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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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私利私欲

葵の部下が見つけた白い鐘をシャロンの名(迷?)演技によって貰うことができたものの、その直後に元盗賊団に奪われてしまった!

「泥棒ー!!」

「どうせ私利私欲に使うんでしょ!!」

「悪党共を許すなー!!」

シャロン、キャメリア、アスタが叫んで追いかける。

パーティが去った後に「どの口が言ってんだ」と一部始終を見ていた葵が呟いた。

3人が追いかけていると、福音の祝福の日を祝う為に大道芸を披露する人や、子ども達にクッキーや飴を配る人がいる脇をすり抜けていく。

「ステファニア!!」

ステファニアにツタを伸ばさせるがナイフで切られた。

「くっ!!」と悔しそうにしていると、すかさずシャロンが魔法を使う。

「グランク!!」

最近調子が悪いシャロンが何度も杖を振って連発して魔法を繰り出していると、やっと氷が出てきて男の足元を氷で拘束した。

掴まれた1人は転けたが、落ちた鐘を別の男がすかさず拾う。

「あ!!」

「逃げられた!アスタどうする?」

キャメリアが振り返ると、アスタがどこにもいなかった。

「あれ?アスタがいない!!」

シャロンも見渡したがどこにも見つからなかった。


逃げた盗賊は振り返ってパーティをまいたのを確認する。

「よしっ!まけたな!」

すると、曲がり角からマントのフードを深く被ったお菓子のかごを持つ子どもが飛び出してぶつかり、2人共転けた。

同時にカゴから沢山の飴やチョコレートなどが落ちる。

「わ!すいません!」

「気をつけろ!!」

少年が慌てて拾っていると、男は落とした物を拾って走り去った。

シャロンとキャメリアがアスタを探しに路地へ来たら、お菓子を拾う少年がいた。

「大変!」とシャロンが手伝おうとしたら、キャメリアが「もう!そんなのいいから行くわよ!」と急かす。

「ん?」とキャメリアが気付く。

足元にはフードの下でにやけているアスタの顔があった。

そして、アスタの手にはなんと、鐘が握られている。

「アスタ!!」

「どうして鐘を持ってるの?」

「これはさっきぶつかった時に鐘の形をしたチョコレートと取り替えてやったのさ!」

そう言いながら勝ち誇ったように立ち上がった。

「大事な物を簡単にすられる様な甘ちゃんにはチョコレートがお似合いだ!!」

「すごい!アスタ!」

「あんたも悪党ね!」

「さっさと退散しようぜ!」と3人がその場を去った。


一方、子分は手に入れた物をリーダーに見せに行く。

「見てくれリーダー!鐘を手に入れてきた!!」

「よくやった!!これで魔王軍にやり返せるぞ!!」

近寄って確認すると子分の手には鐘の形をしたホワイトチョコレートが握られていた。

「おい、誰がチョコレートを取ってこいって言った?」

「あっれぇ!?確かにさっきまでは白い鐘だったんだよ!!」

頭を掻いているとお菓子のカゴを持った少年アスタとぶつかったことを思い出した。

「あ、わかった!さっきぶつかったガキだ!!」

「何?そいつを探せ!!全力で取り返すんだ!!」

そこで下っ端がとぼけたことを聞く。

「でもリーダー、片付けはいいの?」

「真面目か!!んなもん下克上した時に葵にでもさせろ!!」

「おー!!」と全員がアスタを探しに外へ出た。


パーティが走っているとシスターと出会った。

咄嗟とっさに鐘を隠す。

「やあ、シスター!」

「あら、皆さんお揃いで!」

「あれ?そろそろミサの時間じゃ・・・」

キャメリアが尋ねるとシスターは笑った。

「ふふ!今日はどこのお店や施設もお休みよ!土地の妖精の恩恵は皆の生活するエネルギーから生まれるのよ!だから皆が平等に受ける権利があるの!!」

さらにシャロンが尋ねる。

「お店休まなきゃいけないんだったら、ずっと前からこの日ってわかってるの?誰が教えてくれるの?」

「いい質問ね!」

「先生みたいね・・・」

キャメリアがシスターにつっこむ。

「私達シスターの特殊能力で、人と話せない妖精の声を聞けるの!妖精達は私達を通じて人々に声を伝えるのよ!今回の福音の祝福は一か月前に妖精から教えてもらって、街の掲示板に貼っていたの!」

「そうなんだ!」とパーティが感心する。

「ところで、シスターは何をお願いするの?」

シャロンの質問にシスターが恍惚としだす。

「そんなの決まってるわ!ウチの教会に葵様を永久に鎮座させてここを聖地にするの!!」

どこからかシスターは手錠を取り出したので、パーティが青ざめていく。

「やば!」

「本気なの!?」

「葵さんメリリーシャの地縛霊にされちゃうの?」

咳払いを一つしてキャメリアが訊ねた。

「えーと、シスター?それって小さな幸せなの?聖職者からすれば、神様がその土地だけに永住してくれるのと同じでしょ?小さくなくない?」

「ふふふ、信仰する神が側にいるという安定的な土台あっての小さな幸せよ!」

シスターが両手を広げて天を仰ぎ、目を輝かせる。

「はぁ〜・・・葵様ぁ!!今回の私のメリリーシャ滞在はこの使命の為ですわね!!」

パーティは小声で話し合った。

「これは本格的にやばいな!かなりきてるわ!」

「アスタの不老不死だって似たような言い分だったわよ!」

「とにかく、鐘は葵さんの為にも死守しよ!!」

まだ恍惚とするシスターに3人が振り返る。

「それじゃ!俺達そろそろ行くよ!」

「見つかるといいね!」

「応援してるから!!」

それだけ言い残してそそくさと去った。

シスターと別れてパーティが走っていると強面の男にぶつかった。

元盗賊団のリーダーだ。

転ける前にアスタが首根っこを掴まれてしまった。

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