21.母校
洗脳されていたとはいえ、数少ない生き残りでありかけがえのない友であった和寿を失った6人は、どうしようもない悲しみに暮れていた。
和寿は確かに決して性格が良いとは言えなかったが、大学時代の楽しい思い出の仲間であったことに変わりはない。
しばらく静寂が続いたが、それを打ち破るかのようにヤスが口を開いた。
「このまま立ち止まっているわけにはいかない。早くラスケ市に行こう。」
ヤスの言う通りだった。ここで立ち止まっていることは、300年前犠牲になった人々への裏切りとなるからだ。
6人は全く当てもないが、ひたすら荒野を歩き続けた。
どうにかして体を動かし、仲間を失った悲しみを紛らわせたかった。
そこで、ヤスがあることを閃いた。
「みんな、アサヒ町大に行ってみないか?」
突然の言葉に全員が呆気に取られた。アサヒ町大は、7人が出会った場所、母校だった。
「ヤス、なんでアサヒ町大なんだ?」
錦戸が問いかけたが、ヤスの返答はどこか曖昧だった。とにかくアサヒ町大に何かあるかもしれない。そんなヤスの勘に対して、全員半信半疑だった。
アサヒ町大はそこまで遠くなく、10分ほど歩くとたどり着いた。
「懐かしいが…ここまで崩壊してるとはな。」
潤は、かつての母校の変わり果てた姿を見て、どこか寂しさを覚えた。
そんな中、小泉が急に何かに気づいたように走り出した。全員が小泉を追い、小泉はとある場所で足を止めた。
「ここだ。ここから何か感じる。」
小泉は、不思議な力を感じる地点を突き止め、力を発揮した。すると脳裏にある言葉が浮かび上がった。
「ヤマデラ?」
小泉が、その言葉を口にすると、突如目の前に巨大な光が現れ、その中から懐かしい人物が姿を現した。その姿を見て、思わず名を叫んだ。
「や、山寺学長!?」
目の前に現れたのは、かつて小泉達が通っていたアサヒ町大学の学長、山寺だった。




