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11. 目覚めた力

 ユウと正太達の前に既に5人が倒れてしまった。小泉、潤、錦戸、和寿、アミへの二人の精神攻撃は壮絶なものだった。

 唯一、マサオとヤスは、なんとか二人の精神攻撃を耐えていた。

 「くっ・・・さすがにそろそろまずいな、体が鉛のように重い・・・」

 ヤスは、なんとか立ち上がっているが、ユウと正太から繰り出される精神攻撃により、体はかなりのダメージを負っていた。

 「くそ・・・地味に嫌らしい攻撃だ・・・」

 マサオもギリギリ耐えて見せていたが、足が震えているのが遠目からでも伺えた。

 「二人とも、いい加減諦めたらどうっすか?」

 正太の一言はヤス、マサオにとって屈辱以外の何者でもなかった。かつて、友を深く傷つけられた過去を知っているからだ。

 「ヤスさーん、マリン様と一緒に私たちと世界を変えようよ? マリン様はすごいんだよ、すごく私たちのことを考えてくれて幸せな世界を作ろうとしてくれてるの!」

 ユウの言葉に二人の悔しさは怒りへと変わった。

 「ふざけるな・・・俺たちの友を傷つけたことを忘れたか!」

 ヤスの言葉に続き、マサオが叫んだ。

 「お前たちは俺たちの友達を・・・部長を傷つけた、あの時、あいつが流した涙を俺は今でも忘れない!」

 マサオの拳が滴る血は、今のマサオの感情を表していた。

 当時、ユウと正太の理不尽とも言える行動に悩まされ、多くの涙を流した小泉、その場にいなかったマサオも当時の小泉の姿を思い出すと、二人に対する怒りが湧き上がっていた。

 「そんなお前たちの作ろうとしている世界は正義でも、天国でも、幸せでもない・・・ただの地獄だ!」

 ヤスの怒りは頂点へと達した、マサオも同様だった。その時、二人の体から銀色のオーラが放たれた。

 「うっ・・・なんだこれは!」

 正太は戸惑った。今にも倒れそうな二人から想像をできないエネルギーが発せられたからだ。銀色の光を放つヤスとマサオ、二人の姿は老いたものではなく、かつての若々しい姿へと変化していた。

 「か・・・体が若返った・・・」

 ヤスは言った。

 「これが岸辺が言っていた・・・俺たちに眠る不思議な力なのか・・・」

 マサオは、その言葉に確信を持っていた。そして、全力を出せばユウと正太を圧倒できると。

 ヤスの銀色の光は金色へと変え、完全な力が目覚めた。マサオの体もヤスと同様だった。彼らの体から放たれる光は、太陽のごとく輝き、二人は完全なる戦士として覚醒した。

 「くっ・・・それがなんだと言うんすか!俺たちの精神攻撃からは逃れられない!」

 正太はマサオに飛びかかり、攻撃を放とうとした。しかし、既に目の前にマサオはいなかった。

 「い、いない!? どこへ行った!?」

 正太は、すかさず辺りを探すが、マサオの姿はどこにも見当たらない。

 「こっちだ。」

 正太は声が聞こえる方へ顔を向けた。そこには、到底並みのスピードではたどり着けない場所にいるマサオの姿があった。

 「俺も予想外だったよ・・・ここまでのスピードが出せるなんてな。」

 マサオは自分の力に微笑んだ。目にも映らぬ速さで相手を翻弄し、一瞬の隙をつき相手を瞬殺する力、『超速閃光フォトンブレイズ』。

 「ヤスさん!さよなら!」

 ユウの精神攻撃がヤスを襲う、しかし、ヤスはダメージを負わず、ユウを殴り飛ばした。

 「な、なんで!」

 ユウの疑問はひと目で解決した。ヤスの体は紙のように柔らかく、身も心も鋼のように硬い姿をしていた。

 「これまでのトレーニングでは決してたどり着けないものだ・・・これが友情か。」

 ありとあらゆる攻撃も弾き返す強靭な鋼の体、しかし、その体は羽毛のように軽い。身軽さと共に圧倒的な力で相手を粉砕する力『鋼鉄翼アイアンフェザー』。

 完全な力に目覚めた今、ユウと正太の力は彼らの足元にも及ばない。勝負がつくのは一瞬だった。速さと力、両方を兼ね揃えた彼らの連携に、ユウと正太はなすすべもなく崩れ去った。

 「そんな・・・俺は・・・こんなところで・・・」

 「嫌だよぉ・・・やっさん・・・」

 二人は悲痛な言葉を残し、灰となって消えた。


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