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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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シャルロットの恩赦

シャルロットになりすましたシャロンが四天王3人を相手に三連続ケーキを食べさせられようとしていた。

「うぅ・・・甘い・・・しょっぱい物を食べたい・・・」

「ケーキって何個も食べるとただの作業になるんだな・・・」

「何言ってんの?私なんて3個目なのよ?」

きしめんと葵はまだ嘆く余裕があるが、最早パルフェは目が死んでいた。

「美味しい〜!!次!プリン・ア・ラ・モード!!4つ!」

「もう俺はいらない!こんなに甘い物ばかり食べてられるか!!」

きしめんに対して「ダメ!お姫様の命令!」と指差す。

しかし、きしめんも引かない。

「あのな!!お前がいくら食べようが勝手だ!!接待だから経費も落ちる!!だが!俺らに強要するな!!テロだテロ!飯テロだ!!」

「飯テロの使い方違うけど・・・まあ、テロみたいなもんか」と葵も納得する。

「むむぅ〜〜!!」

シャロンときしめんがもみ合っていると葵とパルフェも止めに入る。

「やめなさいよ!あなた達!!」

「そうだぞ!ただでさえ俺達は謎に早過ぎる再来店をしているんだ!!あまり目立つ事は避けろ!!」

2人に言われてきしめんが引こうとしたら、シャロンが引かなかった。

「やめろ!このおバカ!!」

「もう何もしてないだろ!ばーか!!」

シャロンが力一杯きしめんを押す。

「きしめんの方がバカだよ!きしめんなんかより葵さんのが頭いいもん!!」

「んだと!!こいつ!!」

きしめんを怒らせまた掴もうとしたら、きしめんの手が頭を触り、作り物のツノが折れてしまった。

「あー!」「い!?」とパルフェも葵も青ざめる。

「もー、気をつけてよね!」

「す、すまん。大丈夫なのか、ツノ?」

きしめんも真っ青な顔で聞く。

「あー、大丈夫大丈夫!生え変わりの季節だから!」

「生え変わり・・・そうなの?」

そして運ばれたプリン・ア・ラ・モードを4人で大人しく食べた。

「次はデザートだね!何にしようかなー?」

ルンルンでメニューを見るシャロンに対し、四天王達の表情は真っ暗だった。

現場はお通夜状態である。

「なんだこの疲労感は?」

「人が変わった様に駄々っ子になってからが酷いわね」

「本当にトイレ前と同じ人物なのか?」

きしめんと葵とパルフェがため息を吐く。

「シャロンはシフォンケーキとか食べたいけどー、さっききしめんがしょっぱいのって言ってたからなー!」

「ついにシャロンとか言ってるし・・・」

シャロンはつい自分の名前を言ってしまった。

「おい、今シャロンと言ったか?」

きしめんにつっこまれ、キョトンとするも、すぐに言い返す。

「ヤダなー!あだ名でしょ!シャルロットだからシャロン!!皆からはそう呼ばれてるの!可愛いでしょ?」

あまりにも堂々とした回答だったのと、疲労感も相まって「あっそ」と流された。

「すいません!アフターヌーンティーセット4つください!!」

次の注文に3人が目をひん剥く。

「アフターヌーンティーセットって?」

「この三段のやつ?今から?」

「バカなんじゃないの?」

きしめんも葵もパルフェも呆れを通り越して無の感情になっていた。

「こいつの体は小麦粉と牛乳を練ってできてるんだ。血は砂糖で溢れてる・・・」

「それただの糖尿病だ」

きしめんと葵の会話に何の感情もない。

そして運ばれるアフターヌーンティーセット4つにはアミューズのサラダが添えられている。

「みんな食べよー!ほら!きしめんが言ってたしょっぱいのあるよ!!」

「お心遣いありがとうございます・・・」

きしめんはサンドイッチに手を伸ばして食べた。


アスタ達は公園の遊具で遊んだり、アイスを食べたりしていた。

「ずっと友達とこんな事してみたかった!!今すごく楽しい!!」

「それはよかったよ!」とチョコが言うと、キャメリアがシャロンを心配する。

「シャロンは上手くしてるかしら?」

「あいつバカだからな。シャルロットみたいに品も無いし。でも押し切れるタイプなんじゃない?所詮葵達だろ?」

「それもそうね!」と3人が呑気のんきに笑う。

『四天王に臆さないどころか、この余裕・・・この者達は何なんだ!?』

ただの世間知らずである。

「おい!見つけたぞ!!」

きしめんの部下に居場所がバレてしまった。

「わ!やば!逃げるぞ!!」

走ると、目の前にも他の隊員がいて、アスタ達はあっという間に囲まれて捕まってしまった。

「おい、魔導師!お前いつも帽子なんか被ってたか?」

「か、被ってたわよ!」

きしめんの部下が帽子を取る。

「あ!やめ・・・!!」

「ん?角?」と部下達がアゴに手を当て首を傾げる。

『バレたか!?』とパーティが固唾を飲む。

「バカだから頭からツノっぽいキノコでも生えてきたんじゃねーの?」

しかし、深く考えず皆で笑われた。

さすがはきしめんの部下(脳筋)である。

シャルロットはバレなかった事にホッとしたが、そこにバイトを上がった葵の部下が合流した。

「あ!いたいた!皆!きしめんさん達大変だぞ!!」

「え?でも、こいつらここいるけど?」

パーティが指される。

「いやいや!今鬼のお姫様を四天王で接待してて・・・って、あれ?」

気付いてシャルロットを近くで観察する。

「待てよ。この人、お姫様じゃ!!」

「何言ってんだよ!こいつはいつものアホ魔導師だろ?」

観察する葵の部下に目を逸らす。

「違うよ!あいつこんなに賢そうで上品な顔立ちじゃないだろ!それにこのツノは本物だ!!さっき挨拶したからわかる!!」

きしめんの部下が驚く。

「何!?じゃあ、あの魔導師は?」

「さっき何故か俺の潜入してる店に2回目の来店をしていた!!あそこにいたのがシャロンだ!!」

「まずい!バレた!!」とアスタ達が焦る。

「シャロン、同じ店行っちゃったのね・・・」

キャメリアがシャロンの愚行にため息を吐く。

アスタ達は首根っこを掴まれた。

「お前らの事をバラしてきしめんさんに突き出してやる!!」

「それだけはやめて!!」

アスタが懇願するが、そうはいかない。

そのままパーティは引っ張られていった。


きしめんがサンドイッチを口に運んだ時、シャロンもサンドイッチから食べたのにパルフェが気付く。

「あら?シャルロット様、何故サンドイッチからお召しになるの?」

「え?だって、甘いの続いたから・・・」

「何かあるのか?」ときしめんが尋ねる。

「アフターヌーンティーセットは下から食べるのがマナーよ。従って、このセットならアミューズから!お姫様なのにそれを知らないって事は、食べ慣れてない。あなた偽者ね!」

シャロンの手が止まる。

「何?まさか、本当にパーティのシャロンか?」

きしめんに睨まれ、目線を逸らす。

それから、一気に半分くらい口に詰め込み一度チラ見をして、再び食べる。

「じゃっ!」と言って逃げようとしたら「逃がすか!!」と腕を伸ばすきしめんをすり抜ける。

しかし、葵に足を引っ掛けられて転けた。

「んんー!!」

きしめんがシャロンの首根っこを捕まえて店を出た。

シャロンはぶら下がり泣きながらもまだ手に持つクッキーを食べていた。

店の外にはパーティを引っ張ってきた部下達がいた。

「きしめんさん!!」

「お前ら!!」

部下達が自慢気にパーティを差し出す。

「さっきこいつから皆さんがシャロンに困らされていたと聞いたので急いできました!!」

「葵様!大丈夫ですか?」

葵が苦笑いしながら答える。

「大丈夫か大丈夫じゃないかで言うと、ダメージはデカ目だが、皆のお陰で助かったよ!」

きしめんもシャロンの首根っこを持ったまま「そうだな。ありがとな!」と礼を言う。

「えーん!葵さんのバカ!アホー!アフターヌーンティーセット食べ損ねたー!!」

「お前な、あんだけ食べてまだ食べ損ねたとか言うか?」と葵が呆れる。

「こいつらどうしますか?」

「勿論、今までのも含めて処刑してやる!!」

きしめんに睨まれてシャロンが縮こまる。

「待って、私が彼らにお願いしたの!どうしても友達がほしくて・・・」

その言葉にパルフェが気付いた。

「もしかして、私達を見てたのも・・・」

「そうだ。私は姫だから、誰も対等に扱ってくれない。友達や仲間なんてできた事がなかった。魔王軍も、アスタ達もすごく羨ましかった!」

必死に訴えるシャルロットを皆が見る。

「今日、この者達と過ごせた事、とても楽しかった!!勿論、四天王達もだ!父には私から良い報告をしておく!だからその者らを許してやってくれんか?」

四天王3人が目を合わす。

「わかりました。貴女が言うのであれば、今日のところはアスタ達を許しましょう」

パルフェが縄を解きながら「ほら、シャルロット様に感謝しなさい」と言う。

「ありがとう!シャルロット!!」

「いや、礼を言うのは私の方だ!皆と友達になれて楽しかった!!」

シャルロットはパルフェと共に帰っていった。

「さ、俺達も解散するか」とアスタらが帰ろうとしたら、きしめんに頭を鷲掴みにされた。

「おい、どこ行くつもりだ?」

アスタは嫌な汗を滝の様にかいてから、振り向く。

「あれ?シャルロット様に免じて許す流れは?」

「ああ、シャルロット様に免じて今日のシャロンの暴挙は許そう。だが、お前らの今までも許した覚えはない!!」

アスタ達4人は再度ロープに繋がれて、市中引きずり回しの刑にされた。

ボロ雑巾のようになった4人を葵は「どぶネズミ共が!!」と吐き捨てゴミ捨て場に放置した。

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