45話 ランボルギーニガヤルド
「あの、あの、あんな害虫たちが……‼」
2人のマフィアがお互いに褒め合う姿を見ながら、<多血質>は到底自分の目を信じられないというように全身がブルブル震えた。それはこの世のあらゆる邪悪さをかき集めたような光景だった。嘲笑の<警備員>と無表情の<理工系>と無慈悲な<人工知能>が合作したアルゴリズムは、このゲームを死体の彼岸に連れてきた。
『結局、終了条件3まで来てしまったのですね』
終了条件
3。プレイヤーの数が4になった時
『人間の命の期待値の観点からみると、最低値だが……』
『まあ、私が知るもんか』
「ランボルギーニ、ランボルギーニ、ランボルギーニ・ガヤルドオオオオオオ……‼!」
<警備員>は50代後半とは思えないほど流暢な英語の発音を聞かせながら叫んだ。
事実、善悪を排除して彼がこの場で成し遂げた業績だけを見ると、スーパーカーに乗る資格があるとも言える。医師の防御を壊し、警察の捜索を潰し、仲間の裏切りを防ぎ、人工知能の時流に合流してビンゴを蒸発させた。命がけの賭け事が何度も成功し、彼はここまで至ったのだ。
「ランボルギーニ…それ買って、何をするつもりですか?」
「決まっている。全国八道を巡回しながら妓生たちを……」
「…投票しましょう」
「あ、そうだ。決めなきゃ!最後の襲撃対象!誰でも構わないからうっかり忘れていたよ」
<00時10分00秒>
他人の命なんか、自分の妄想よりも価値が低いものだ。
マフィアの襲撃投票の時間が始まり、<警備員>は本当に忘れていたというように、目の前の3人の市民たちを改めて見つめた。<女子高生>、<多血質>、<小母さん>がマフィアたちの選択を待っており、<警備員>は彼らをじっと見回っていた。
「まず、我が<女子高生>は殺せないよ。人工知能を殺すことになったら、賞金が20億ウォンから14億2千5百ウォンになるから。そういう可能性は1%も残さない。えっと…」
「そんな…!」
それは一種の生存戦略だった。
真実かどうかは関係なく、‘私は人工知能だ’と言っておいて、それを人々に信じさせれば、このような威力が発生するのだった。人工知能は民主主義では無敵であり、それに近いほど勝利の確率は高まった。
「それじゃ、もう残ったのは<多血質>と<小母さん>。この2人は条件がほとんど同じなのか」
「ちょっと待って、ちょっと待って…!」
「黙れ。本当に熟慮中だから。あいにくもこの2人は俺を怒らせた程度もほぼ同じだし。あ、難しすぎる」
自分の命を決めるコイントスが、他人の仕事であった。
昼の過半数に届かなかった罪として、夜の市民は絶対的な審判権をマフィアの手に委ねるしかなかった。<多血質>と<小母さん>が呼吸もできずに審判の時間を待っている時、<警備員>が首を横に振りながら言った。
「選べない。2人とも、吠えろ」
「は?」
「犬みたいに吠えろって。もっと犬みたいな人を助けてあげる。この残りの10分間……うん?」
ピッ、ピッ。
悩んだ人は<警備員>だったが、選んだ人は<理工系>だった。
<理工系>は隠すこともないというように堂々と自分のタブレットを指で叩いて投票を終え、その気配を漂わせた。すると、<警備員>が一発食らったという表情を浮かべた。
「あ、そうだ。お前が選ぶと、どうせ俺はついていくしかない。それでも、この勝利の時間を楽しまないといけないんじゃない?」
「おじさんが先に投票しても結果は同じです。どうせ期待値に従うだけだから」
「お?やっぱり<理工系>」
5日間、いつも最適の期待値だけを算出し、結果を見せてきた<理工系>に<警備員>の信頼は厚かった。彼は自分の楽しみを後にして、<理工系>に向かって尋ねた。
「ところで、あの2人に違いがあるの?2人ともただの人間市民だろうが。誰を指名した?」
「<警備員>です」




