計画
あたしの両親と兄弟を奪ったやつは絶対に許さない。
例えそいつが殺し屋だとしても。
絶対に仇を取る。
そして、あたしがこの手で殺す。
★
「あっ!おはよ、マチ^^」
学校の下駄箱に着くと、マチが待っていた。
あたしは、マチにあいさつをする。
「おはよ^^。今日は早いじゃん^^」
マチは、ニコッと笑う。
「うん。…ちょっと、カイトに話があって…」
あたしはうつむく。
「…殺し屋の事でしょ」
マチの態度が一変する。
★
鈴木マチ。
本名、青葉 美咲。成績優秀で、性格も良しで、誰からも人気のある一般的な中学生。
表向きは、みんなと仲良く接してるけど、裏の性格は、知らないほうがいいと思う。
あたしは、小川 リオ。
本名、藤城 夏希。あたしも、表向きは、一般の中学生だけど、裏は違う。
裏の性格は、自分で言うのもなんだけど、最悪。あたしの裏を知ってるのは、2人だけ。
★
「カイトが言ってたよ。あいつだって。リオの両親殺したの」
マチは、拳を震わせる。
「そう。…ありがと、マチ。あたし、あいつの居場所、突き止める」
あたしは、乱暴に上履きをはいて、教室に入った。
「…カイト、ちょっとこっち来て」
あたしは、教室に入るなり、みんなと戯れているカイトのYシャツを無造作に引っ張り、廊下へ連れて行く。
「なんだよ」
カイトは、少し怒り気味であたしをにらむ。
★
笹間 カイト
本名、秋原 最高。こいつも、表向きはいい面してるけど、裏はやばい。あたしと、リオといるときは、いつもこういう態度。まぁ、それもわかるけど。だって、カイトの職業は、中学生ながら、殺し屋だし。しかも、殺し屋グループのリーダー。
あたしたち以外の奴らが、カイトの裏を知った時、最後の覚悟をしなきゃいけない。
だからあんまり、カイトには深くかかわらないほうがいい。
★
「殺し屋が、真田ってホントなのっ?」
あたしはカイトに問い詰める。
「あぁ。マジだ」
カイトは、うつむく。
「ねぇ、どうしていってくんなかったの?」
あたしはなおも、カイトに問い詰めた。
「言いたくなかったんだよ。もし言ったらおまえ、きっと一人で乗りこんでいくだろ。真田んとこ」
カイトはまだうつむいてる。
「行かせたくねぇんだよ。…おまえ、もいあいつんとこ行ったらどうなるか分かってんのか!?殺されるぞ!」
カイトは、ハァハァ…と息を切らす。
廊下にいる人たちが、びっくりしてあたしたちの方を見る。
なかには、「何?痴話げんか?」と、あきれ声を出す子もいた。
「あぁもぉっ!…ちょっと来て!」
あたしは、カイトの腕を乱暴につかんで屋上へ連れ込んだ。
「マチ呼んでくるから」
あたしは、はき捨てるように言うと、マチのクラスへ向かった。
「リオっ!」
マチが駆けつけてくる。
「マチ?何?もしかして、超能力?」
あたしは、クスッと笑う。
「そうじゃなくて、リオ、カイトと喧嘩したの?みんなが、あの二人って、出来てたのって聞いてくんの。うちのクラスとリオのクラス、大混乱だよ」
マチは、はぁ…とため息をつく。
「喧嘩じゃないの。カイトがいきなり大声で叫んだからだよ」
あたしもハァ…とため息をつく。
「まったく…。仕事増やさないでよ。大変なんだから」
マチは、ムスッとする。
「ごめんごめん。…それは置いといて…」
そういった瞬間、マチの態度が変わった。
「あぁ、真田の事?」
マチは、一般人としてのマチの顔と、殺し屋の美咲の顔があるの。殺し屋の美咲は、すごく感が強くてすぐになんでもわかっちゃうから油断できないんだよね…。
「…うん…」
あたしはうつむく。
「屋上にカイトがいるの」
「了解。じゃ、先行ってるから。リオも早く来て。授業まじめに受けてたら怒るよ?」
…なんかその言い方恐いです。…まぁいいや。
「うん」
あたしがそういうと、マチは身をひるがえして屋上へ続く扉を開いた。
こんちゃ^^
桜ですっ^^
『計画』新シリーズスタートだよっ^^
この話は、中学生の女の子と男の子が、殺し屋と戦うお話なんだけど、実際、その子たちも殺し屋なので、殺し屋VS殺し屋みたいなww
まぁ、これからもがんばるんで^^
ヨロシク音っ^^