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回廊  作者: KG0248
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測量

法務局に出向いて、くだんの土地を所有している人物を割り出せたのは、翌日の午後遅くだった。さっそく知人の不動産屋に、買取の打診をしてもらった。


意外なほどあっさりと土地譲渡の話はまとまり、1週間もたたないうちに土地は私のものにはなった。しかし、どうやって誰にも立ち入られない状態にできるかで考えこんでしまった。土地を造成し建物を建ててしまえば、誰にも入り口は知られない。しかし工事関係者は不審におもうだろうし、もしかすると私と同じことが起こらないとも限らない。それに、あの場所が入り口としてでなく出口でもあるならば、無闇な工事は避けないといけない。戻ってくる可能性がある以上、これは重要な事だ。


とりあえず周囲をフェンスで囲うことにして、例の不動産屋から工事業者を紹介してもらって、とりあえずの囲いはできた。ただ、できあがったとき業者が「こういうフェンスってのは良し悪しでね。ゴミとかを投げ込んでも周囲から見えないから、気をつけないと酷いことになりますよ」と言われた。


水道工事と電柱を建てもらって電源が使えるようにして、監視カメラをいくつかつけることにした。今はインターネットで監視できるから、ある意味都合がいい。小さい物置を買い、ミネラルウォーターとかもろもろを入れた。


実家には土地を買ったことと家を建てるのは少し先とだけ伝えた。ただ母親は「早く嫁さんを紹介してね」と言ってきた。


例の入り口には念入りに3つ監視カメラを向けて録画もできるようにした。ひとつは暗視カメラだ。この入り口、いつも使えるわけではないようで、帰ってから開こうとしたら向こう側が単なる土だったのには驚いたが。日を変えて何度か開いてみたが、土の状態が乾いていたり湿っていたりという程度の変化しかなくて、少し期待はずれな気分がしてきた。


もう一度、川村に会いに行こうと思っていた矢先、事件が起きた。



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