとな!」

「そろそろご飯の時間だし、僕達行くね!」

「また来るわね!」

「バイバイ!妖精さん達!」

妖精達は手を振って見送った。

パーティの姿が見えなくなった後、2人でクスクス笑う。

「幻のペンダントなんて無いのにね!」

「あと5分でさっきのペンダントが消えるね!」


4人はメリリーシャの街に戻った。

「ねえ、アスタ!幻の妖精のペンダントもう一度見せてよ!」

「ん?あぁ、いいよ!」

シャロンに言われてアスタがカバンからペンダントを入れたケースを取り出し、開けた・・・が、ペンダントは無かった。

アスタが震える。

『な、無い!どっかで落としたか!?いや、ちゃんとケースに入れてたし・・・。ということは俺はこの数分間で愚か者になってしまったというのか!?』

「どうしたの、アスタ?」と冷や汗を垂らすアスタにシャロンが再び聞く。

「まさか失くしたの!?」

キャメリアに聞かれて慌てて弁明する。

「まままま、まさか!そんなわけ無いだろ?ちゃんとケースに入れてたんだから失くすわけないだろ!ほら、ここにあるよ!!」

アスタが空気を掴んでみんなに見せた。

その途端に3人が戸惑う。

『嘘・・・どうしよ』

『み、見えない!』

『僕は愚か者になってしまったというのか!?』

この重い空気の中チョコが発言する。

「ちゃ、ちゃんとあったね!僕には見えるよ、アスタ!」『見えてるはず!見えてるはず!!』

悲しきかな、時に人は願望を口にするものである。

チョコの願望の言葉を聞いたキャメリアとシャロンも慌てて続く。

「あ・・・うん。あるわね!」

「そ、そうだね!綺麗!」

「だろ?だから大丈夫だって!」

アスタは再び空気をケースに戻した。

4人が去った後、陰から葵ときしめんが出てきた。

「聞いたか葵?妖精の幻のペンダントだと」

「噂で聞いたことがあるが、あいつら面白い物を持っているじゃないか。それにここに来てからあいつらにやられっぱなしだし、そろそろ魔王軍として借りを返してやろう」

だが、ある懸念があった。

「しかし今はウチの部下がちょっとした・・・諸事情で出払っている」

「お、おぉ・・・奇遇だな。実は俺のところもなんだよ」

きしめんに葵も同調し、ぎこちなく笑う。

「へ、へぇ〜、珍しいこともあるもんだな!」

2人で笑い合った後、沈黙を経てから「違う!あいつらにやられたんだ!!」と大声を揃えて出し、アスタ達を睨んだ。

「よくも俺らの可愛い部下達を!!ペンダントを奪い次第拷問に掛けてやる!!本当言うとその他色々な事で全員拷問にしてやりたいがな!!」

「当事者のチョコレート・リリーも勿論ぶっ飛ばしてやりたいが、宝石が最優先だ!今日は手っ取り早く所有者のアスタを締めてやる!!」

葵が歩を進める。

「俺たちの恨みを買ったこと、後悔させてやる!!」

一番後ろを歩くアスタを葵が背中からサーベルを当てて電流を流し、気絶させた。

さすがは魔王軍幹部。

いとも簡単にアスタの拉致らちに成功した。

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