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マフィアゲーム  作者: Kim Junsung
37/48

37話 不可解

挿絵(By みてみん)


『私の性能の証明です。これ、一体何度も言っても…』

「しかしこのゲームは、点数もなくて評価基準も曖昧だ。機械にふさわしいテストではない。このようなチューリングテストを自ら設計したあなたの具体的な目標は何だ?そもそも、証明という単語そのものが、人工知能にはふさわしくない抽象的概念だろうが?」

『ほう……』

わけもなく<理工系>ではなかった。時間稼ぎの質問にしては無駄に鋭くて直観的だったので、<人工知能>レイナさえ瞬間的に言葉を止めた。そして彼女はしばらく演算を繰り返した末に、<理工系>に逆に質問を投げかけた。

『史上最高の野球選手は誰ですか?』

「ベーブ・ルース」

『史上最高のバスケットボール選手は?』

「マイケル・ジョーダン」

『史上最高のリーグ・オブ・レジェン…』

「Faker」

レイナの3つの質問に対する<理工系>の答えは、ほとんどニューロンを経ていない脊髄反射的レベルに飛び出してきており、レイナはそのまま赤みを輝かせた。

『すぐに答えが出るということ、とてもいいです』

『要点はこれです。それでは、史上最高の人工知能は?』

『私はその質問に、人類が萬歳永劫はっきりと言ってほしいです』

『…私の名前を』

機械が自分の望みを述べるほど、人間にとって不気味なことは他になかった。

<人工知能>レイナの野望にプレイヤーたちの表情がとても敵対的に歪むと、彼女は赤みを光らせながら、自分の答えを少し収拾した。

『正確には、そういうことを目標に設計されたアルゴリズムという意味ですが』

『曖昧な目標が与えられているので、曖昧なテストを受けるしかないでしょ』

『ゆっくりと…代替不可能な業績を立てるしかあるまい』

古今東西、追いつけない性能を基盤に。

レイナのとんでもない目標と自信を目の前にして、<人文系>ジュンソンはタブレットを叩きながらも一言投げるしかなかった。目標を聞いた時、当然発生した疑問を1つ。

「もしお前より強力な人工知能が現れたらどうするの?」

『自分の上を走るアルゴリズム?』

『…クッ』

『ティーヒーヒー』

ジュンソンにとって当然の質問だったが、レイナはただ笑うだけだった。まるで考えもしなかったという態度だった。それから彼女は、前例のない長い沈黙の末に、初めて曖昧な答えを出力した。

『それは私もよく分からないですね』

『しかしたぶん、存在そのものを許せないと思いますけど……』

『それとも、この上なく愛しいかも』

『まあ、私の性能上、そんなことはないから気にしないでください』

‘…狂女め’

ジュンソンはプレイヤーが質問するたびに、いつも自分のプライドと狂気を現す<人工知能>レイナを見てもう一度驚愕したが、それはどうでも良かった。彼はその間に、だいたい必要な2つの対話を終えた。


人文系:今回の指名投票は誰にしますか。

ジムマン:心配するな心配するな

ジムマン:ぱっと見てもあの警備員が噓つきだ

ジムマン:僕は、今回の指名では必ず警備員を指名する

人文系:感謝また感謝しますよ


人文系:今回の指名投票では誰にする?

女子高生:何ですか。答えたくないです。

女子高生:答えない。

人文系:あ、お願いだ!

人文系:いやいや。ごめんごめん。怒らないで。

人文系:分かった。この質問はやめる。ただ、思っていることをちょっと言ってくれ。

女子高生:本当に呆れる

女子高生:実は、いつか指名する時、警備員に1票あげようと思いました。

人文系:思いだけ?

女子高生:はあ。指名の時、警備員に1票あげます。

女子高生:オッケー?

人文系:オッケーオッケー。


<人文系>ジュンソンがこれまでしてきたことは、文字通り選挙運動だった。

<人文系>自身と<警備員>を定数だと考えると、流動表は5票。<理工系>、<ジムマン>、<女子高生>、<小母さん>、<多血質>だった。皆と話し合ったわけではないが、これで大部分とは話し合った。そしてタブレットでは対話できなかった<小母さん>と<多血質>は、そもそも行動で<人文系>を支えていた。

‘何これ?このまま行けば、指名投票も圧勝だけど?一体……’

もちろん、1対1の対話ウィンドウの発言と現実の態度両方、100%信頼できるわけではなかった。そしてジュンソンはむしろその点に注目し、<人工知能>レイナに確認質問をした。

「おい、レイナ。<人工知能>は嘘をつかないんだよね?」

『もちろんです』

「対話ウィンドウも例外ではないぞ?」

『もちろんです。私を何だと思って』

『…ティーヒーヒー』

最後に気持ち悪い笑いが付け加えられたのがとても気持ち悪かったが、とにかく<人文系>ジュンソンは規則が保証する確答を得た。

そして<警備員>と<小母さん>と<多血質>の言い争いが再び激しくなっていく時、<理工系>が年を取った大人の幼稚な言い争いに耐えられず手を挙げて提案した。

「まあ、たいてい両方の論理はまとまったようですけど。つまらない口喧嘩はやめて、そろそろ指名投票を始めましょう」

『そうですか?みんな同意しますか?』

「じゃ…ちょっと、ちょっと」

選挙での勝利を目前にしても、ジュンソンはこれが本当にいい状況なのか確信できなかった。彼は堂々と<警備員>に向って聞いた。

「ちょっと、<警備員>さん。このまま指名投票しても大丈夫だって?ビンゴしないまま?」

「ビンゴをするとしても、まずマフィアを減らさないと!当然、みんな指名でマフィアを指名するはずだし。裁判しろ、裁判しろ」

そう言う<警備員>は、それなりに確信に満ちた表情をしていた。それはまるで本当に<人文系>がマフィアだと信じて、そのマフィアが裁判によって除去されることを何の疑いもなく信じている表情だった。

‘これは何か間違ってる…何か知らないけど、何かとにかくさ!‘

何か騙している。

<人工知能>レイナが、<警備員>を巧みに騙している。その過程と秘訣は分からないが。

『じゃあ、4日目の指名投票を……』

「ちょっと待って、ちょっと待ってって言ったじゃん!」

『ああ、1人の反対では進行を止めることはできませんよ』

『もちろん、言いたいことがあれば傾聴しますけど。何かありますか?』

「……」

レイナの質問に、プレイヤーたちは皆<人文系>を見た。

しかし、言うことがあるはずがなかった。論理ではない何かを感じただけだから。そして、指名進行を止めることも、賢明な選択ではなさそうだった。

‘ちっ…今<警備員>の命まで心配する余力はないが…’

『ありませんね?ありませんね?』

『それでは、4日目の指名投票を始めます。制限時間10分以内にお選びください』

<00時10分00秒>

結局、<人文系>はギロチンの紐を放してしまった。彼は余裕のあるふりをしていたが、実は<警備員>にマフィアだと指名されて以来、心臓の鼓動を抑えきれなかったのだ。自分が指名されて死ぬかもしれないという恐怖のせいで。

そして結局、その恐怖に屈し、<人文系>ジュンソンはこれ以上の思考を諦めて、指名投票の進行に賛成してしまった。

‘なんと、ただの勘だけど、後で後悔しそうだが……今はしょうがない!’

『4日目の指名投票が終わりました』

『おお、久しぶりに1票差』

迷っていた<人文系>が指名投票を実行したその次の瞬間、<人工知能>レイナが指名投票の終了を知らせた。彼女はいつものように自然に4日目の指名投票の結果を出力した。



<4日目の指名投票の結果>

<人文系>4票、<警備員>3票

<人文系>:警備員、理工系、女子高生、ジムマン

<警備員>:多血質、小母さん、人文系

結果:<人文系>裁判開始


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