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鳴
女性に話しを続けるよう、俺が話しかけた時、公園の物置きの方から、ガタッと大きな音が響いてきた。猫たちがまた、公園の物置きに集まっているのだろう。
「あの場所にいるんですね?」
「あー、あそこですか。」
「あの白い猫があそこに……」
俺は物置きを指差し、あの物置きは数年前から放置されていることを女性に伝えた。そういえば、俺はあそこに猫がいると伝えただろうか?
「あの場所に白い猫がいるって言いましたっけ?」
「わかりますよ。あそこで、あの猫が鳴いてますから」
その言葉に、俺は黙り込むしかなかった。女性に聞こえているという猫の声は、俺には聞こえなかったのだ。万が一を考えて俺は女性にいう。
「俺が見てきます。貴女はここで待っていてください」