5話 主神サマの一方的でありがたーいお話
心里の尻尾をいじっていたら、ステータスを身に宿すとかいう儀式が終盤に差し掛かっていた
「あ、ありがとうございました…」
また一人気迫に押され、顔を引きつらせながら段差を降りていく
「俺が最後です。よろしくお願いします」
「うむうむ!お主にも期待しておるぞ!」
「は、はあ、そうですか…」
「ではこの水晶に!」
最後の一人で学級委員長である、勇 正純くんが水晶に手を置き祈る
正直こういう展開のお約束は正純くんのような生徒が凄いステータスしてるんだよな
すると他のクラスメイトの時とは比べ物にならないほどの光りが水晶から放たれた
まるで目の前でライトを照らされたと錯覚するほどのまぶしい光
ほらきた
「うわっ眩し」
「眩しい…」
「な、なんですかこれ!?」
「この光…!まさか!?」
何故か僕らのより大きなステータスボードが浮き上がり、ここからでも目に映る
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名前:勇 正純
年齢:15歳
レベル:1
職業:勇者
種族:人族
HP:200/200
MP:70/70
力:28 耐久:24
俊敏:22 器用:16
魔攻:14 魔防:16
固有スキル:【天義断行】
種族スキル:【適応】 【英雄因子】
スキル:【アイテムボックス】 【鑑定】 【共通語理解(日本語)】 【不屈】
【剣術】Lv1 【身体強化】Lv1 【戦意高揚】Lv1 【魔術】Lv1 【魔力操作】Lv1 【魔力感知】Lv1 【危険感知】Lv1 【邪気感知】Lv1 【気配察知】Lv1 【索敵】Lv1 【直感】Lv1 【冷静】Lv1 【出血耐性】Lv1 【痛覚軽減】Lv1 【物理耐性】Lv1 【精神耐性】Lv1
称号:【日本人】【真の異世界の勇者】
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わぁ…剣士以上の耐久、侍以上の力、忍級の器用、俊敏、魔功、魔防
そして称号ではない職業の【勇者】 それに【真の異世界の勇者】って…てんこ盛りすぎだろ
「あ、あなたこそ真の勇者でございます!」
「これほど素晴らしいステータスをしているとは…!」
「そ、そうなんですか…?」
正純くんが王様や側近の人たちに詰め寄られているときである
今度は水晶ではなく、天井近くの壁にあるステンドグラスが光りだした
またかよ…って眩し!
今度はまるで太陽を直接見たかのような眩しさに目も開けられない
だがその眩しさはすぐに治まり、ギリギリ目が開けられるくらいの光量になった
そして不思議と声も上げられない
声が出ない!?…ということは
『こんにちはコズミック王国の者たちと勇者たち。主神ファーオンである』
主神ファーオン!?なんでこっち来たんだ!?
『こちらに声を届けられる時間が少ないから手短に済ますよ。まず君たち勇者に加護を授けよう』
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称号【主神ファーオンの加護】を獲得しました
称号【勇者の標】を獲得しました
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今話してる主神サマの声と同じように、頭に直接聞こえてきた女性っぽい機械音
突然!
てか加護ってこんな簡単に貰っちゃっていいのか?
『それと勇者同士で連絡を取れるように使えない状態のスマートフォンをアーティファクトに改造してやろう』
突然!(2回目)
慌ててスマホを取り出すとほのかに光っていた。だがそれはすぐに収まり、普通のスマホに戻った
と思ったが電源がつかない
てか発光したスマホは普通のスマホじゃねぇよ
『もうひとつ。私以外の神々も君たちに期待してる。君たちだけの専用アイテムを用意しているとのことだ。ということで…勇者 正純!』
「は、はい!」
急に呼ばれたことに困惑した様子の正純くんが返事をする
てか正純くんは声出せるんだ…
『お前にこれを授ける』
そう主神サマが告げると、ステンドグラスからランランと光る物体が正純くんの目の前にゆっくりと届く
それは、光り輝く黄金のコンパスに見えた
すげぇ…絶対高級品だろあれ。どんな効果があんのかな?
って、そうじゃん僕には調べる手段があるじゃない!
でも【鑑定】ってどうやって使うんだ?
そう黄金のコンパスを見ながら心の中で思った途端、目の前に先ほど見たステータスと同じような光る板が出てきた
うおっ…!出た!これが【鑑定】か?
目の前に出た来た鑑定の画面には、黄金のコンパスの詳細が書かれていた
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星泳の羅針盤 階級:レジェンド 品質:S⁺
勇 正純 専用アイテム
主神がその手で創り出した神器にすら匹敵する輝く羅針盤
その針はまるで未来を知っているかのように勇者 正純が行くべき正義の道を差し続ける
それに加え???????を崩さぬ限り????のステー?スア??を???
だ?、??????????????????????????????????????????
蟶ク譌・鬆?窮閠?◆繧玖。悟虚縲∽ソ。蠢オ繧呈戟縺、縺薙→縺?
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うわうわうわ文字化けしとるやん…きもぉぉぉ…
てか階級レジェンドって、これも考案初代勇者やろ
『他の勇者たちにも専用アイテムが用意されているからこの街を探索することを強く勧める』
えぇ…直接届けてくれよ
『しかたがなかろう。他の神々は私のように下界に直接干渉するほどの力はないのだ。なんとかこの街には届けているから探せ』
そうだった心は読まれるんだった
『君たち専用アイテム、ステータス、スキル、我の加護、特別製のスマホは全て私たち神々からの期待だと思え。邪神を討伐した暁にはある程度の願いを叶えるつもりだから努力しろ。私からは以上だ』
そうファーオン様が言い終えたとたん、眩しい光が無くなり通常の風景に戻った
「あーあー…声出せるな」
「ん、慣れない…」
「おい正純ー!すげぇじゃねぇか!」
「いい物貰ったわね」
「ははは…こんな凄そうな物貰っちゃっていいのかな?」
「とんでもない!あの主神ファーオン様が直接渡してくださったのですぞ!」
「うむうむ!潔くいただかなければそれこそ不敬だと言う物です!」
「あのー!俺加護貰ってな「ちょっとどいて!正純くーん!」
「こ、これは!?とてつもなく素晴らしいマジックアイテムです!」
ファーオン様がいなくなり、鉛のように重苦しい空気感が無くなった途端に群がる人たちに苦笑いを浮かべる正純くん
なんか…餌やり体験場の鯉みたいだな
* * *
その後落ち着きを取り戻した王様がこの場をまとめてくれ、僕ら勇者は食堂に案内された
いつの間にか昼食時になっていたらしく僕らはお昼ご飯を頂いた
メニューは、パンと謎肉の炒め物、コーンスープらしき物だった
「案外おいしいな」
「お肉お肉…!」
「!?ふむふむ。味のメリハリがしっかりしていて、具材の切り口も規則的。……負けた…!父さんぐらい料理が上手い!シェフを呼んでください!」
「肉がうまい!!!!!!!!!!!」
「ちょ、少しはおとなしくできないわけ…!?」
異世界に来たのだからメシマズの可能性を考慮していたのだがそんなことは無く、むしろ日本の食事とどっこいどっこいの美味しさの料理だった
———そいうえば…
ふと頭によぎった疑問は、今も特等席で料理を食べているコズミット王のステータスである
この世界のLv1一般剣士のステータスは先ほど見させてもらったが、王家の人のステータスは知らないので急に気になったのである
…【鑑定】
僕はラーザス王に視線を向け、鑑定を発動した
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【鑑定】に失敗しました
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うぇ!?鑑定失敗!?
目の前に出てきた画面に映る文字に驚いている中、ラーザス王はこちらに目を向けてきた
それは先ほどまでの勇者に対してこびへつらうような態度ではなく、底冷えするような冷たい目線だった
だが、彼はすぐに食事に戻っていった
こわー…なんなんや?あれ
どうやらこの世界は自分より圧倒的に強い者がいるようだ
当たり前のことだろうが、実感するとまた違った感想が出てくる
邪神討伐への道は険しい
「うまいうまい…」
隣で呑気に謎肉の炒め物を頬張る心里を見ながらそう思った
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TIPS 称号【勇者の標】とは?
称号、職業、スキルなど関係なく、ステータスに”勇者”の二文字があれば主神ファーオンからに”強制的”に与えられる称号
効果は
・戦闘への険悪感を大幅になくす
・急激な成長性
を得ることである
だが、隠し効果として
・勇者たる正義感を得る
というものがある
これは、通常の【鑑定】や鑑定用魔道具を使用しても見えない効果である
この正義感は、主神ファーオンの主観であり一般的な正義感とはまた違う。つまり、主神ファーオンの思惑通りに動くということである。加えて強制力と効果は特段強い
操り人形もいいところである
戦闘の”せ”の字も知らぬ若者をどう戦わせるのかと思えば……外道が
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TIPS 職業【勇者】について
称号【異世界の勇者】と職業【勇者】の一番の違いは成長性である
【勇者】とは、世界が崩壊の危機に瀕した時にのみ現れる神の使いと言われている。あながち間違いではない。【勇者】は神の力を強く受けたから強いのだ
当然そんな強い者を置いておくだけで世界はダメージを受ける。だから世界が崩壊しかけているときにのみ存在することが許される
【勇者】とは言わば諸刃の剣のため、神であろうと油断しない事を推奨する
その剣は神ではなく、世界に牙を向けるからだ
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TIPS 時間やその他の一般常識について
この世界を作り出した主神ファーオンと副神マギジャスタルは地球の理を大変好んでおり、重力や時間、星の動きなどを地球と同じようにしている
それに加え、初代勇者の影響により時刻や日にち、曜日などを地球と同じように定めた
多少の差異はあれど、地球から来た者にとって馴染みやすい世界になった
だが、本来別の文化になるはずだった世界を強引に変えた神と勇者の業は深い
訪れるべき世界の命運をこれから先も転生者や転移者、召喚者に委ねなければならなくなってしまったのだ
そんな現状を知っている者が怒りを覚えるのは当然のことである
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