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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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アスタの戦略

魔王軍から逃亡するアスタ、チョコ、ロマの3人。

逃亡した末に辿り着いたのは廃病院だった。

やり過ごすために中に入っていったものの、チョコに発信機が付けられていて、すぐに特定されてしまった。

その時、アスタの提案でここで魔王軍を倒すことに決めたのであった。

作戦を練るために手持ちの道具を確認する。

「ロマ、ネスリングやノーティーエッグズはあとどれだけある?」

「鋼鉄こだまが1つ、ZANZOが1セット、溺愛な身代わり様が3つ・・・さっきクジで当てた増強粉が1つだけ!」

チョコがポケットを漁る。

「そういえば、僕もさっき当てた反卿なら1体あるよ!」

アスタもポケットから反卿を取り出す。

「十分だ!」

アスタは自信満々に笑った。


「ここだ!」と発信機の反応をケータイの画面で確認して言う。

「二手に分かれよう。半分は正面から、もう半分は裏口からだ!」

二手に分かれて無線で連絡を取る。

「こちら裏口、準備完了」

「よし、3秒後に突入する!3!」

「2!」

「1!」

勢いよく魔王軍がドアを破壊し、突入した。

入った瞬間に正面組の目の前をアスタが走っていく影が見えた。


ネスリング【ZANZO】

写真から映像を作るノーティーエッグズ【虚栄の虚像】の機械を半分の大きさで2つに分け、2ヵ所置いた間を指定した回数だけ映像が行き来するロマの改造したネスリング。

持ち歩きやすいように2つを組み合わせると立方体になる。


「いたぞ!」

「逃すな!!」

走っていく姿を見失ったと思ったら、物音が聞こえた。

【鋼鉄こだま】が鳴ったのだ。


ネスリング【鋼鉄こだま】

こだまを改造したロマオリジナル。

従来の音をこだまさせる機能はそのまま、とにかく硬くしたのでちょっとやそっとの衝撃では壊れない。


「そこか!!」

剣を振ると風が出て物を破壊する。

その破壊音を拾った反卿が別の音階で反響させた。

「何だ!?別の破壊音だと!?」


魔王軍の大きな攻撃音が鳴り響く。

アスタ達がトイレの窓から外を確認し、こっそりと建物を出た。

「クックックッ!」

「作戦成功!」

「撤退!撤退!」

走っていくが、ロマが引き止める。

「ちょっと待って!」

「どうしたの?」

「早く行こうよ!外の見張りに気づかれる!」

ロマが一体ずつ溺愛な身代わり様に増強粉を振りかけて渡す。

「こいつで建物ごと中の奴らを閉じ込めてやろうよ!」

「ぷぷっ!名案だね!」

「外の見張りを少人数ずつ閉じ込めるより簡単だしな!!」

3人が建物に投げつけて走り出した。


裏口組も2つの音を聞いた。

「何かを壊した音だ!」

「気をつけろ!相手の特殊能力かもしれない!」

「俺に任せろ!!」

槌を振って壁を破壊すると、また反卿が別の音階で奏でた。

正面組も裏口組もかなり警戒する中、裏口組の反卿の音を拾った反卿がまた別音階で破壊音を奏でる。

「もういい!やれ!!全員でぶっ叩け!!」

正面組の猛攻が裏口組に当たってしまった。

「うわ!」

「大丈夫か!?」

1人が倒れ、それを支える。

「よくもやってくれたな!!」

「全員で攻撃だ!!」

裏口組の総攻撃も始まった。

魔王軍は視界の悪い中、仲間を互いに攻撃しあっていたのだ。

「ぐっ!!・・・あいつら、さっきから色々な攻撃がひっきりなしだ!!」

「一体どんな能力してやがるんだ!?たった3人だろ!!」

「負けるな!怯まずに攻撃を続けろ!!」

正面組が鼓舞こぶし合う。

「相手の能力に屈するな!!」

「俺たちのが人数が多いし、これだけの攻撃だ!いつか必ず力尽きるはずだ!!」

裏口組も鼓舞する。

この総攻撃の間に2体の反卿は潰れた。

お互いの猛攻に外の見張り員も中の様子が気になり、扉に近寄る。

その隙にアスタ達は退散していったのであった。

しばらくすると、巨大な3つの頭に1つの体の溺愛な身代わり様が建物を見張りごと閉じ込めた。

離れた場所からその様子を見ていたアスタ達3人。

「わぉ・・・」

「地獄の番犬ケルベロスならぬ、番人身代わり様だな」

ロマは口笛を吹いた。


一方、周りを溺愛な身代わり様に囲われた頃、ようやく攻撃が収まった魔王軍の現場は地獄絵図だった。

「大丈夫か!?」

閉じ込められた見張りが駆けつけると、全員満身創痍だった。

駆け寄り介抱していると、アスタのZANZOが走り抜けていった。

「あいつが・・・1人でこの人数を?」

裏口組の前にも最後のアスタのZANZOが通り抜けたのが見えた。

「なんて奴だ・・・確か前にもきしめんさんが“得体の知れない能力を持つチビ”と称してはいたが・・・」

アスタのイメージが魔王軍の中で恐怖の対象として深まったのであった。

見張り役の2人が話し合う。

「どうする?閉じ込められたけど・・・」

「とりあえず、脱出方法を探そう。葵様やきしめんさんに連絡すると心配させてしまう。何より、昨日の荊姫との戦いで疲れてるし、数少ないオフの日なんだ。ゆっくりしてもらおう」

すると、裏口組から「うわぁ!!」と大声が響き渡った。

「どうした!?」

駆けつけると、仲間が恐る恐る指を差す。

近寄り、看板の文字を見て驚いた。

「けっ!けっ!!結核病棟だと!?」

その途端、意識のある見張り役が全員慌てふためきだした。

「うわぁー!!結核菌!!うつるんじゃ!?」

「破壊しよう!早く出ないと!」

「ダメだ!!中からの攻撃じゃこいつは壊れない!!」

「早く!早くきしめんさんと葵様に救助要請を!!」

パニックになりながらきしめんと葵に救助要請を出した。

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