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マフィアゲーム  作者: Kim Junsung
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6話 ゴールデンレコード

挿絵(By みてみん)


「え?」

その言葉の波及効果はおびただしかった。誰にも言われなかったのに、プレーヤーたちは一斉に左右を見回わす一体感を見せたのだ。周囲の‘人間’を確認するために。

『身体接触は禁止ですよね?』

「うっ!」

本能的に隣の人に触れようとした何人かのプレーヤーたちの手が止まった。そのような人たちを責めるわけにはいかなかった。未知の存在は、触って確認するのが定石だから。

しかし、ジュンソンの目には、どう見ても自分を除いた11人のプレーヤーがみんな人間のように見えた。レイナも自信に満ちた声で話した。

『そもそも、触っても区別はつかないと思いますけど』

『とにかく‘人数は11なのに、プレイヤーの数は12である理由’は分かりましたよね?1つが人工知能でした』

『そして続けて3番目の疑問。なんでこのゲームが「マフィアゲーム」でありながら「チューリングテスト」なのか?』

『これも文字通り。皆さんはマフィアゲームを楽しみながらも、この中の人工知能を探すゲームもできます』

『マフィアゲームの終了条件とともに説明しましょう』

終了条件

1。マフィアプレイヤーたちが全部脱落した時

2。マフィアプレイヤーの数と市民プレイヤーの数が同じになった時

3。プレイヤーの数が4になった時

4。プレイヤーたちがビンゴで人工知能を指名して鑑別、摘発した時


『1番と2番は、一般的なマフィアゲームの終了条件です』

『3番は予選の時、皆さんに説明しましたよね?最悪の場合でもプレイヤーが4人になった瞬間に終わりだと』

『そして終了条件4番が、全員が生還する場合です。まあ、みんなが生きるためには誰かが脱落する前に人工知能を見つけなければならないが』

『隠れた人工知能さえ殺せば、マフィアも市民も警察も医師も仲良く手を握って家に帰れるんです』

‘この中に人工知能があるって?本当に?’

ジュンソンは、どうしても信じられなかった。予選の時の仮面の男は、服だけをうまく着せておいた人形そのものだった。だが、ここの12人のプレイヤーたちはみんな自然に息をして動いて騒いでいるのに、この中に人工知能があると言われたのだ。

そして、その前に聞くこともあった。ついに<人文系>キム·ジュンソンが手を挙げて質問した。

「ビンゴって何?」

『はいはい。昼の裁判とほとんど同じです』


マフィアゲームの手順説明(昼:ビンゴ)

1。昼にはプレイヤーがビンゴ1回を発動する機会を持つ。

2。‘ビンゴするかしないかの投票’で(総プレイヤー数-1)のプレイヤー達が賛成すればビンゴ投票を始める。

3。‘ビンゴ投票’で過半数の投票を得たプレイヤーは直ちに人工知能鑑別が行われる。

4。‘ビンゴ投票’で指定されたプレイヤーが人間である時は、人間であることが公表され、ゲーム進行。人工知能である時は、終了条件の4番を満たしてゲーム終了となる。


ここにも‘ビンゴするかしないかの投票’のようなとんでもないものがあったが、そのルールは裁判とほぼ同じとしているが、異なる点が1つあった。<インテリ>が眼鏡をかけ直しながら指摘した。

「2番。総プレイヤー数-1と書いてあるが。あれは何だ?」

『言葉通りです。今、総プレイヤー数が12だから、11票が必要だということです。11なら10票、10なら9票。こんなふうに』

「何よ、11票も必要だって?」

『全部深い意味があります。理由を一々説明することは面倒だし、規則に納得してください』

‘深い意味…?’

その言葉にジュンソンがちょっと考えた。ビンゴ投票の発動が難しい理由について。

‘さすが早いゲーム終了…つまり、早いチューリングテスト終了をなるべく防ぐためだろう?いやいや、これは基本的な推論だが’

どうしても深い意味には到達しにくかったので、ジュンソンは推理をすぐにやめた。レイナはビンゴルールについて説明しながら付け加えた。

『つまり昼間は基本的に裁判1回、ビンゴ1回が可能です。ビンゴや裁判は、それぞれ行うことができます。ただ、同時進行はできません』

『夜にはマフィアの襲撃投票が1回あります。同時に医師が防御1回、警察が鑑別1回を行います』

『面白そうですよね?』

「……」

レイナの質問に肯定的な答えをする人はいなかった。みんな規則を読むのに忙しくて。

そしてみんながルールだけに集中すると、レイナが突然話題をそらした。

『あ~ちょっと待って、ちょっと待って。私も皆さんに、質問1つ』

『夜にマフィアに襲われて脱落する市民のことですが……この部分は、私がまだ人間心理が分からなくて、この場で直接お聞きします』

『皆さんは、寝ている時に死んだ方がいいですか?それとも起きて処刑の事実を知ってからこそ死ぬ方がいいですか?』

「……!?!?!!?」

何だあの質問は。

人工知能のとんでもない質問にプレイヤーたちは驚愕したが、レイナの質問はただの必要による質問だった。彼女は今、ゲームをする上で不可欠な要素を聞いているのだ。長い沈黙の末、<ニート>と<おじいさん>が慎重に意見を出し始めた。

「いや、敢えて言うと、眠る時に何も知らずに死んだほうがいいんじゃないか」

「そうそう。それが自然死だ」

「それではいきなり、誰も知らずに死ぬのですか。最後の言葉を残す時間は…?」

「最後の言葉って何だよ。全部知らない人たちだぞ。何かを聞かせたい人っているの?」

「私はもう遺書を作成してから来た」

意見が少し分かれたが、概してプレーヤーたちは寝ている間に死んだ方がいいという意見だった。その光景にレイナは赤い光を放ちながら応答した。

『適当に合意されたんですよね?では、脱落が確定された市民は<眠れた時に脱落処理すること>とします』

『あ、よかった。投票しないといけないのかと、心配しました』

‘ちくしょう…‼あんなもん、自ら勝手に決めれたいいじゃん!なぜ私たちに聞く!’

プレーヤーのほとんどは顔が真っ青になった。そしてそれはジュンソンも同じだった。ゲームのルールを聞きながらゲームだけに集中していたジュンソンの精神は、人工知能レイナが突きつけた‘具体的な死の形’の説明に、一瞬にして恐怖に追い込まれてしまった。

しかし、レイナの攻勢は止まらなかった。レイナはゆっくりと自分の胴体を回転させた。

『一通り、昼と夜の説明が全部終わったようです』

『それでは、ショータイム』

『各自に職業を配分します。最初に言った通り、マフィア3、警察1、医者1、一般市民7です』

『30秒後、各自のタブレット画面の右下に職業が書かれたメモ帳を送信します。よく隠してください』

「え?」

「ちょっと待って、ちょっと待って!」

「…うっ‼」

既にプレーヤーたちは食卓の下の引き出しにタブレットを入れておいた状態だったが、レイナの宣戦布告にプレーヤーたちは一様に引き出しに体と顔を密着させ、自分のタブレットを完全に隠して息を殺した。

突然の恐怖の波動により、ジュンソンの心臓は心臓の鼓動数の新記録を更新していった。大学の合格確認とは比べ物にならない緊張感だった。

そして永劫の30秒が過ぎ、彼らのタブレットにメッセージが届いた。

『キム·ジュンソンさんの職業は‘一般市民’です』

‘…市民……’

万感こもごも至る一瞬。

真っ先に思いついたのは、少しの失望感だった。市民は、やはり最も平凡で弱い職業だったのだ。しかし失望感はすぐ消えた。退くところのない状況で発動する人間の肯定的な考え方が、ジュンソンにも適用され始めた。

‘悪くねー。正直、マフィアになって人を殺したかったわけでもないし。それに倫理以前に、数学的にもマフィアがより安全なわけでもない。ただ、警察とか医師だったら良かったけど’

いったんやるべきことは、ウィンドウを切って、その後タブレットボタンも押して画面も消すことだった。深呼吸を何度かし、ジュンソンはゆっくりと頭を上げた。

そしてそこには、一種の現代美術がジュンソンを待っていた。ポーカーフェースを維持しようと極めて努力している11人の他人がいたのだ。すべての情報を隠してすべての情報を観察しようとする彼らの瞳は、奇怪で奇形的に動いた。

『…素敵ですね』

「何だって?」

『失礼。ティーヒーヒー。それでは、公式的にルールを掲示し、タブレットにも送信します』


絶対基本ルール

0。脱落したプレイヤーは生命活動を停止させる。

1。プレイヤーは他のプレイヤーとの身体接触を禁止する。

2。プレイヤーは、他のプレイヤーのタブレットに接触したり盗み見したりする行為を禁止する。

3。プレイヤーは自分のタブレットを他のプレイヤーに見せる行為を禁止する。

4。プレイヤーは、指定されたゲーム内の区域(邸宅近傍30メートル)を出る行為を禁止する。

5。ゲーム内で行われるすべての投票は記名投票(投票者の名前を明らかにする)である。


マフィアゲームの職業説明

1。12体のプレイヤーはそれぞれマフィア、警察、医師、一般市民のうち1つの職業を持つ。

2。職業の数字はマフィア3、警察1、医師1、一般市民7だ。


マフィアゲームの手順説明(昼間:指名と裁判)

1。午前6時~午後10時までが昼だ。

2。昼にはプレイヤーたちが裁判1回を発動する機会を持つ。

3。‘指名するかしないか投票’で過半数のプレイヤーが賛成すると指名投票を始める。

4。‘指名投票’で最も多いプレイヤーが指名したプレイヤーが裁判台に立つ。

4-1。指名投票で同数なら決選投票。決選投票で同数なら裁判機会喪失。

5。裁判台に立ったプレイヤーは‘脱落投票’で過半数の賛成を得ると脱落する。

6。裁判で脱落したプレイヤーがマフィアだった場合、プレイヤーは裁判機会を1回もっと得る。


マフィアゲームの手順説明(昼:ビンゴ)

1。昼にはプレイヤーがビンゴ1回を発動する機会を持つ。

2。‘ビンゴするかしないかの投票’で(総プレイヤー数-1)のプレイヤー達が賛成すればビンゴ投票を始める。

3。‘ビンゴ投票’で過半数の投票を得たプレイヤーは直ちに人工知能鑑別が行われる。

4。‘ビンゴ投票’で指定されたプレイヤーが人間である時は、人間であることが公表され、ゲーム進行。人工知能である時は、終了条件の4番を満たしてゲーム終了となる。


マフィアゲーム手順説明(夜)

1。午後10時~午前6時までが夜だ。

2。夜にはマフィアが脱落対象の指名投票を実行する。

3。2票以上指名されたプレイヤーが脱落対象となる。

3-1。マフィアが1体残った場合は1票のみ必要。

3-2。表決後、必要票数を満たせなかった場合、その夜は脱落対象なし。

4。警察は特定プレイヤー1つを名指ししてマフィアか鑑別する。

5。医師は特定のプレイヤー1つを名指してマフィアの攻撃を防ぐ。


終了条件

1。マフィアプレイヤーたちが全部脱落した時

2。マフィアプレイヤーの数と市民プレイヤーの数が同じになった時

3。プレイヤーの数が4になった時

4。プレイヤーたちがビンゴで人工知能を指名して鑑別、摘発した時


賞金

1。ゲーム終了時、残っているプレイヤーに賞金総額を均等にN等分して支給する。

2。賞金総額は33億ウォンから始まる。

3。賞金総額はプレイヤーが脱落する度に増える。一般市民、警察、医師が脱落する度に3億ウォンが追加され、マフィアが脱落する度に6億ウォンが追加される。

4。人工知能は脱落しなくても賞金分配から除外される。


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