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巫女さん
振り返っても、戻れないことは最初からわかっていた。
最後の一歩がフワフワした感じで、随分と長く感じられたし、押されたような感覚もあったからだ。
それにしても、ここは何処だろう。
ふと、辺りを見回しているうちに、誰かが見ているのに気がついた。
あれは、巫女さん?
大声で「すみません。道に迷ったみたいなんですけど、ここは何処ですか?」と叫んでしまった。
驚かれるかと思ったけど、かすかに微笑んだようだった。
その上、聞こえなかったかのように、すたすたと歩き始めてしまった。
まずい。そう思った私は急いで彼女の後を追いかけ始めた。






