季節の匂いと記憶【詩】
こんばんわ、柚白です。
夏の夜に
寝る前にふと匂った夏の匂いと虫の鳴き声で
突然思いついたものをそのまま書きました。
9月のはじめごろ
夏の終わりに
夜に
夏の匂いがした
曖昧な記憶の夏の匂い
でも
少しでも夏を感じた
夏の残り香は
寂しく感じて
涙がでそうになった
きっとそれは
いつかの夏も思い出して
過去を手放せずにいるせいなのか
この取り残されたような感情は
多分
ずっと分からない
誰にでもありうる
でも
僕だけにしかない
誰にも分からない
感情
記憶
来年もまた
夏を感じて
寂しくなるのかな
夜に鳴く虫の声が
明日には聴こえないような気がして
背丈の上の葉っぱを
足で踏んでしまう季節がくるような
辛くはないかな
また1年後
感じられるか分からない
この涼しさは
肌寒さは
記憶よりも奥深くで
きっと眠り続けてくれる
秋の匂いを感じたら
夏の匂いは
忘れたフリをしよう
そしてまた感じた時は
精一杯深呼吸して
生きたことを証明しよう
いつが最後の夏かは分からない
僕にとっての命の境目
それが夏だからこそ
帰ってきたらいつも
夏の匂いでおかえりって
出迎えてくれる気がして
それにめいっぱい返事をして
冬を生きて越せるように
最後の夏の夜と約束する
季節は着いては来ない
だから
1年後に待っててね
行ってきます。
短いながら目を通してくださりありがとうございました。
初投稿作品に目を通していただいた方は
途中の夏が命の境目、という言葉が
なるほど、と思ったかもしれません。
気になった方は、よろしければ初投稿作品もどうぞ
覗いてみていただけたら喜びます。
ありがとうございました。