9.意外な再会
隕石のデータを元に、怨念の出処を探すため、7人は再び外に出た。
小泉の力は完全に目覚めておらず、いつでも使うことが出来るわけではなかったため、7人は目標のない旅になることを確信した。
「隕石の次は怨念か・・・今度は物質ではないものを探さなければならないあたり険しいものになりそうだな。」
ヤスは、なぜか一人だけ険しい表情を浮かべながらそう言った。
7人はなんの目標もなくただ歩いた。ゴールの見えない道、それは途方もなく長いように感じた。
「ん?・・・おい、なんか聞こえないか?」
和寿は、なにかに気付いた。6人は精神を集中させて耳をすませた。すると微かにだが女のすすり泣く声が聞こえた。
「人の声だよ! 私たち以外にも生き残りがいたんだ!」
アミは喜んだ。しかし、ヤスは、依然として険しい表情をしている。
「声をたどってみよう。」
ヤスの声掛けに6人は辺りを見回した。すると、段々と声が近くなっていることに気付いた。
「あ! あそこに人がいるぞ!」
錦戸はうずくまる女性を見つけた。すかさず7人はその女性に近づき、話しかける。しかし、その女性を見て7人は驚愕した。
「なっ・・・マリンじゃないか!」
その女性は顔をあげた。涙でしわくちゃになっていたがそれは、かつて共に行動していた海山マリンだった。
「み、みんな・・・よかった、生きてたんだね!」
マリンの姿は当時と変わらなかった。しかし、そんなことはマリンの喜ぶ姿を見た彼らは忘れていた。ヤスを除いて。
「なんで生きてたんだ! 俺たち以外コールドスリープはしていないはずじゃ。」
マサオの言葉にマリンが答えた。
「うん、実はみんなが見た映像で語られた科学者とは別の人が私をコールドスリープさせてくれたの。だから、こうしてみんなと会えたんだよ!」
マリンの話の内容は驚く内容だった。まさか自分たち以外にもコールドスリープをしていた者がいたとは考えていなかったからだ。
「でも8人なら心強いな! よーし、みんな行こうぜ!」
和寿は俄然やる気を見せていた。しかし、ヤスが歩き始めようとしていた全員を引き止めた。
「マリン・・・自分でおかしいことを言っていると気づかないのか?」
「はぁ? 何が?」
マリンはヤスに口答えしたが、ヤスはつづけた。
「岸辺直承達は俺達に不思議な力があるから、コールドスリープさせたんだぞ。だがお前は何が目的でコールドスリープされたんだ?」
ヤスの言葉にマリンは言い返せなかった。しかし、ヤスはつづけた。
「しかもお前は300年前から姿がまったく変わっていない、若いままだ。俺達は当時の技術でも限界なコールドスリープで今のように老けてしまった。おかしいだろ?」
ヤスの言葉には説得力があった。小泉達6人は、その言葉でマリンを一気に疑いの眼差しで見始めた。
「・・・そっか、ばれちゃったか。」
マリンは、急に雰囲気を変え、話し始めた。7人はただ事ではない雰囲気を察し、身構える。
「300年経っても、潤も小泉もヤスもみんなみんなみんな馬鹿ばかり・・・ほんと学習しないね。」
マリンは、手を掲げるとそこから黒いオーラが出始め、やがて2つの人型になった。
「な・・・あの姿は・・・」
小泉は恐れた。その黒いオーラは、完全な人へと姿を変えた。その人に全員見覚えがあった。名は、ユウと正太。
「私はあなた達馬鹿と違って完全な力が目覚めてるの。自分や他人の記憶からどんな物でも人間でも作り出すことができる。そして、作り出した奴らは、私に絶対服従する。」
そして、マリンが作り出したユウと正太は、7人に襲いかかった。




