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「お茶とコーヒーどっち飲みます?」

「ありがとうございます、コーヒーでお願いします」


黒は公園の自動販売機ので、飲み物を二つ買う。そして、コーヒーを女性に渡した。まだ寒い季節、コーヒーからは湯気がでる。


「猫を探してるんです。大きな白い猫を、見ていませんか?」

「ああー。この公園に住んでいる猫で、そんな子を見た気がします」

「本当ですか!よかった……」


俺はお茶を飲みながら、横目で女性の顔をみる。

濃い紅色の口紅をつけた、女性が顔をうつむかせている。


「一緒に迎えに行きましょう。きっと白い猫も喜びます」


グッと、お茶を飲み干すと俺はそう女性に呼びかけた。しかし、女性は首を横に振っている。


「どうしたんです?白い猫を探しにきたのでしょう」

「ええ、でも私は見つけたくないの」


探しているけれど、見つけたくない。女性は俺にそう言った。



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