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婦警さん
駐在から男性がくるものだとばかり思っていたら、婦警さんが来た。
「勇作さんところまで歩いたんじゃ、のど渇いているでしょ」と
ペットボトルを渡された。
「いやそれほどでも。たった10分くらい歩いただけですから」
「あなた何言ってるの。あの森から勇作さんのところまで男の人でもゆうに3時間はかかるわよ」
「でも、ほんとに10分くらいしかかからなかったみたいです。巫女さんを追いかけていましたから」
「巫女さん?どんな人だった?」
改めて婦警さんを見ると、さきほど見かけた巫女さんとよく似た顔立ちだと気がついた。
「あなたに似た感じで、そう年は20歳前後みたいでしたね」
「・・・・・・」
怪訝な顔をしたが、何も答えずドアを開け車へ乗れとしぐさで示した。
「最寄の駅まで送るわ。電車賃も貸します」