プロローグ
はじめましての方もいると思います、筆者の皆麻です。
こちらはあらすじにも書いた通り、コンテスト応募用に書き下ろした話になります。
物語はフィクションですが、実在する結婚相談所をモデルに描いていますね。
今回は、プロローグ。
字数制限及び長編には不向きなのもあって、本編も割と短いですが、お付き合い戴けると幸いです。
「“マッチング率89パーセント”!!?」
ある日の晩、私―――――――——————押見 弥佳は、スマートフォンの画面を見ながら思わず声を張り上げる。
現在27歳のOLというそろそろ結婚を考えて良い頃になっていた私は、職場の同僚やプライベートの友人に内緒で婚活をしていた。
ただし、年齢的に決して若い訳でもなく、30歳くらいには子供が欲しいなという事を考えるとむしろ遅めのスタートだったのかもしれない。ともあれ、スマートフォンのアプリだけでやる婚活は個人的な偏見もあり、ちゃんとした企業が運営する所謂“結婚相談所”に登録をしていて、婚活を始めていたのである。
ここ3か月で結婚相談所主催のイベントに参加してきたけど、収穫なかったしなぁー…。そう思うと、大分良い方かもしれない!?
私は、スマートフォンに表示される相手男性の情報を読み始める。
マッチング率とは、登録者の趣味・性格・好み・思考等から登録者を担当する結婚相談所のスタッフが調べ上げて良さそうな相手をピックアップして登録者に情報提供するシステム。「どうせ機械か何かで勝手に判別している曖昧なものだろう」と高を括っていたが、今回の相手が本当に確率に見合った相手なのだと後で思い知らされることになるのであった。
「学歴もボチボチで、収入もある程度ある…。顔もイケメンでないけど、割と普通で肥満ではなさそう…。フリーターやニートじゃなくちゃんと正社員で働いていて、趣味も私と近しいし…」
私は、自分の部屋でブツブツと呟く。
因みに、私が「早く結婚したい」と考えるのにはいくつか理由がある。その一つが、早く実家を出たいためだ。学生の頃からずっと実家暮らしで、現在の職場も電車で通える距離のため、今まで一度たりとて独り暮らしをした事がないのだ。
結婚を機に実家を出る人もいるだろうし…。その点、今回のお相手は現在一人暮らし中だから、自立度としては安心…
一通り相手の情報を閲覧し終えた私は、その場で決心をする。
まずは、結婚相談所のサイトから使えるチャット機能で相手に連絡を取ってみて、反応を見てみることにしたのだ。
この時、私は何も知らなかった。相性の良い彼が、想像だにしなかった背景を持つ人物である事に――――――――――
いかがでしたか。
次回が本編になります。
ご意見・ご感想があれば、宜しくお願い致します。