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2つの場所をつなぐ力
洋上の罠
確かに、呼び名としてはふさわしい。
けれど、それらしい痕跡もなく兆候もない罠が
海の上にあるのなら、陥るのは普通。
それが、意図的なものだとしたら、その場所も
いや存在そのものを隠すのが普通だろう。
もちろん、文書や目に付く形で残すなど有り得ない。
でも、起きてしまったから隠せはしなくなったのだけれども。
「あれ、ここは何処なんだろう?」
私は戸惑っていた。
今まで私は確かに、ちょっとした洞穴にいた。
その行き止まりの戸をくぐっただけのはず。
でも、どうだろう。今居るのは森の中。
それも、かなり明るい日差しの降り注ぐのが、よくわかる。
振り返っても戸はない。変だ。絶対に変だ。
私は気でも狂ったのか。それとも、何か得たいのしれない事に巻き込まれたのだろうか。