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月桂樹の冠,  作者: 叶笑美
メリリーシャの街
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早すぎる再会

何故かきしめんと待ち合わせをしていたシャロン。

そして暴走するシャロンを追いかけていった先できしめんと早すぎる再会をしてしまい、今、アスタの頬には涙が伝う!そんな状況だった。

「お前!昼間俺を火達磨にしやがったチビだな!!」

「やべ・・・めっちゃ怒ってる・・・」

アスタは1人滝のような汗をかいていた。

「アスタすごい汗だけど大丈夫?」

「大丈夫じゃなさそう・・・行こう」

こっそりと去ろうとするが、当然止められる。

「おい、コラ止まれ!」

アスタとシャロンがビクッと全身で反応し、一瞬止まってから2人できしめんを見る。

そして軽く笑顔で会釈。

からのダッシュ!

「逃すか!!」

2人の後をきしめんが追いかける。

「アスタ、何で追っかけられてるの!?」

「さっき色々あったの!説明は後!魔法で足止めしろ!」

シャロンが杖を振る。

「あいよ!!グランク!」

しかし氷が出ない。

「何で!?空気中の水分は十分なのに!!」

「どうしたシャロン!確りしろ!!」

もう一度試して振る。

「グランク!」

まだ氷が出ない。

「グランク!!」

「きゃっ!何これ!」「氷?」

出ないのではなく、突拍子も無い所に氷が出ていた。

「何で!?氷が変な所から出てくる!」

「仕方ない!今は逃げるぞ!!」

スピードでは逃げきれないことを知っているアスタは人混みでまくことにした。

だが、相手もしつこく昼間怪我した足を引きずりながらもアスタを追う。

人混みを抜けるとアスタが道路を挟んで反対側に仁王立ちしていた。

「潔いな。諦めたか?ぶん殴ってやるから待ってろ!」

「やなこった!!」

きしめんが走って近づくとアスタが横にズレ、消火栓からノーティーエッグズで放水した。


ノーティーエッグズ【いつでも放水口】

水源があるところにこの道具を付ければ放水できるよ!

プールや水溜り、水道からも放水できるよ!


そこにシャロンが杖の柄を浸けて水を急速に凍らせる。

「へへんだ!直に触れれば魔法は外れないんだよ!」

きしめんが氷で身動きが出来ない状態になった。

「行くぞ!」と掛け声をして再び走り出す。

「あ!待ちやがれ!」

氷漬けにされたきしめんはもがいていた。


走りながらアスタが指示を出す。

「シャロンは西の路地にある井戸へ行け!あそこで奴を仕留める!手順は覚えたな?」

「わかった!」と頷く。

「時間稼ぎは十分する!頼んだぞ!」

「合点!!」

シャロンと別れ、アスタが走って行くと、きしめんが怒りで顔を真っ赤に、眉間に皺を寄せて追いかけてきていた。

「ナメやがってクソガキがーー!!」

怒りのゲージがあるとすれば、完全に振り切っていそうなくらいの怒りようだ。

「嘘だろ!?早っ!!」

アスタが刀に手をかける。

「やるか?」と自分の得意分野の戦闘に入る雰囲気を察して余裕を見せるきしめん。

アスタはきしめんの後ろを見て叫んだ。

「こいつを後ろから刺せ!葵!!」

「葵だと?」

きしめんが振り返ると誰もいない。

「いねーじゃ・・・こっちもいねぇ!!」

再び追いかけっこが始まる。

「あんな化け物と真っ向から勝負とかできるかよ!!」

路地に逃げるが、突然体が浮く感覚を覚えた。

きしめんの飛び蹴りを食らったのだ。

体に衝撃が加わり吹っ飛ぶ。

そして革の加工屋の裏に積まれた荷物に突っ込むと同時に煙玉を落とした。


ノーティーエッグズ【煙玉】

ただの煙玉。上手く使って相手をまこう!

ただし、風の強い所では煙が飛んでいってしまうから要注意!


荷物の中の革製品がクッションになり、危機一髪、大怪我は免れる。

急いで荷物をかき分けて潜ろうとしていると、きしめんがアスタの足を掴んで引きずり出した。

「うわぁ!!」

「もう逃がさんぞ!」

アスタの手を掴み、革加工のキリで刺した。

キリが手を貫通して木箱に打ち付けられる。

「ぐっ!!」

きしめんが近くにあった革包丁を手に取り眺めた。

「革包丁ってどの位の切れ味なんだろうなぁ?最近ではカッターで充分という職人もいるそうだが・・・」

刃物が目の前に突きつけられ、目を見開いて震える。

「お前で試してやるよ!!」

アスタの腕を切りつけると皮と肉を断ち、骨で止まった。

そこからぐりぐりと前後に動かす。

「骨までは行くんだな!」

「ぐぁぁあ!!」と大きく叫びながら、左手で必死にキリを抜こうとするが苦戦する。

悲痛の声を上げるアスタの腕から革包丁を抜き、捨てた。

「遊びは終わりだ!一気にケリをつけてやるよ!!」

炎の点いたハンマーを振り上げ不適に笑った。

「やめろ!!」

「命乞いか?やるならもっと必死にやれよ!」

しかし、意に反してアスタが笑った。

「いや、自分のためじゃない。お前のために言ってやってんだ」

その言葉にイラ立ったきしめんが、ハンマーを振り下ろした。

アスタに直撃したが、構わずさらに圧し潰すとその下にある荷物にも直撃する。

瞬く間に激しく燃え上がった。

「ほらよ!革用の油だ!!」

アスタが後ろから油を掛けると、瞬く間に全身に火が移る。

「革のなめし剤は火気厳禁なんだよ!知らねーの?」

アスタがニヤニヤしているとハンマーを一振りして炎を消した。

「え!消せるの!?」

「何故後ろにいる!?お前は今潰したはずだ!!」

きしめんが睨む。

「お前が蹴り飛ばした時に煙玉を落としたんだ。その時に高級分身様を置いて、俺は煙に紛れて隠れさせてもらった!」


ノーティーエッグズ【高級分身様】

分身様の高額版。

喋るし、血も出るから本物そっくりな分身で時間を稼ごう!


「お前はずっといたずら用おもちゃを相手に拷問ごっこしてたってわけだよ!!まぬけ!!」

「どこまでも人を馬鹿にしやがって!!」

きしめんがキリを投げつけ、アスタの左腕に刺した。

「痛った!!」

まさかの反撃にキリを抜いて慌てて逃亡する。

きしめんは足を怪我をしているにも関わらず、かなりのスピードでついてくる。

アスタが路地を細かく何度も曲がり相手をまいた。

途中、“knot”の文字の書かれた扉に入った。


きしめんは路地に入られてからアスタを見失っていた。

「あのガキどこ行った!?」

しかし、地面に血の跡が残っているのを見つけ、口角を上げて笑う。

「バカめ!」

アスタが入って行ったノット(ケーキ屋)の冷凍庫へと入って行った。

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