美奈
その巡査は、到着するなり「美奈ちゃん、ご苦労さん。調書作るのは君でいいだろ?」と言ってきた。
ところが、美奈は「巡査部長、ちょっと・・・・・・」と言って、しばらく何か話していた。
それからガラリと雰囲気が変わった。
「私は川村だ。少し詳しく話を聞かせてもらわないといけない」
それからは、かなりしつこく色々と聞かれた。出発時間についてとかだ。
特に日付については何度も念を押された。そして
「あんたの言ってた日付だと今日は○○日で月曜日ということだけど、今日は火曜日だし、さらに月が違うようだ」
「え、なんですって?」
「だから今月はxxxだと言っているんだよ」
「それと巫女さんを見たと言った様だけど、この近在に巫女さんは住んでいない」
「さらに、あの森から勇作さんのところまで10分とか言ってるのも変だ」
「さっき、見せてくれた免許証、もう一度本署に確認してみるから貸して」
私はしぶしぶながら渡した。
FAXしたあと、美奈と川村は奥で何か話しこんでいるようだった。
美奈が出てきた。チラッとこちらを見たが何も言わずに出て行った。
なにか怒っているような上気した顔だった。