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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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久しぶり

翌朝、友達を失った悲しみで大泣きしていたシャロンは大分気持ちが落ち着いた。

ルーティンの朝散歩のため一階に降りるとロビーで朝刊を読む葵と出会った。

その見出しに“カラの魔女 チキン・リトル、四天王きしめんが討伐”と大きくあった。

それを見たシャロンが葵の前に出て怒りを露わにする。

「酷いよ!!リトルがきしめんに何したのさ!!」

「別に何もされてないさ。ただ、魔王軍が狩る魔女はだいたい地方自治体から公的な依頼を受けてやっている。最近、あの丘がずっと曇りだったろ?あの周辺の林業や農業に悪影響を与えかねんから討伐依頼が来たんだよ」

感情剥き出しのシャロンに冷静に返すと、頬を膨らませ、また不満を漏らす。

「あれはリトルのせいじゃないもん!リトルも困ってて、シャロン達が雨乞いしたら大きな変な鳥が来てブロロロローンって雨降らしてったんだもん!!」

大きく身振り手振りをして葵に伝えるが、当の葵は眉一つ動かさない。

「それはカラの魔女の都合だろ?」

その言葉に理解し難そうに口を開けて傾げた。

「事実なんて関係無いんだよ。大切なのは大勢の感じた印象だ。力の強い者の意見ではなく、数が多い方の意見が時として正義となる。例え、カラの魔女が本当に困っていたとしても、同じく雲に困らされていた周りの大勢が、その雲がカラの魔女のせいだと指をさせば弾劾される。これが世の中だ。覚えておけ」

そう言うと葵は立ち上がった。

シャロンは葵に向かって悔しそうに舌を出して見えなくなるまで威嚇し続けた。


昼前にノーティーエッグズを揃えようとパーティの3人が街を歩いていると、途中でチョコと出会った。

手には花束を持っている。

「よ!チョコ!」とアスタが挨拶すると、キャメリアが「どこかいくの?」と訊ねた。

「お花だ!」

シャロンが指した花束を皆に見せる。

「お使いを頼まれたんだ!みんなの街散策も兼ねて一緒に来る?」

「行く!」と口を揃えて即答し、4人が着いたのは教会だった。

「教会?・・・ってことは!」

厳かな扉を開けて中に入ると、そこにはかつて東の大陸で出会ったシスターがいた。

「シスター!あすなろ荘のチョコレート・リリーです!花を届けに来ました!」

大きな声で挨拶をすると「あら、ご苦労様です!」と笑顔で近寄り、シスターが花を受け取る。

「シスター!勇者のアスタです!愛を届けに来ました!」

シスターの前で跪き、手を握った。

「あら、お邪魔です!」

聖書の角を躊躇ちゅうちょなく笑顔で頭に叩きつける。

「シスター!お久しぶりです!」

「シスターもこの街に来てたんだ!」

悶絶するアスタを他所にキャメリアとシャロンも続いて挨拶をした。

「みなさん、ご無沙汰してます!私は色々な地域を回ってるので!でもこの街には長居しますよ!ここは人も多いし、街も大きいので4つも教会があるんです!そのうちの一つであるここが私の担当なのです!」

シスターと親しげなパーティ達に不思議そうにチョコが尋ねる。

「みんな、シスターと知り合いだったの?」

「うん!東の大陸にあるアラビアータの町でお世話になったの!」

「みなさん、お元気そうでなによりです!チョコくんの活躍も聞いてますよ!頑張ってるそうですね!東の大陸でも活躍ぶりは聞こえてきましたよ!!」

シスターの言葉でチョコが照れる。

「シスターこそ、お元気そうで!」

復活したアスタが起き上がった。

「シスターは今日は忙しいの?せっかく会えたんだし、みんなでランチ一緒に食べたい!!」

シャロンの提案にアスタが賛同する。

「いいね!サンスベリアって店がすごくお手頃で美味しいんですよ!ご一緒にどうですか?」

「そこの店ならよく使います!ぜひご一緒させて下さい!午後のお祈りの準備をしてから向かわせてもらいますので、よかったら先に行ってて下さい!」

4人は頷いてから教会を出た。

「よし!昼までにノーティーエッグズ探すぞ!!」

「おー!!」と3人が拳を上げて手分けして購入した。


大きなハンマーを装備したきしめんが、制服の上からでも分かる筋肉質な隊員を数人連れて教会の前を通りかかった。

「ここか!!いい建物じゃねーか!!」

見上げたきしめんが不敵に笑い、中に入っていった。

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