3. 再会
潤と小泉は、別室に向かった。小泉は、自分たち二人以外にも三人が既に目覚めていることを潤に話した。しかし、それが誰なのかは小泉はまだ教えていない。
「一体・・・誰なんだ・・・」
潤はそう思いながら一つの扉の前に立った。
「ここだ・・・ここに三人いるぞ。 よし、扉を開ける。」
小泉の言葉に潤は息を呑んだ。そして、扉が開かれた。扉の向こうにはかつてとは変わり果てているが、当時の面影を残した三人がいた。
「みんな、潤が目覚めたぞ。」
小泉の言葉に、三人は目を輝かせた。一人は当時よりも大きくなった体格をした者、もう一人は髪型はリーゼントのようになってしまっているが片手にギターを持った者、最後の一人はその男の腕にしがみついた女だった。
「久しぶりだな、潤。すっかり変わっちまったな。」
体格が大きな男が潤に話しかけた。その声を聞いたとき、潤の推測は確信に変わった。
「や・・・ヤス・・・なのか?」
体格の大きな男の名は、吉村ヤス。当時、総合格闘技をはじめとした全ての武術を極め、全格闘技において世界王者になった男だった。
「よお! 元気だったかぁ?」
リーゼントの髪型をした男がヤスの言葉に乗っかって潤に話しかけてきた。彼の名前は舘島マサオ。潤と看護師として共に同じ職場で勤務していたが、ある日突然、ギターを片手に旅に出てしまった男だった。
「二人とも・・・本当に久しぶりだったな・・・ん? マサオ・・・まさかその女性は・・・」
潤はマサオの腕にしがみついている女を見て疑問を抱いた。そして、マサオの女関係を必死に思い出した。するとその女が潤に急に甲高い声で叫んだ。
「潤さん! わすれたのぉ!?」
そのどことなく子どもじみた反応を見て潤は思い出した。彼女は木限アミ。潤の周りで唯一の女、そしてマサオと交際関係にある者だった。
「ア・・・アミまで生き残ってるのか・・・ていうかみんな老けすぎだろ!」
そんな潤の言葉を聞き、アミは手鏡を差し出した。
「潤さん、人のこと言えないよ!」
アミの言葉に疑問を抱いた潤は、手鏡で自分の顔を見た。そして、潤は言葉を失った。己の姿も当時の若々しさを失っていたのだ。
「言っただろ・・・当時のコールドスリープは一命を取り留めるのが精一杯だと。」
小泉のその言葉を潤は、まともに受け入れることができなかった。
「そんな・・・なんで俺までこんなじじぃになってんだ・・・」
ヤスは、潤に語りかけた。
「無理もない・・・突然自分の姿が変わってるんだからな・・・小泉、あれの準備はできているか?」
「あぁ、五人そろったなら見せてもいいだろう。」
小泉は、薄汚れたディスクを取り出した。そこには、黒い文字で『残った七人へ』と書かれていた。




