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大きなお屋敷
今日はね、大きなお屋敷を見つけたんだ。
そしたらね、屋根の上に子猫さんがいたんだよ。
「みー、みー」って泣いていて、悲しそうな顔をしていたんだ。
それでね「どうしたの」って聞いたんだけど、悲しい顔して泣くばかりなんだよ。
それで、僕は考えたんだ。
子猫さん、降りられないのかもしれないって。
僕がいっぱい大きな泡を作ったら、怪我をしないでおりれるかもしれないって、子猫さんに言ってみたんだ。
「僕はあらいぐまだから、いっぱい泡をつくってあげるよ」
おとうさん特製の石鹸を泡立てると、むくむく泡が立っていきます。
泡がむくむく膨らんで、屋根の上まで届きました。
シャボン玉がふわふわ浮いて、空にもたくさん浮かんでいます。
泡の上に子猫さんがぴょんと飛んで、それで降りることが出来たんだよ。
リックは誇らしげに胸を張ります。
「森一番の冒険家」ですからね。
ちいさな子には、親切にしてあげるのです。