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双眸の精霊獣《アストラル》  作者: 果実夢想
Ⅰ 猫のグレムリン
24/40

#4 悪意に満ちた人造

累計、20000アクセス突破!

まだまだ精進すべきだとは思いますが、みなさん読んでいただいてありがとうございます。

 期末テストまで残りわずか三日に迫った土曜日の昼。


 俺やミラ(今は猫の姿)に今度は我が妹のあやめも連れて、中篠宅へやって来ていた。昨日シャウラと中篠から、俺の妹にも会ってみたいとお願いされたので本人に訊いてみたところ、快く了承してくれた。


 あやめにはテストが近いため泊まりがけの勉強会と言ってあるが、一応修行も泊まりがけでやるつもりだ。あやめが寝たあとの深夜とかにね。


 だから、俺たちは着替えなどで割りと荷物が多い。最近晴れてばかりで嬉しいよ。


 ところで、あやめにミラの猫耳尻尾とかどう思ってるのか訊いてみると、可愛いからいいらしい。全くもって同感だよ。擬人化とかも気にしていないみたいだし、アニメ好きなだけありますな。


 でも、さすがに戦闘のことまで言うわけにはいかない。そんな危険なことに巻き込みたくなんかないもん。


 ともあれ、俺はインターホンを鳴らす。


 すると、間髪入れずにシャウラ(人間の姿)が扉を開けて出てきた。今日は中篠じゃないのか。


 肩が大きく露出した真っ白のチューブトップを着ていて、自慢の巨乳が強調されておりますよ。下は同色のキュロットを穿いている。ちなみに、いつもの金髪ストレートは後頭部で束ねてポニーテールにしている。


「あ、あんたが五十嵐の妹ね。なかなか可愛いじゃない。あたしはシャウラよ、よろしくね」


 挨拶をし、シャウラはあやめと視線を会わせるため前のめりになって右手を差し出す。うぉ、そんな態勢をとると大変だよ。さっさと気づいて。


 あやめの身長だと服の中がモロに見えてんだろうな。


「お、おっきぃ……」


 果然、あやめは谷間をガン見しながらそう呟く。個人的には、貧乳が一番いいとは思うけどね。


「ん? 何がかしら?」

「あ、いや、何でもないですぅ! 兄貴の妹の、五十嵐あやめですぅ! よ、よろしくお願いしますぅ!」

「ええ、よろしく」


 怪訝な表情で訊ねるシャウラに、あやめは慌てて誤魔化す。そして握手を交わす。


「じゃあ中に入ってちょうだい」


 そう言われ、俺とミラはもう遠慮なんかしないが、あやめは初めてなのでおずおずと玄関に足を踏み入れる。


 やっぱり緊張してるのかな。我が妹は可愛いですね。


 ところで中に『入って』じゃなく『出して』だったらエロかったな。ヤバいヤバい、中篠の影響かもしれぬ。


 と、中篠が廊下の奥から歩いてくる。


「……中篠恵。よろしく」

「あ、はいぃ。よろしくですぅ」


 たったそれだけの会話をして、中篠は階段を上っていく。


「じゃあ、恵の部屋で勉強を始めましょうか。あやめちゃんは安心していいわよ、幾らなんでも初等部の問題は教えられるもの」

「あ、ありがとうございますぅ」


 シャウラの言う通りだ。それに、ここには中篠という天才がいるからな。高校の勉強も教えてもらえるはず。ミラは頭いいのかどうか知らんが。


 ちなみに、あやめは初等部とはいえ結構勉強できるみたい。だって九十点以下は一回も取ったことないんだぞ。俺はもっと点数低かったのに。


 ともあれ、勉強会を開始するため二階にある中篠の自室へ向かう。


 部屋に入ると、真ん中に折り畳み式で正方形の小さいテーブルが置かれていた。中篠は勉強机の椅子に座って相変わらず本を読んでいる。


 そろそろ本の内容が気になるよ。ってなわけで、俺は後方から覗き込む。


 どうやら小説のようで、右半分は縦書きで文章が書かれている。が、左半分には半裸の男性が少年の耳を舐めながら服を脱がしている挿絵。


 ……えーと、うん、なるほど。これはつまり━━。


「━━って、BL小説じゃねぇか!」


 最近中篠のイメージがどんどん悪くなっていく。最初はクールで頭良くてすごい人だと思っていたのに、今ではただの変態な腐女子としか思えません。


「……読む? 安心していい、普通の男女間の性愛もある」

「いや、安心できねぇよ。まさかこの家にある本は全部エロ本とか言うんじゃないだろうな」

「……大丈夫、全部じゃない。……八割」

「充分多いわ!」


 エロ本の数、明らかに負けました。俺はロリ系しか買わないからね。よく無表情でそんなもの読めるよな。もしかして学校でも同じようなやつを読んでいたのだろうか。


 ふと後ろを振り向くと、ミラがいつの間にか人間の姿になっている。全く気づかなかったぞ。あの猫耳と尻尾を見たら触りたくなるのは俺だけじゃないはず。まぁ怒られるから触れないけども。


「え、エッチな本ですか!? 恵さんも変態ですか!」

「……知ってる」


 ミラが赤面して叫ぶも、中篠はあっさり認めちゃったよ。ってか『も』って何だ。俺はロリコンなのであって変態じゃないぞ。


「ほらほら、下らないエロ小説なんて読んでいないでさっさと始めるわよ」

「……分かった」


 さすがシャウラはつっこむこともせずに軽く受け流す。それに対し、中篠は渋々といった感じで頷く。何やかんやでいいコンビだよね、この二人。


 そして折り畳み式テーブルの周辺に五人が座り、教科書やノートなどをテーブルの上に置く。


 こうして、産まれて初めての勉強会が幕を開けた━━。

まだ、平和な日常は続く。

疑問に思っていることが三つもあるのにも関わらずに、訊ねることもせずお泊まりを楽しむ蓮たち。

奴がとんでもないことを企んでいると知らないで。


次回、#4 悪意に満ちた人造【2nd】

新作も制作中なので、更新はかなり遅くなると思いますが、ご了承ください。

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