森のゴブリン軍団vsプレイヤー&犬達その1
調合屋に着くと既に誰も居なかった。中は特に荒らされてはいないから多分無事。裁縫屋の方にも行ってみることにした。
様子がおかしいゴブリンをやり過ごしながら向かう。多少物音を立てても何故かゴブリンに気づかれなかった。裁縫屋の中に入ると前に私の服を作ってくれた人が隠れていた。
「ゴブリン?!…じゃなくて前に来てくれたお犬さん…」
「教会まで行くから着いてきて」
「は、はい。少し待ってください」
少し待つと緑色の外套を着て戻ってきた。
「今着ているのは隠密の効果がついてるので物音を立てない限りバレないと思います」
「分かった」
リリさん…だったはず。リリさんと一緒に外に出て路地裏や物陰に隠れながら進み、三十分以上かけて教会の近くに辿り着いた。でもゴブリンとプレイヤーが戦ってるせいでこのままだと入れそうにない。
若干だけどゴブリンが有利。プレイヤーが疲れてきているのが遠目でも分かる。私は覚悟を決めて闘うことにした。
「《ストーンバレッツ》」
後ろから魔法と矢を撃っている敵を数体倒して道を開けてリリさんを呼ぶ。私に注意がいったゴブリンは戦っていたプレイヤーによって処理される。
リリさんが教会に入ったのを確認して私は急いで中に入った。MPの消費は避けなきゃいけない。中を見渡すと様々なプレイヤーとNPCが居た。
「誰か回復薬何でも良いから買わせてください!」
「東地区ゴブリン討伐作戦に参加してくださる方居ませんか?!」
「薬草と薬液持ってる人居ますかー!」
「領主邸ゴブリン討伐が急務なのでお願いします!!!!」
「ヒーラーさんこっち来てください!!」
様々な募集の声が絶えず聞こえてくる。椅子に調合屋のお婆さんが座っていたのを見て安心した。冒険者ギルドも同じような感じらしい。
中で休憩しようとすると知らない女性プレイヤーが私に駆け寄ってきた。姿は魔法使いぽかった。
「初めまして、ボクはヘクセと言います。お時間少しよろしいですか?」
「何の用?」
「領主邸ゴブリン討伐作戦に参加して欲しいんです、人数がボクと後数人程度で…」
「断ります」
レイドボス戦以外であまりMPを使いたくない。居るなら別だけど。
「…そこにレイドボスが居るかもしれないんです、ボク達だけでもし討伐出来たら一気に有名になりますよ?情報を得て持って帰るだけでも十分です」
「本当…?」
「あくまで可能性です、行ってみないと分かりません」
「……………行く」
「…!ありがとうございます!!着いてきてください」
そう言うと私を連れて教会にある個室に行った。扉を開けると剣持ちと弓持ちが座っている。
「リーダー、狛犬さんが入ってくれるそうです」
「本当か?!」
「マジかよ…」
「どんな手段使ったんだ?」
「普通に招待しただけです」
「そうか?なら良いが」
レイドボスが居るかもしれないという可能性に賭けて入った。参加した理由の半分以上は屋台を潰された私怨、居たら叩き潰すと思いながら席に座った。
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