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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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なりすまし

魔王軍の隊員たちからパーティとチョコが逃げている時にシャロンがぶつかって転けたのは、なんとシャロンにそっくりな鬼の一族の姫、シャルロットだった。

「本当だ!シャロンそっくり!」

「でもウチの方が頭悪そう・・・」

「失礼な!!」とアスタにシャロンが怒る。

シャルロットはシャロンにしがみ付いた。

「私は鬼の一族の姫、シャルロットだ!どうか頼みを聞いて欲しい!!」

「え?え?お姫様?」とシャロンが困惑する。

「私は今一族の為に魔王軍との友好関係を結ぶ役割を父より仰せつかった!・・・だが、街の人を見ていると皆友達や仲間がいて、楽しそうに街を歩いている。魔王軍の皆も・・・」

シャルロットの声が弱々しくなる。

「私は羨ましくなったんだ。友達が欲しい。友達や仲間と遊んでみたい・・・」

「なるほどね。魔王軍って誰といたの?こういうのが得意そうなのは葵さんの部隊のような気がするけど・・・」

キャメリアが聞く。

「四天王の葵、きしめん、パルフェだ」

「あー・・・はぁ!?」

アスタが聞いて驚いてから、すぐに手を挙げる。

「審議タイム!!」

「え?・・・うん」と戸惑うシャルロットを他所に4人が肩を組んで集まる。

「四天王達で接待されてるというこの子は間違いなく大物だ!この大チャンスを逃すな!!」

「鬼の一族って聞いた事あるよ!たしか世界中にいるって!」

チョコの情報にアスタの目が光る。

その様子を心配そうにシャルロットが見ていた。

『やはり、魔王軍や四天王というので怯えているのだろうか?私なんかと友達になってくれるわけがないか・・・』

「何!本当か!?・・・幸い、あのシャルロットはシャロンそっくり!」

「じゃあシャロンが成りすませばいいんだね!」

「察しがいいわね!シャロン!」

キャメリアに褒められ照れるシャロン。

「それに、(何度目かの)リトルの復讐もさせてもらおうぜ!!」

アスタは口角を上げて怪しく笑った。

そして皆で振り返る。

「シャルロット!今からシャロンと入れ替わり、俺らと遊ぼう!!」

返ってきた予想外な言葉を聞き、シャルロットの目が輝く。

「え?いいの!?」

「ああ!お姫様は皆友達さ!!」

アスタが片目を閉じて親指を立てて見せるが、「それ意味わからないよ」とチョコにつっこまれたが気にしない。

「じゃあ早速・・・チェンジ!!」

シャロンとシャルロットは服を変えた。

シャロンは角のついたカチューシャをし、シャルロットは逆に帽子を被って角を隠した。

「あれ?なんか角が無くなった?」

シャルロットが帽子越しに頭を触る。

「それは魔導師の帽子で、物をしまえるのさ!」

アスタが得意気なシャロンを向く。

「シャロン!四天王の扱い方はわかるな?」

「勿論!贅の沢なおもてなしをさせてくる!!」

シャルロットを加えた5人で円陣を組んで大声を出す。

「シャルロットは俺達と遊ぶ!シャロンは四天王から接待を受ける!皆幸せ!!」

「おー!!」と呆気にとられるシャルロット以外が叫んだ。

シャロンが「行ってくるー!」と飛び出す。

「シャロン!四天王達がいるのは反対だ!!」

シャルロットに言われ、きびすを返してまた走る。

「こっちか!!・・・シャロンは女優・・・シャロンは女優・・・」

疾風の如くシャロンが去った後、キャメリア達が浮かれる。

「ねーねー!どこ行くー?」

「え、えぇーと・・・」

シャルロットは嬉しそうに照れながら初めての友達との会話を楽しんだ。


その頃、葵はシャルロットがいなくなった事にようやく気づき始めた。

「遅いな・・・何かあったんじゃ?」

「シャルロット様?」と声をかけたが反応が無い。

トイレに入って行くと誰もいなかった。

上の小窓を見る。

「ここから抜け出したか?誘拐の可能性もある。早く皆に知らせて探さなければ!!」

葵が戻るときしめんがハートの耳にハートの目の全身ハート柄でショッキングピンクのクマのぬいぐるみを持ったパルフェと共に待っていた。

「こんなんが欲しいのか、最近の少女は」

「知らないわよ。少女じゃないし」

そこに合流する。

「きしめん!パルフェ!!シャルロット様が消えた!」

2人が目を丸くする。

「どういう事!?」

「トイレに行きたいと言うので行かせたら、いなくなっていた!!」

きしめんが「まさか・・・誘拐か?」と聞く。

「可能性はある。すまん。油断した!!」

葵が頭を下げるときしめんが肩を叩く。

「起きた事は仕方ない。それに男のお前は女性用トイレには入れないからな。守りようもないさ」

『さっき入った・・・。不可抗力だからセーフだよな?』と冷や汗を垂らす。

「そう!確認もできなかったし、入る前にお腹が痛いとかも言っていた!」

「腹痛?・・・それなら、もしかしたら誘拐じゃ無くて、1人かもしれないわね」

パルフェが冷静に言う。

「俺達から逃げたって事か?何故?」

「それはわからないけど・・・もしかしたら私達が露骨に面倒くさそうな態度してたからってのも可能性としてはあるかもね」

パルフェの言葉に皆が黙る。

「なるほど。それにしても相手はかなり賢いな。大人相手に戦略的だ」

「そうだな。敢えて女子のパルフェを離してから、トイレに行きたいと言って離れるなんてな」

「何にせよ、手強い相手ってことね」

3人が腕を組んで捜索方法を考えていると、そこに小走りの足音が近づいて来た。

「あ!いたいた!葵さん!」

全員が振り返るとシャルロットがいた。

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